第十一幕

「みなさん、こんにちは」


「みなさん、こんにちは」

先生の後に続いた子どもたちの元気な声が重なり教室に響く。


「ときどきああやって、日本語の授業もやっているのですよ」


「そうなんですか。日本人としてはとても嬉しいですが、使うことありますかね」

少し冗談めかして言ったつもりだったが、校長先生からは真面目な答えが返ってくる。


「きっとありますよ。子どもたちは、日本に憧れていますから。日本にはスーパーヒーローがいて、なんでも解決してくれるんだってMawa先生が、子どもたちにそう教えているみたいですよ」


「へ、へ〜…。そういうことになってるんですか」

もしや、昔言った冗談をMawaは本気にして、警察に…。



授業が終わり、子どもたちは教室から駆け出していった。

入れ替わるように教室に入っていき、教師に声をかける。


「やあ、久しぶり」


突然のことに、言葉を失うMawa。


「落とし物を拾ったので、届けに来ましたよ」

と、Yの文字が入ったコインを指でつまみがら近寄っていく。


「ヨースケ!やっぱりあなたはスーパーヒーローだったのね」


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