第12話  ダンジョンスタンビート?

低い姿勢のまま、できるだけ早いスピードで洞窟を出口付近まで来た。


 ギャーギャギャーギャーギャー


 思った以上に追われてる。てか、このまま外出ても大丈夫なのかとよぎったけど、自分の力だけじゃあどうしようもないし、お父さんを頼ろう。

 お母さんと一緒にいる様だった。



 『数がかなりいるみたいね。』  

『ちょっとこれは、まずいかもな。セーラ罠だけ直ぐに仕掛けられるように…』

 『分かってるわ。入口がこの小さいスペースだけなら出てくる前にある程度負傷を負わせとけば、動物でも食べるから殺傷性の高い罠を置くわよ。』

『来たみたいだな。アルー!!!そのまま、走り抜けろ~!』





 「リーズとよくわからん奴、今の聞こえたな。行くぞ。」

『はーい』『ウグッ』


もう一匹の方は返事か分からんて…


タッタッタッ


 「『お父さん、助けて~』」『ゴブーゥ、テキジャナイ』

『ッーーー!何で、こっち側に隣国のゴブリンがいるんだ。今はいい、あいつより後ろにいるやつの方がヤバい。』

 『まずは、ワイヤートラップにしましょうかね。それと、地面を泥にしてかゆみで負傷させましょうか。』


 というわけで脱出した。




『「はぁ…はぁー」』『タスカッタタ』


 ドゴバコガンバンドンドン


 ギルは、強力な防具を着ているため狭い入り口に立ち通らせないようにしていた。そしてセーラはトラップを仕掛けている。子供組は固まって休んでいた。


 『ここを引っかけて、あそこを括りつけて、糸を強く結んでこれで完成っと…リーズにアルいつまで休んでるの?もうすぐ来るから木陰にでも隠れてて…ほら―――っ』

 『フセル』ガバッ


 ビュン ザグッ


 『んなっ?!』


 あぶねえ、矢が飛んできた。ゴブリンのおかげで助かった。 


 『アル…盾を構えながら下がれ、リーズは俺の傍にこい。セーラ!罠仕掛け終わったら下がれ、中層クラスの装備を着たゴブリンもいるぞ。気を抜くなよ。』


 シュン

  ガチャン バキン ビュン 


 お父さんとお母さんはあそこの入り口で戦っていた。

俺は、ゴブリンと一緒に下がった。




 少し遠くの木陰まで下がった。

 

 『アソコ、テキイル。』


 ゴブリンが指差した。先にはどうやら、数匹の子ブンがいた、遠距離武器はないな、


「倒すよ。援護お願いしていい?」

 『イイゾ、マカセロ…トイイタイガタマガスクナイ。』

「これ使えるか?」シュン

 『ムカシ、ユウジンガツカッテタ。ソノヨウスミテタ、ダイジョウブ』


 取り出したクロスボウを渡す。

作戦を立てる。

 相手の様子を見ているが、さっきお父さんが行ってたように武器や防具を着ている奴もいる。数と質がそこそこ良い為何とかその数だけでも減らせないかなど考えていた、しかし奇襲などは厳しい状態だ何故なら子ブンがほぼ全員周りを見ているため、奇襲を仕掛けることが出来ない。


 ……ふと頭にアイデアが浮かび、周囲を見渡す。できそうだなと思った。

 

 「ゴブリン、お願いがあるんだけどいい?」

『ナンダ?オレノナマエアル、リーブダ。』

 「おう。俺の名はアルだ。よろしく。作戦があるんだ。」


 簡単に作戦とやってほしいことを話した。


 作戦はいたってシンプルである。多数を木の上から待ち伏せからの奇襲を仕掛けるというものだ。ちなみに、ゴブリンのリーブにはあえて音を出して、誘いだしてほしいというお願いだった。


 ドゴッ、ザク…コロコロ


 木に石が当たった音がして、子ブンは何の音か確かめる。


 テクテク キョロキョロ ジー …グギャギャギャ? グギャギャーノ グギャ



 ゆっくりと子ブンは音がした方へ武器を構えながら寄ってくる。すると木が若干へこんでいる事に気づいたがどこからかは気が付いていない。リーブは既に位置を変えて狙える場所に見つからないように移動している。

 そしてアイコンタクトでお互いの目を合わせて、リーブとタイミングを合わせた。

 

 「今だ。」


  ヒューン バキッグシャ バタン 


 木の上から飛び降り、下敷きにして倒す。さすがに頭を打ちつけて胴に着地しているので恐らく死ぬだろう。直ぐに立って、短剣を抜き攻撃をする。


 ダッ スッ スパッ       シュン

         ギャー…バタン


 首あたりを切ったら、絶命した。致命的な一撃か。

すぐに短剣から槍と盾に切り替える。もう不意打ちは効いてないのでカウンターと間合いを重視した戦い方に変えた。

 恐らく、今見えてる4体のみしかいなさそうだ。1匹はちょい離れてる。何か投げてくる気が……


 ギャ ヒュン バキィ ダッ バァン   タッ ガァン ヒョン  

             シュッ グサッ  スパッ スッ  


 「マジか…ぐぬぬ。」

 『グッ、ギャギャギャ!!!』 


 一番遠い奴が石を投げるも盾で防ぎ、そのすぐ直後に盾にこん棒で殴ってくる奴の攻撃を盾で防いだ後、返し刀で横腹辺りを槍で刺し倒す。同じようにカウンターで倒そうと槍を振るったが避けられる。、周りを見渡す。残り三体だった。いや、まだ遠いから、2体だ。

 こっちから仕掛けようとすると…?


 パシュン グサッ グギャ?!!


 「チャンス…一対一なら行ける。」


ダッ グサッ


 何処からともなくリーブの援護のクロスボウを撃った攻撃が命中し、一瞬のよそ見をしたうちに突きの一撃で倒す。

 最後の遠くにいたやつの方を見たら足元に小さな石の山があり、そして子ブンの両手に石…後は分かるよな。


『グギャギャグギャギャアアアアアア』


 ポポーイ グシガシ ポポーイ ガシガシポポーイ

   ダーンガン      ダーンガン    ダーンガン    


 「動けないな。リーブ~!頼む!!!」


パシュン バコーン


 子ブンを狙った攻撃なのだがを距離が遠かったのか。足元の石に命中した。

石投げ攻撃が止まる。まとめた石が少し飛び散って、すぐにまとめようとしていた。近づいてるうちにまた始まりそうだ。遠距離攻撃できるもの… そうだ!


「当たるか分からんけどいっけー!!」


 ガラン バッ グサッ グギャ


「外れるコースなのに、運がいいな。」


 盾を後ろに投げ捨て、槍を投げた。思った以上に肩に負担掛かるなこれ…狙った場所ではないのだが、石を拾ってると途中に当たる。

 盾を背中に背負う。リーブと合流する前に槍を収納にしまいに行く。


 「よし、これでおk。リーブは?」


『グガァァァアアアア』


『アルー、マッスグハシレー!!!』

 「えっ!ああ…」


ダッ


 その時後ろ?横?ビュンと何かが横切った。俺よりも数倍大きい動物である。


何かヤバいと思い走り続ける。




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