第3話 大賢者ばあさんの死

 さあ、ファンタジー世界にやってきました。湖があり、囲うように森が群生している平地に、7人は訪れました。

「俺、勇者!長男だもんね。」

「まあ、いいんじゃないか?」

「むっちゃ、強くなんないとね。」

 俺、むっちゃやる気になってる。けど、どうしようかな、見た目から入ろうかな?

 湖畔では、祖父が父と話していた。

「懐かしいな、息子よ。」

「ああ。」

「小輪拳」

「下北ハン刀」

 祖父にはメリケンサックが、父さんには日本刀が召喚・装備された。

「武器屋でも始めるか?」

「お父さんも、メリケンサックじゃきついでしょう。にしても、重そうですね。」

「お前、また手抜きしてへっぽこ刀なんぞ作ってからに。売れるわけなかろう。」

 それを見ていた、姉二人は、

「あなた、魔法少女ね。やっぱ、趣味隠すのよくないと思うんだ~。」

「ひどい、お姉さま。この歳で。」

「年相応になるんじゃないの? サイズで悩まなくてすんじゃうし。」

「じゃあ、誰にでもなれちゃうってこと?」

「ときに、めぐみん、もアリ。」

「決めた!」

「待った!」

「何?」

「ものまね師がいいよ、きっと。好きなとこ抜粋しちゃえば。」

「じゃあ、二人でやろうよ。」

「回復は、お母さんたちに任せるか。」

 と、話しているとBBQが用意されていた。

「なんか、この時間になるとお腹すくのよね~。」

「なに、お母さん、料理いっぱい召喚しちゃってるの?」

「ちょっと、考えただけで、ポンポン出てくるからさぁ。」

「なんだなんだ、もうご飯の時間か~」

 男性陣も加わり、家族だんらんを始めるなか、祖母がいない。

 祖母は、輪に離れて一人考え事をしていた。

「これからは、殺生せずに生きていけるのですね。私の罪をお許しください。」

 祖母は懺悔すると、瞑想を始めた。

「この先、魔王を無事倒せますでしょうか?」

 と、祈りを始めた。

 世界が見える。我々の周りで起こる次々のこと。そして、魔王に逢えぬこと。

「このままでは、家族が全滅してしまう。予言者の私が命を絶たなければ……。」

 と、祖母は塵芥に帰した。

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