第18話 武器屋へ

 アイラお姉さんに鍛冶師の所へ、向かう際中だ。


ついていくもののお昼ぐらいになり人通りが多くなってくる。ちょっと人にぶつかりそうになったりしてたりして少し離れると?


 チラッ

 『手、繋ぎましょ。ふふっ、迷子になりそうだしね、アル君』

「ありがとう。」


 やっぱり優しいような。お父さんが任せるぐらいだし、今は信用してもいいのかも。


 『ここの裏通りから入るのがベストなのよ、覚えておいてね。』


 人通りが多い道を外れて裏路地を通る。例えるならヨーロッパなどの規則正しい街並みにある裏路地みたいな感じで少し治安的な部分で不安を感じる。アイラお姉さんが話しかける。

 

 『中々薄暗くて怖いでしょ。アル君、不安な顔しないの!こういう場所が治安を計るには結構わかりやすいのよ。』

「そうなの?」

 『そうよ、意外かもしれないけど他の町とかだと裏路地で生活している人が多いとひどいわよ。……誰もが目を逸らしたくなるほどね。でもね、人々の生活ってこういう場所に色んな事がわかったりするのよ。例えば、子供たちの笑顔があふれる場所が見れる所だったりね。』


 開けた場所に出て、太陽の様に輝く髪で……まるで太陽が笑顔がとても可愛かった。小さな芝生でボール遊びしている子供たちが遊んでるのが見える。この人はこういったを眺めてのんびり過ごすのが好きな人かもしれないな。


 『ここは孤児院が近くにあるから見ているだけで楽しいのよね。あそこが鍛冶師のドワッワーフさんの鍛冶屋ね。かなり年期入って凝ってる建物でしょう。』

「おぉーすげぇ、本当に…」


 言いながらアイラお姉さんが指を指す方向には公園のようなものの空き地があり、奥の方に壁に苔石と2階までのグリーンカーテンで一階は石建でその上に木造で2階建ての小屋だ。かなり広い建物だと思う。うちの家よりも広いとだけ…

 看板にはドワッワーフの工房と書いていた。


 『ドワッワーフさんお久~いるかしら~』

『おっほっほ、こーらめずらしいおっきゃくさんだな~もうおまえさんにそれ以上の武器はねえと思うぞ。』

 『今回は、私の武器ではないですよ。この子、いやアル君の武器を決めに来たのよ。』

『アル?あんまりきかねー名前だがりゃ、ん?その子がそうなのかじゃ。遂にアイラが孫を連れてくるとは、オラ、おどれぇたぞ。』

 「アイラお姉さん、孫じゃないです。」

『うそこけ、そんなわけないんじゃ。…チラ…チラ…チラ…チラ…とはいっても…のう。アイラに子供の居る親友おったかのう。10年くらい前だったか?変わらん美人だからのう。』

 『まぁ、そんな事はないですよ。もしいたら君付け呼びませんよ。』

『おっほっほ、そうじゃのう。』

 「アルー・ウェストランド・スーです。よろしくお願いします。」

『ほぅ、あいつの息子か。そこそこの力と反射神経、そして瞬発力、お父さん似ではないな、お母さん寄りじゃな。うーむもうちょい見たい、腕と足触ってもいいかの?』


 ドワーフだけど俺よりも身長高い所以外は大体他と同じだな。かなり年だが腰に刺してるハンマーが持ち手は長く使い続けているような木製でハンマーはメッキがテカテカしていて道具へのこだわりが強そうな人で、今自分を観察している。ちなみにひげもじゃ…


 「いいですよ。どんな武器が自分に合うと思います?」

『うーん……逆にアルが合わないと思う武器は何だと思うのじゃ。』

 「えっ…んー操作の癖が強すぎる武器かな。」


 咄嗟に言われて咄嗟に抽象的に答える。意外と考えてみると使う分にはすべて使えると思うが、選択肢が多すぎて決めかねるため考える。

 槍なら突き、剣なら振りをすればいいからな。


 『この小僧はなんでも使えると考えてるじゃろ。ほっほっほ、このぐらいの年になれば何となくだが分かるんじゃ、そして皆が必ず使う武器じゃからなるべく最初の武器をなるべく長く続けて使い続けてほしいじゃが、成長するにつれて変えていかないとな。死んでしまっては元もこうもないが何かを守れずに死ぬのもいやじゃろう。大切なのは一つじゃ”自分の考えと経験”じゃろな。長い間武器を作り続けているとな。色んな武器の達人に会うのだが、これに身を任せるのが一番じゃ、自分が本当に向いている武器は小僧が考え続け、今までの経験が決めてくれるのじゃ自然にやってくるのじゃ。ある程度使ってくると限界が分かるんじゃ、こいつは切れないなどの勘もまた経験じゃ。そもそも自分の武器が壊される様な状態になった時点で逃げる事が大切だとみんな考えてるしな。かーたらぐーたらー……どうたらこうたら』


 その後、おっさんのハンマー武器の魅力やらの話になり、ドワーフのおっさんはずっと話してた。


 ほんにゃらあんにゃら

 『ドワッワーフは話始めると長いね。アル君、もう一つ大切なのは”自分の意志”だよ。自分の使いたくない武器なんて使っても、やる気が落ちちゃうより自分でこれって決めた方が諦めがつきやすいのよ。お父さんから話は聞いたけど、パーティーの事は置いておいていいわ。仲間との連携なんて考えてもいくらでも合わせられる方法なんてあるんだから。私もアル君には傷ついてほしくはなかったり失いたくないと思うよ。』

 「ありがとう、アイラお姉さん、でも色んな武器を使って組み合わせしていきたい。そしたら色んな技が使える様になると思うから。」

『しっかり受け止めて、考えてくれるなんていい子だね。』ナデナデ


 母性あふれる、表情で撫でられた。心どこかでうれしかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る