第29話 Shangri-La
門の向こうは別世界だった。
小学校の校庭に
庭園の中央には噴水があり、静かな水音を立てている。
西洋風の噴水がある一方で、日本庭園のような
広大な庭園の先に、二階建ての大きな
当時の
内部の水回りだけは最新の
2人を乗せた車は、アーチ状の車寄せを登った所にある正面玄関前で停止した。
正面玄関の
御門は芸術家として、
「凄いな・・・」
「90年以上前に建てられた家なので、冬場はとても寒いんですよ。」
「当時はアルミサッシも無かったから、
「ありがとうございます。」
車を降りた2人は、運転手が開けてくれた
そこは吹き抜けの大きな
正面には二階への階段が配置されており、踊り場から左右に分かれている。
いわゆる両階段というデザインだ。
「しばらくここでお待ち下さい。」
一人になった
そこはまるで昭和初期のまま時が止まったかのような部屋だった。
現代の住宅なら当然装備されているエアコンは見当たらず、
その代わりに、セントラルヒーティングのラジエーターが暖房器具として設置されているだけだ。
机、
それらの
最新のマンションにアンティーク家具だけを置いても、何とも言えないミスマッチ感が出てくるものだが、この応接室には本物だけが持つ落ち着きが
数分後、応接室の
「
紹介を受けて、彼女は初めて口を開く。
「始めまして、私の名前は
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます