第一幕 神樂道樂 ~蟲毒~ Act 1 The sacred game -Battle royal-

第一幕のプロローグ ミスディレクション


 どうも!劇場支配人の嘉御白狐烏猫です。

 皆さん本日はこの劇場に、足を運んできてくださり、ありがとうございます。


 これから上映する

「神技使いのカプリッチオ(狂想曲)」の

「第一幕 神樂道樂~蠱毒~」について話しておきたい所があります。

 この物語において重要となる「主人公」なのですが・・・


  終盤まで分かりません。


 様々な「主人公候補達」がそれぞれの物語を紡いでいく訳ですが…

 主人公は劇中の「ゲーム」で優勝します。

 物語を多面的に見た時に誰しもが主人公となり得る中で、あえて「主人公」の存在を提示したいと思います。


 元々この小説自体、デスゲーム系のストーリーへのアンチテーゼとして書いたものであったりします。


「どうせ主人公が生き残るんだろう」

それなら主人公が誰か分からないようにしよう。


「当たり前なんだけどデスゲームって怖い」

それなら楽しさ要素も多めにしよう。


…そんな風な考えで作った所存があります。

そこから26人の主人公候補が生まれた訳です。

 それでは皆さんには、26人もいる「主人公候補」の中から、「『主人公』は誰なのか」という点にも注目して見ていただきたいと思います。



腕時計を見て、見上げる。



 時間がやってまいりました。

 それでは、開幕です!



 劇場が暗くなり、モニターに光が灯る。

 ジーーと音が聞こえてくる。

 観客たちの歓声が聞こえる。 


 「少しぐらい考えろよ」

 劇場支配人はそう呟いて笑った。

 そこにある微笑はどこか厭世的だった。

 

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