第2話 My sister is angry but she doesn't hate me.

その翌日


課題を無事に終わらせた俺は、午後3時には帰宅していた。


俺が部屋でくつろいでいると、玄関が開く音に続いてドンドンと乱暴に階段を上る音が聞こえてくる。


数秒後、バンッとドアが開くと、物凄ものすご剣幕けんまくで妹が部屋に入って来た。


「何て事してくれるんですか、兄さん!」


「何が?」


「『何が?』じゃありません!また私の胸に変なモノいたでしょう!?」


「あー、それね。上手くけてただろ。結構自信作だから。」


「そういう問題じゃない!」


感情が高ぶった妹は全身をプルプルさせながら抗議こうぎする。


「兄さんがブラなんてややこしいものをくから、私、勘違かんちがいしてそのまま学校に行ってしまったんですよ!体育の時間に友達からは大笑いされるし、もう、ずかしいったら!」


「だけど普通、服着る時に気付くだろう。俺のせいか?」


「そ、それは今日は寝坊ねぼうして遅刻寸前ちこくすんぜんだったからあわてていたというか・・・とにかく兄さんのせいでヒドイ目にあったんですからね!」


妹の胸を使って作品を制作した後、毎回妹は俺におこってみせるのだが、何故なぜか俺の部屋で寝る事を止めようとはしない。


その日の夜も風呂から上がった妹は、当たり前のように俺の部屋にやってきて、携帯けいたいゲームを始めた。


「オイ、勉強はしなくていいのか?」


「私は兄さんと違って成績が良いのです。」


「『兄さんと違って』は余計だろ。それより今日はちゃんと自分の部屋で寝ろよな。」


「大丈夫ですよ・・・」


そう答える妹の声は、すでに相当眠そうである。


案の定、5分もしない内に妹は寝てしまう。


「やっぱり寝てるし・・・」


妹の寝顔を見ながら、今日も俺は作品のテーマを考え始める。


「さて、何をこうか?」

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