第20話 さらなる試練 セブンスヘブン2
「みなさ~ん、集まりましたか~?」
エリスが、傷を気遣いつつ、神様のもとへ、皆の先頭に立つ。
「えーと、総本山になりますセブンスヘブンは、地球に大気が生まれて、神々が引越しを始めたといわれています。もう、中国もびっくりなんですね~。」
そんなエリスも気遣わずに、神に不信感のある母と長女は話している。
「えっ、おじいちゃんも、いなくなったの?」
「そう。ちょっと柱に引っかけただけで。人様の命を何と思っているのか。」
「マジ怖い。あの闇の中怖いのよ。」
「私も、何事かと思ったわ。最後まで行くわよ。行って、そいつを倒せばいいんでしょう。」
「でも、さっきの天使もそうだけど、ヤバくない? 変な悲鳴も聞こえるし。」
「あら? 耳をすませば、何かが聞こえるわね。ちょっと、あれは何?」
「はい?」エリスは、歌いながら歩いているので、聞いてはいない。
「ほら、あの声よ。」
エリスは、よくあることなので、軽く流す。
「黒き者の叫びですよ。」
「黒き者? なによそれ! 見に行っていいかしら?」
「いえ、今添乗員として、まず、目的地に……。」
「うちのおじいちゃんたちだったらどうするの?」
「そんなことありませんよ。保証します。」
「天使の保証なんか、あてになるもんですか!」
長女と母は、離脱してしまった。
エリスは、自分の任務を果たそうと、二人をきつく引き留める。
「なに、それ?」
「ちょっと態度がでかいんじゃない?」
二人は示し合わせて、エリスのもう片方の羽を引きはがした。
「これで、あなたは私たちにもう勝てないでしょう。5対1よ。変なボールも、もう、ないし」
「羽が、羽が。」エリスの両羽がもがれ、天界にて堕天使に。
「沽券の次は、羽か。見るに堪えないな。」
お父さんまで、なんかおかしい。
「次女は、お父さん、早くお参りして帰ろうよ。怖いよ。」
「うん、お姉ちゃん。まっすぐだっていうから、一緒に走ろう。」
俺もいよいよ、家族のヤバさに気が付いた。知らないものや、納得できないものへの憎悪を母と長女の、あの二人はよくするからだ。天使に、暴行まで働いたというのなら、俺はもう、ついていけない。早く神様に拝んで、やめさせなきゃ。
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