第30話 Her mother
「始めまして、私の名前は
どう見ても
それほど彼女は若々しかった。
「お母様、こちらが
「
「どういたしまして、今日はゆっくりしていってね。」
間もなく応接室にティーセットが運ばれてくる。
「熱いうちに召し上がって、紅茶は苦手かしら?」
「いえ、そんな事ありません。」
初対面であるにもかかわらず、友梨佳の母との面談はとてもリラックスしたものになった。
自分の事を根掘り葉掘り聞かれるのではないかと覚悟していた
彼女の最大の目的は娘の交際相手の
「不思議な人だな・・・」
若々しい
相手が
「それにしても美しい家ですね。アールデコ建築の
「気に入ってもらえて
「そんな歴史があったんですね・・・これは重要文化財に指定されてもおかしくないくらいの貴重な建物だと思います。」
「その話だけど、実は10年ほど前に、重要文化財に指定される寸前にまでいった事があるのよ。その時は結局指定から外れたので安心したわ。重要文化財に指定されてしまうと、勝手に改築は出来なくなるし、不便な事が多いのよ。」
「なるほど、実際に住む側とすれば、そうなのでしょうね。私は住宅というのは、住む人がいなくなると生活感が消えて、ある意味死んでしまうと思っています。有名な
「・・・・・・」
「でもここは違う。この家は生きている。これこそ本物です。」
「この家をそんな風に表現した人は、あなたが初めてよ。
そこまで言った彼女は
「フフフ、この子ったら私だけが
「お母様、私
「この子、あなたを自分の部屋に招待したいみたいよ。2人きりになって、一体何をするつもりかしらね?」
「お母様!」
彼女は
「まだまだ世間知らずの子だけれど、娘の事をよろしくね。」
「こちらこそよろしくお願いします。」
「
「・・・分かりました、お母様。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます