百三十話 「籠の中の孤独」
絶望よりも孤独の方がずっと恐ろしい。
自分のことが嫌いだった。
それは若い子にはよくあることかもしれないけど。
僕の場合は、かなり厄介なものが関係している。
どんなにいいところを見つけようとしても
それはどこにもなくて、僕は僕自身を
一度も好きになったことがない。
負の感情は、まるで呪いのように僕の首を締める。
そんなダメな僕のことを
誰も好きになってくれるはずがないと
本気で思っている。
でも、諦めることに慣れすぎていて
そんなに苦しく感じることはなかった。
ただ人並みにできることに強く憧れを抱いていた。
そして、そうじゃない僕自身は弱くてダメだと責め続けた。
でも、ある時に君がこんな言葉をくれた。
「弱くてもいいじゃない。弱いことはそんなに悪いことかな?」
僕は正直君の言葉を受け入れられなかった。
「僕の何を知っているの?」って、耳さえ傾けなかった。
でも、君はどうしようもない僕に何度も何度も声をかけてくれた。
そのおかげで、やっと僕は少しだけわかった。
僕に責められている心の中の僕には
味方が一人もいないってことを。
あなたの世界には僕しかいないよね。
気づくのが遅くなって本当にごめん。
もしまだあなたの心の傷を癒せるなら
僕にさせてくれないかな。
あなたが僕の心が壊れないように守ってくれていたのだから。
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