僕はもう君のものじゃない『所有権』

私はあなたのものじゃないけれど、あなたの心は私のもの

　これまでに２度、夫に浮気された妻がいた。

妻には、

「今度やったら、ただじゃ済まないわよ！」

　そう言って釘を刺されたが、男は３度目をやった。今度は手が込んでいて、相手の女と会うためだけにマンションの部屋を借りていた。

　男の妻は浮気用のマンションを突き止め部屋に乗り込んだ。

相手の女はおらず、夫だけが真っ青な顔で妻を出迎えた。

「頭にくる。あの女のために、こんな部屋まで借りて！」

　金切り声の妻に夫は平身低頭して謝った。

それでももはや３度目となると許してはもらえそうに無い。妻は怒り狂っている。

「汚らわしい！」男の妻はそう叫び夫に言った。

「あの女の物は全部窓から捨ててしまって！」

　夫は言われるがままに浮気相手の女のものを掴んで窓の外へ向かって放り投げていった。

洋服、下着、靴に化粧品、宝飾品の時に躊躇したが、妻に更に怒鳴られて投げ捨てた。そして最後に、

「俺もかナ」というとベランダの手すりを乗り越えて落ちていった。