3章2幕
屋敷の地下、暗い。
3人は灯りのスイッチを探した。それは、以外にもすぐそばにあった。
それを押し、灯りがついた。そしたら、若い声と可愛らしい声が聞こえた。
『きゃ・・・あ、赤坂せんぱぁ〜い♪』
『うわ・・・・・あ、赤坂刑事、それに千馬さん』
僕たちがこの屋敷に来た目的があっさりと達成してしまった。
『拓坊に、美咲!無事だったのか』
拓坊が答える。
『はい、見ての通り無事です。』
拓坊は見ての通り無事そうだ、檻に入っているのに。
美咲は赤坂刑事と話している、
僕らと同じような会話を。
『でも、この檻・・壊れなさそう』
後輩君が言った。
『確かに、そうだな。なあ、鍵穴みたいなのあるか?』
僕は赤坂と後輩に言ったが、なぜか拓坊が言った。
その一言は予想外であったが・・・
『それ、妖力で開きますが・・』
一方、小西は子供部屋を離れ、その隣は鍵が閉まってて、その隣も閉まってて、その隣がようやく開いていた。
その中に入った。そこは、夫婦が住んでいたような部屋だ。ツインのベッド、その間に鏡台、
向かいにはでかめのクローゼットがある。
『誰もいないよな・・・あ、』
恐る恐る入り、ふと鏡台の上にある日記があることに気づいた。
『なんだよ・・これ』
それをパラパラ開け、50ページぐらいのところを読んだ。
その内容は、たった四文字の”タスケテ”だった・・・・
僕は驚いた。妖力を全く信じなかった拓坊の口から”妖力”という二文字を聞くなんて。
『え、妖力?どういうことだ』
拓坊は深呼吸をして、今まで起きたことをありのまま、話し始めた。
それは二週間前、千馬探偵事務所の前を掃除をしていたときの出来事だった。
『千馬さんに早く一人前の探偵として認めてもらうのだ』
真面目にその前を掃除する。その時、とある老人に声をかけられた。
『其方、夢があるのう。』
俺は驚いた。
『え・・あの、どなたでしょうか』
そう聞くと、その人が言う。
『其方は夢がある、一人前の探偵になりたいという。そんな君にその夢を叶えさせてやろうぞ』
俺はその話に興味津々になってしまった。
『もしかして、俺に仕事が・・』
老人は回答した。
『そうじゃ、仕事じゃ』
俺は不覚にも喜んでしまった。なぜなら、初めて知らない人に頼りにされたから。
『一体、どんな仕事?』
老人は回答した。
『この近くの山にとある屋敷がある。その屋敷に何者かがいそうなんじゃ。それを調べてくれないか』
俺の答えは単純、
『もちろん、必ずその屋敷を調べて、何者かを捕まえます』
そう言うと、老人は”ありがとう”と言い、帰っていった。
それから、俺はその仕事について頑張った、千馬さんに相談もせず。
でも、途中で気づいた。やはり、専門的な人がいると。だから、姉貴に手伝ってもらった。
なぜ、千馬さんに手伝ってもらわなかったのかというと、認めてもらいたかったから。
この仕事を一人で成し遂げ、千馬さんに認めて欲しかったから。
そして、ついにこの屋敷の中にに入る日が来た。それは今から5日前のことだった。
この屋敷の前に二人、いる。
『ここなのね・・・』
姉貴は不安そうに言った。
『姉ちゃん、大丈夫?』
そう言うと、姉貴は答えた。
『まあ・・でも、まだ犯人がいるかもしれない』
俺は驚いた。姉貴が”犯人”がいるという前提で話したから。
『え、犯人?』
姉貴は俺の目を見つめ、言った。
『本当にこの屋敷について調べていたの?』
『あゝそうだよ。この屋敷がいつ頃建てられたとか、いろいろ調べたんだよ』
『じゃあ、これについて調べてない?』
そうすると、姉貴の字で書かれたメモを見せられた。
そこには、
(この近くで事件発生。被害者は5人の異界な服を着た男女。犯人は未だ掴めない。もしかしたら、犯人は化物なのかもしれない。近くの屋敷が怪しい)
と書かれてあった。
『姉ちゃん、これ本当なの?』
『もちろんよ。だから、拓と一緒に来たんでしょ』
俺の初めての事件が恐ろしい事件になると確信した。だから、覚悟を持ってこの屋敷に入る。
そして、屋敷の玄関の大扉が開けて入る。
この日が来るまで、この屋敷の近くで張り込みをしていた甲斐があった。
玄関の大扉はなぜか夕方6時に開くことはわかっている、つまりは誰かがそこにいることだ。
しかし、その中に入っても誰もいなかった。
俺たちは玄関を開けてすぐは大きな大広間で、目の前にある二階へ続く階段を登る。
そして、俺は階段を一段ずつ上がる。そしたら、後ろで扉が閉まる音がする。
『きゃ!!』
姉貴は怖がる。
『拓、閉まった、閉まったよ』
誰もいないのになぜか閉まる扉、俺が信じてない”妖力”の線が出てきた・・・
この屋敷には、何かがいる。得体の知れない化物ばけものが確実にここにいる。俺はそう確証がついた。
しかし、その正体は掴めずにいた。
『ねえ、拓。本当に怖いよ』
『姉ちゃん、大丈夫だよ』
二人は屋敷の部屋を1つずつ順番に見に行った。その間、部屋で見つけたモノは証拠になると思って、背負ってるリュックに何も読まず、入れた。後で、ゆっくり読むために。
それから数分後、地下牢に着いた。そこでは、かなりひどい腐敗臭がする。最近のものだとすぐに勘付いた。
『何、この臭い・・・』
『多分、姉ちゃんの捜査してる事件の被害者がここら辺にあると思う。』
僕の予想は的中した。牢獄の中に死体が5体ある。その死体はこの時代では見られない服を着ている。なぜここに警察が確かに検死に出したはずの死体があるのか、お姉ちゃんは疑問に感じた顔を取った。
その時、遠くの方で何かが響いて聞こえてくる。それは男性の叫び声だ、と思い二人はその場所へ向かおうと思った。しかし、なぜか体が動かず、そのまま牢獄の中に誰かに引っ張られてるように入り、閉まった。
俺たちはそこで、閉じ込められた。
それから、数分後に千馬さんが来た。
『え、どういうことだ。拓坊!』
拓坊と美咲はきょとんとしてる。その行動が僕には分からなかった。
『あの、二人がいなくなって二週間だったから・・・』
と、後輩君が言ったら、二人は驚いた。
『え、二週間〜!』
『どういうことですか、俺は確か、ついさっきこの屋敷に入ったはず・・』
僕は思った、時間にズレが生じてると。これは今の科学ではあり得ない事象だ。
すなわち、今・ま・で・の・考・え・を・捨・て・な・い・と・い・け・な・い・と感じた。
僕たちは、どうにかして、その妖力で込められた牢獄を開けたい。でも、どうやれば開くのかわからない。
『千馬さん、ボイラー室です』
僕らは”え!”と思った。
『どう言うことだ、拓坊』
そう言うと、彼はポケットから手帳を出した。
『ボイラー室に何か邪悪な空気がするのです。その空気がもし、妖力だとしたら・・・』
確かに、それだったらこの二人を助けられるかもしれない。ただ確証がない。
そんな中、後輩君が覚悟を決めた。
『先輩、千馬さん、一か八か行きましょう』
一方、あの探偵は...
二階から中央階段を降りてきた。
『ったく、あいつらどこに行きやがったんだ?これだからあの怖がり探偵は』
彼の足が恐怖を感じてるように歩いている。彼が降りた場所は奴らとはぐれた場所であった。
そのまま、歩き続けて食堂の方とは別方向へ向かった。そこの方にはボイラー室があった。
彼はその中に入ると、何かを感じる、この世のものではないような・・・
その時だった。彼の肩に何かが乗っかった。
『うわあああ!!!!』
彼は叫んだ、そして後ろを見ると、
3人の黒影が・・・あった・・
『洋さん、ここに居たんですね』
『お前は何やってるのだ?』
彼は情けない姿で言う。
『お前らか・・良かった〜〜』
そう彼らは警部と後輩くん、千馬探偵だった。
警部は、情けない声だな、と言う。
彼は、『うるせえよ!・・で、お前らはここに何しにきたんだ?』
そして、彼らは言った。
妖・力・の・根・源・を・探・し・に・き・た・の・だ・、と....
俺には分からなかった。全く妖力を信じなかった俺のライバルの口から妖力という二文字を聞いて。
『え、妖力?・・ってか、お前、信じてなかったのじゃないか』
そうすると、千馬は・・
『この事件は今まで僕たちが解いてきた事件とは全くの別物だ』
確かに、そうだと思った。
『千馬さん、この部屋早く調べましょうよ』
僕はうなづき、この部屋を隅から隅まで調べた。しかし、出てきたのは燃料として使っていた木炭のみだった。
僕たちは何もなかったのだ、と思い、ここから出ようとしたとき、赤坂が何かを見つけてきた。
それは、むらさきのろうそくであった。火はもちろん着いてない。
僕たちは、それを手に暗闇の地下牢に向かった。洋はかなり怖がっている。
『おいおい、お前ら本当にこの先行くのかよ』
彼はみんなの後ろにつきたいと言う訳で後ろを歩いている。
『あ、千馬さん!!戻ってきたのですか』
二人は歓喜に満ちた顔だった。
『って、拓の野郎にその姉ちゃんじゃねえか』
洋は、久しぶりに二人に出会った。
🍊
悪魔喰らう、呪いの館 アカサ・クジィーラ @Kujirra
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