第1話 女神アレクシア

 ―自宅の寝室―



(とりあえず、1回欲しい能力を考えてみようかな……)

(まあ、本当に手に入るとは思ってないけど、試してみる価値はあるしな。)


 書店で、不思議な本を手にした俺は、今家で、それについて考えている。


(よし。とりあえず、欲しい能力を紙にリストアップしてみよう!)


 すこし、上がっているようにみえるが気にしないでおこう………



 ―30分後―



(やばいな……ここまで書けてしまうと、もうオタクって言われても仕方ないな………)


 改めて紙を見ると、そこには【透視】、【空中浮遊】、【透明化】、【瞬間移動】など、100は、簡単に超える量の能力が書いてあった。


(まさか、紙を12枚も使うなんてな……)

(アニメやラノベの見過ぎか?今、自分を鏡で見たら、泣いてしまいそうだ。)

(まあ今更、落ち込んでもしょうがない。)


 俺は、すこし考えた。

 そうしたら、‟とんでもない”ことを思いついてしまった。


(まてよ……能力自体をつくれれば問題がすべて解決するんじゃね?)

能力のうりょくを創造する能力ちから。【能力創造】ってところか。よし。これにしよう!)

(まあ、この本が本物ならだけど……)


 それでも興味はあった為、さっそく書いてみることにした。


(【能力創造】っと、これでい――――)


 その時、本がまた光りだした。


(っ!?)

 

 そして、驚くべきことに、本から人型の‟ナニカ”が出てきたのだ。

 でも、俺はそれに見惚れてしまった。

 なぜなら、その‟ナニカ”は、この世の者とは思えないほど美しい。

    

 まるで、‟女神”のように……………

 …………ん?………女神のよう?まさか!


 俺が、何かに気が付いたと悟ったのか、その‟ナニカ”は話しかけてきた。


〈あなたの思っているように、私は女神です。ほかの神はアレクシアと呼んでいます。〉


「嘘だろ!?っと言いたいところだが、女神なら心を読めるのも納得か。」

「…………………………」

「…………………」

「……って女神!?本当にそうなのかよ!実感湧かなくて、認識するのに時間かかったわ!」


 マジかよ。

 本当に女神だなんてな。

 でも、それならこの本も本物か?


〈ふふふ〉

〈感情豊かな人ですね。そうです。その本も本物ですよ。〉

〈その本があるってことは、あなたですね。その本を使ったのは〉


「そうだけど、まずかったか?」


〈いいえ。むしろその逆です。感謝しているくらいです。〉


「え?」

「俺は、神に感謝されることなんて、何も…」


〈それを拾ってくれたじゃないですか〉


「ん?」


 何を言っているんだ?ますます分からなくなってきた。


〈えーと……その…〉

〈恥ずかしながら、その本を失くしてしまって……そして、失くした時用にと、仲間の神が転移できるように術をかけてくれていたらしいのです……〉

〈だから、感謝をしていているのです。〉


「へ~そうだったんだね………………………」


〈そして、そのお礼に好きな能力ちからを与えるという訳です。〉


「ん~~……」

「分かった。それなら僕も、欲しい能力があったから、ありがたいよ。」


 なるほど。

 まとめると、女神アレクシアが本を失くして、それを俺が拾って、拾ってくれたお礼に好きな能力を与えるということか。……ん?まてよ。そこまでする本って……まあもう今更だな。ていうか、俺どうして神様にタメ口なんだ?もう、それも今更か……


「せっかちだとは思うが、さっそく俺の望んだ能力、くれるか?」


〈分かりました。〉


 やっと、手に入る!

 最初、この本を見たときは疑っていたけど、もう女神とかいう馬鹿げた者がいるならもう、信じるしかないだろ!

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