第3話
彼・・・板倉くんの後を着いて行く。
そこには、野菜が栽培されていた。
自然栽培。
牧場に野菜畑があるのか?
そして、その向こうには果実園があった。
板倉くんは、2か所でも、係の人と話をしている。
「あのう・・板倉くん」
「・・・何?」
「私は、何をすれば・・・」
板倉くんは、しばらく考えて・・・
「・・・じゃあ、会計をお願い・・・」
「・・・それだけ?他には?」
「後の事は、頼む」
それっきり板倉くんは、何も言わない。
ただ・・・
「ここは、内緒にしておいて」
それだけ、念をおされた。
次の日
学校へ行くと、板倉くんが転校したというのを、聞かされた。
でも、だれも気に止めなかった。
興味がないというのもあるだろうが、文化祭の準備で忙しいんだろう。
「綾香、買い物してきてくれた?」
友達に訊かれた。
当たり前だが・・・
「うん・・・一応・・・」
「どこにあるの?」
「もうじき来ると思うけど・・・」
「もうじき・・・って、今無いの?」
私は言葉につまった。
しかし、午後になり、昨日板倉くんと行った牧場での商品が送られて来た。
「すごいじゃない。この素材なら美味しい物が作れる」
「どこで、見つけたの?」
ひっきりなしに訊かれる。
「これは、喫茶店でなく、ファミレスになりそうだ」
確かにそうかもしれない・・・
こうして、喫茶店は大成功した。
そして、元の生活に戻る。
彼・・・板倉くんの事は、もうみんな忘れてしまっている。
私を除いて・・・
また、彼に会いたい。
会ってたくさん話をしたい・
その事が、絶えず頭をよぎる。
彼といったあの不思議な牧場は、もう行く事は出来なかった。
風 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu
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