第3話 リカノール
「まじかよ……」
俺は今、「分かっていたけど驚いたな。」と、そんな場面に直面している。なぜなら、本当に、最高神のような姿形をしたものが出てくるとは思わなかったからだ。
女神アレクシアのときは、そこまでじゃなかっただろ。と、思う人もいるかもしれない。
だが、これは格が違う。
アレクシアが、人間の頂点だとすると、最高神は世界のそのもの。すべての頂点だ。
しかも、翼とか生えてるし光り放っちゃってるし、しかも、めっちゃ美人。いや、美男子か?ヤバい…考えるとキリがない。
ってん?さっき何か言っていたような……
………………………あ!…確か、能力を使うかだったよな。
危ない、すっかり忘れてた。
とりあえず使おうかな。うん、そうしよう!
「使うよ」
《分かりました。》
《固有能力【最高神】を使用します。》
固有能力っていわゆるユニークスキルってやつか、すごいな………………………
その時、目の前の最高神が急に光りだした。
そして、最高神の体がどんどん小さくなっていく……そう、小さく………
「って!小さくなってる!?」
俺は、驚いた。
2mほどあったのに………
1m、30㎝、10㎝と小さくなっていき………
結果、ミニペットボトルサイズになってしまった。
なんか、かわいい……
そうしていると、最高神が何か言いだした。
《システムメンテナンス―――》
《――異常なし》
《疑似人格作成―――》
《――成功。》
システムメンテナンス?疑似人格?なんだそれ?
そして、急に最高神が喋りだした。
さっきとは違う雰囲気で………
「君は、鈴峰海斗くんでよかったかな?」
「ああ、そうだよ」
「そっか、君が私のマスターか~」
「私は最高神。名前はないけどよろしく!」
っていうか、こいつは本当に最高神か?
何か人間感MAXなんですけど!まあ、もうどうでもいいや。
「ああ、よろしくな」
「俺は、鈴峰海斗。マスターはちょっとキツイから、海斗って呼んでくれればいいよ」
「分かったよ、海斗」
「それはそうと、名前がないのか」
「そうだよ。ていうか、私たち神は架空の存在だと思われているからね」
「だから君が初めて会った人間なんだよ」
「そうだったのか…」
ていうか、さっきの口ぶりだと最高神はもとから存在したことになる。
能力【最高神】は僕が創り出した完全AIのはずだが………
どういうことだ?
ん~まあ考えられることは1つ、俺のイメージ力が足りなかったということだ。
うん、これが妥当だろう。
「それでね、海斗には新しい名前を付けてほしいんだ」
「!?」
マジか!
いくらこんな容姿をしているからって、神々の王だぞ!
「良いのか?俺なんかが付けて」
「良いに決まっているじゃん!なんでそんなこと聞くの?」
「だって君は、神々の王じゃないか!」
「はぁ…」
「仮にも君は、私のマスターなんだよ。それに今の立場は君のほうが上」
「この最高神のマスターなんだから、しっかりしてよね!」
「分かったよ………」
俺は、諦めてOKすることにした。
それは良いとしても名前はどうしよう…
うーん…ロロ、カルン、カウロード、いいやだめだ。
どしよっかな~~~
…………………………ん~………あ、そうだ!これにしよう!
考え終わったことにきずいたのか、最高神は言う。
「やっと決まったみたいだね」
「ああ。今日から君は、リカノールだ!」
そういうと、最高神がすこし微笑んだ気がした。
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