第14話 工作

 休憩を入れる前に隠れる前のクロスボウの弾を回収する。


 ふと、何か自然な茂みに色合いに違和感を感じた。


「薬草?ぽくはないが、何だろうか。」


 近くに行ってみると自分より小さい骨格の死体があった。


 ゴブリンの白骨だろうと思う。リーブの様に言葉を喋るやつがいたという事はここでは戦闘があったのかもしれない。


 身に着けている装備を剥ぎ取る。木の弓と白樺製?白い模様が入ってるの矢筒、中身入りがあったので回収した、何かありそうなので、木に登り探索をする。


 「あれもかな。」


 それっぽいもの場所へ行ってみる。戦闘の後なんだけど木が不自然に切れてたりすれば、さっき戦った場所に光る物が見えた。


 そこには死体などはなかったが、さっきの戦闘で気付かないうちに落としていたのだろうか。金属製…銅製の弓と革製品の矢筒があった。他にも無いか探し、拾ったものを収納に入れた。


 移動したのち、少し開けた場所で休憩をする。最後に槍も回収し休憩する。


 「とりあえず、この付近に居ればそのうちお父さん達が見つけてくれる可能性もあるし、革はたぶんギルドで売れそうだし、縫い目を解いて持っていけるようにするか。この槍使い古されてるんだな。」


 最後探索したら見つけた武器…それは折れかけている槍を見ていた。中古のソフトの様に置かれて寂れてたからしゃあないな。他の品のものも調べてみる。

 カシャカシャと何本か矢が入っているので取り出すとパッと見、石や木製の矢が多かったが銅や鉄も少ないが混じってる。


 「じゃあ木製の筒の方もどうだろう。」


 ちまちまとした作業だが意外と癖になるんだよな。それでも今は金になる手段もあるしなおさらやらないとな。


荒廃した世界のゲームやった事があって、モノの方が少ないから価値が高く、なるべく貴金属類は回収したい。

 それにお金はこういう事で稼ぐのが一番だと思ってる。

 全部取り出してみると、石が一番多く、銅が二番目に多く、最後に木製の物が一番少なかった。

 一番持ち帰りたいのは鉄の矢と銅の矢の金属の部分だ。残りは新品に近い状態の矢も売れそうだ。売れないのは自分で練習用に欲しい所だ。 


 「全部収納に入らないから…そこら辺にありそうな手ごろな石ないかな。」


 ちょっと歩き回る。手ごろなサイズでひし形の様に尖ってるような石と平べったい石だ。早速取り掛かる。

 矢じりと木の棒の部分の接続がどのようになってるのかを見る。

糸を使わずに、留め具で付けているぽい。尖った石を手に取る。


 タン タン タン タタン タタン タン スポッ  カシャン


 ちなみに糸で止められてるやつもあったが短剣の刃先で糸を切り外したよ。分解は楽しいな。構造も理解できるようになるしね。

 集中し時間を気にせずに音を出しつつ50分経った頃、お母さんが音を聞いて、近づいてくる。自分の姿が確認できると走って抱き着いてくる。




 『アルー、探したわ。大丈夫、ケガとかはない?』

「お母さん、大丈夫だったよ。遠距離武器なくて危なかったけど…」

 『あのゴブリンは…そうね。』


 スッ

狙撃された時はビビって逃げたけど何とか倒せたよ。

 差し出されたのはリーブに渡したクロスボウである。


 『一緒に戦ってくれてたわ。最後にアル…タスカッタ、アリガトって伝えてってね。』

「あれは何なの色違いの子ブン?」

 『子ブンの派生のハーフゴブリンよ。人の知性には及ばない物のある程度の道具などを使って攻撃してくるわ。まさかダンジョンから出てくるなんて思わなかったわ。それでもギルの装備…冒険者には敵わないけどね。』

「だから、金属製の装備とか少し強い感じなのか。えっと、一緒に出て来たリーブは?」

 『アルでも倒せるなら2階層ぐらいなのかもしれないわ。…リーブは無事よ。一緒に熊の注意を引いて動かして境界線を示してくれたおかげで少人数で飛び出してきたやつらはほとんど倒したわ。でも本当によかった。よかった。』

「熊と戦わない事できるの?」

 『熊は基本的には頭がいいのよ。ギルは一人でも戦えるかもしれないけど戦わない事もできるの野生の生き物は、特にダンジョンから出たやつはね。不用意に近づかない。終わったら弱い方が逃げるが基本ね。』


 マジで野生動物と共闘できんの…条件付きだけど、えぇ


 いきなり抱き着かれて気づかなかったけど、お母さん少しケガをしていた。


「お母さんそのケガどうしたの?」

 『アルが逃げた後、熊に木を取られてハーフゴブリンにやられたのよ。その戦闘で焦っちゃってついね。リーブって子が援護してくれたのよ。』


お母さんの分かる範囲での出来事を話した。


 「あっそうだお母さん、この弓使う?」と銅製の弓を渡す。

『あら、いいの?よく見ると中々良い物よ。』

 「収納に入りきらないし、持っていけないから。」

『ありがとね、アルー……とりあえず、お父さんたちと合流しましょ。』


 銅製の矢じりを収納に入れ、革製の筒もギリギリ入り、お母さんについていく。

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