第35話 Shibuya Station
デートの待ち合わせ場所であるハチ公口から、スクランブル交差点を渡った先にあるのが、渋谷のシンボルとして有名なSHIBUYA109ビルである。
道はそこで二股に分かれており、左側が
そして東急百貨店本店の裏にあるのがBunkamuraである。
Bunkamuraの裏側は
Bunkamuraは国内最大級のコンサートホールであるオーチャードホール、演劇やコンサートに使用されるシアターコクーン、映画館のル・シネマ、そして今回ミュシャ展が開かれるザ・ミュージアム等で構成される複合文化施設である。
Bunkamuraの中で最も有名な施設は何と言ってもオーチャードホールだが、ザ・ミュージアムも個性的な企画展を行う美術館として知られている。
そこが2人の目的地である。
東急
彼女がハチ公口前の交番に到着したのは、待ち合わせ時間の30分前である。
午前10時にもかかわらず、彼の言う通り、ハチ公前広場は
目の前にあるスクランブル交差点の歩行者用信号が青に変わるたびに、数千人の人間が横断を開始する。
午後になればさらに人が増え、それが夜まで続くのだ。
このような場所は世界中を見回しても、ここにしか存在しない。
『一体これだけの人間がどこから来て、どこへ向かって行くのか・・・?』
これだけの人がいるのに、自分の知り合いは誰一人いない。
人の海の中、
そんな時だった。
「お待たせ」
「
今日の
彼女が好むのは、こういうエレガントで保守的なファッションだ。
実際、
普通の女子高生が当然のように持っているアイテムを持っていない時点で、彼女が
「おかしいでしょうか?」
「いや、似合ってる。」
そんな彼の
「行こうか?」
「はい!」
2人は連れ立ってスクランブル交差点を渡ると、Bunkamuraを目指して坂道を上っていった。
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