第18話 難度C  弱者の反乱!

 ミカエル様によって、目を回している家族が、気を失っている間の話である。


 対岸の飼いならされている黒い者たちが、雪合戦をまねしだした。

「ええいうっとおしい。」

「こういうのは、見ずに越したことはない。瞑想でもしよう。」

 普段黒き者たちを飼いならせている男天使どもが、——屈強で、頭のさえた集団。―—も、息抜きにいいだろうと思っていた。

「俺たちもやろうぜ!」

ドカッ

「試合はもう始まってるんだ!」

「油断大敵! 皆さん、普段の意識はもっと高く持ちましょうよ!」

 すっかり馴染んでいる。たまのレクリエーションとしゃれこんだ。


「おーい!」

 何か、黒き者の代表らしいのが、もろ手を挙げて、やって来た。

「交流試合しようよ!」

「勝負になるかな?」

「レクレク。レクレク。」

 男天使たちは考えた。「一応、一般の来客もあるからなぁ。」

「やめるか?」「いや、イメージアップを図った方がいい。最近の人間は信仰なんてしないらしいからな。。」

「うそやん、それ。」

「まあ、たまのレクもいでしょう。油断なさらないように。これでよいですか? 黒き者。」

「じゃあ、10っ分後な。」

 といって、黒き者は、去っていった。と思われた。

その瞬間、霞でできた鋭利な塊が、リーダーっぽい天使の腹を突きさす。

「なにぃっ。」

「試合は、いつでも始まってる。それが俺たちだろ。」

「じゃあ、軽く眠ってもらいますか。楽しみでしたのにね。」

 と、6つに割れた腹筋に傷はつかなかった。

「あっ、あああ。」

「拷問炉にでも入ってもらいますか。」

 そういうと、また大型乾燥機のような形状の暗器に、黒き者は放り込まれた。

ギャアアアアァ~

 残酷さは、エフェクトで強力な恐怖を与える、抜け目のない男天使。


黒き者たちは、遊びをやめ、みんなゴロゴロし始めた。

「今回もダメか。」

「だな。」

「霞でも食うか?」

「俺たちにとっては罰ゲームなんだが。いっそ死にたいか?」

「……」

黒き者達は静かに明日をむかえることにした。みんな悪夢のような声が聞こえぬ様、耳をふさぎながら。

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