第27話 Appointment

『交際を始めた途端とたん、親に会って欲しいだなんて、非常識だろうか?』


そんな心配をしつつも、今後の事を考えれば、それが得策とくさくである事は間違いなかった。


母を味方に付ける事が出来れば、そのメリットははかれない。


決意した友梨佳ゆりか御門みかどに電話で相談する。


御門みかどさん、大切な話があります。」


あらたまって、どうしたの?」


「結論から申し上げます。近い内に我が家へ来て頂けないでしょうか?」


「どういう事?」


「先日、母に御門みかどさんの話をしたところ、是非ぜひお会いしたいと言うのです。」


「君のお母さんが俺に?」


「はい、お会いしたいと申しております。」


これは御門みかどにとって、ある程度予測していた事態だ。


何と言っても彼女はまだ高校生である。


友梨佳ゆりかの両親の立場に立ってみれば、相手の男の素性すじょうを確めておきたいはずだ。


御門みかどの方も真剣な交際をするつもりであり、やましい所など何もないため、彼女の母親と会う事に異存いぞんは無かった。


「分かった。喜んで会わせて頂くよ。」


「ありがとうございます!母も喜びます。」


こうして御門みかど蘭堂家訪問らんどうけほうもんが決定した。

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