第13話 待ち伏せ

 一瞬で何が通り過ぎた……数倍くらい大きく黒かった。振り返ろうとした時には…


ビュン


 「ガァーーア」


ビュン


 動物の威圧感ある鳴き声で聞いた事もない熊の鳴き声である。何が通り過ぎたのかを気にしてはいるものの、何か流れ弾が飛んできてもいて走りながら見ると矢のようなものが見え、自分が狙われてはいないものもあるが、それでも流れ弾は飛んで来る。とりあえず、矢が飛んできた方じゃない方向にジグザグに逃げる。


 森だから矢も木が邪魔で思うように飛ばせない事もあるが、とにかく離れて安全な場所へとたどり着いた。


 最初の数発は当たりそうにはなるもののジグザグで避けていた、その後はほとんど地面に刺さっていた。


 「はぁはぁ…熊だよなあのデカいの…俺の方は見えなかったのか?運良く襲われなかった。とりあえず、撃ってこなくなったから、撒けたぽいな。リーブがいなかったら何がわからずに死ぬ所だった。」




 体力も回復した所で行動指針を考えなければならない。


「どうしたものか……盾を使って矢を弾くしか方法ないかな。現状、どんな敵か分からないのが辛いな。」


 逃げた方向は分かってるから、追っては来ると思うんだよな。リーブはかなり周りを見る能力が強いし俺の所まで追ってきそうだけど、ヤバそうならやり過ごしそうだし。


 でも、見事なまでにはぐれたなぁ。追ってきてたら面倒だなぁ。一応作戦考えとこ…

 


 ・盾持って防ぎながら近接戦に持っていく。

 ・隠密でやり過ごして、奇襲して倒す。


 クロスボウをリーブに渡した事を悔やむが相手に熊もいるなら追って来るのも難しいと思いと無いものねだりしてもしょうがないと思い、感情に折り合いを付けた。

 この二つだけ、木に登るのも考えたけど相手が遠距離である以上、視野が広いと思うから選択肢に入れなかった。

 遠距離武器持ってる相手に、真正面からは無理だし、どっちにしろ隠れよ。


・・・・・・!


 シュン カラコゴソン タッタッタ


 クロスボウの弾をちょっと離れた木に置いたり木に刺したりと、かなり適当にわかりやすくね。

 とりま、盾に土をまずかけてその後に落ち葉やって後はそれっぽいところで背中を気にする必要がない所に隠れれば…まあ、大丈夫だろう。少し待ってみる。




 5~8分後


 グギャギャ? ぎゃ? ギャギャ???


 盾の隙間から除く、子ブンを茶色くして大きくしたやつだ。弓持ってますね。他は特に何も持ってなさそうだな。

 バレてないぽい。後は、背中から刺すだけなのだが、ちょっと遠いが…盾があるし。

 

 よし、やろう。

心の中で覚悟を決める。


 シュン ガッ ダーン


 金属音…盾に着いた土を一気に落とすために地面に強く打ち付けた。


 グギャ??

 ダッ


 一気に近づく…直ぐに状況が分かったのか。弓を構える。


 グギャギャ! ギューブン ヒューン

     ズゥー       ダーン ダッ ダッ ダッ


 「この距離なら外さない。」


    ギュー   カランコロン

  ブーン グサッ


 相手が2発目を撃つ前に槍を投げて倒す。

勝ったな。遠距離でも意外といけるなまあ数いたら無理だなこれ、戦利品は弓と矢筒だ。中身残ってるが少ないな。遠距離武器欲しいし、拾うか。


 ビューン グサッ


 何か真上を横切った。


 ビューン ピキィ  

       カラン ダッ


 あっ、槍壊れたと思ったのと同時に手放し、木陰に移動した。

 武器を弓に切り替える。


 ヒューン ザクッ


 木を背にして隠れながら覗くとさっきと見た目をしたやつが弓で攻撃を仕掛けいる。

 さっきの弾道を読むと自分の胴体に当たる位置だったので正面に盾を持ってくる。


 ガキィン ザクッ

         ギィー ブン ヒューン ザクッ


 音を立て左下に弾き地面に刺さる、相手がいた方向に撃つも外れる。

 奴はかなり近い所に刺さったからか、木の後ろに隠れた。


 シャキ ダッダッダッ   ダッダッダッダッ ズサッ ギュ ダッダッダ

      ギュー ヒューン     ギュー ヒューン


 弓を収納にしまい、短剣に切り替え、木の隙間を縫うようにジグザグに走っていく、ある程度近づき石を投げる。


 バッ    バキッ

           サッ

 いつ拾ったって…方向変えると時斜めになるやろ、その時スライディングじゃなくても片手で取った。


 ガッ タッ タッ タッ

              サッ グギャ?!    スッ


 なるべく大股で走り近づいていったが残り3メートルほどだったために、相手は何でこんなに近くにいると思っていなかったみたいで、驚く。

 片方刃の武器を装備したようだ。ラッキー…

 

 シュ キィン ガッ   ダッ  グサッ     

  シュ    バン グギャアア    グググァ


 お互いに刃を交えたが力はこっちが上だ、少し怯んだので蹴り技を決め、短剣止め、なんとか勝った。

 一応周りを警戒してみたものの、終わったと見ていいだろう。

 

 「まあいっか。」


 みんなと離れ離れになったためどうするか考える。一度木の下休憩を入れることにし、休める。

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