第22話 飛躍
世界デビューのアルバム打ち合わせを事務所で行った。
ソウは昨日から何も言わない。
社長から依頼されていた I国語とT国語で三曲。
以前からチャンスがきたらと思ってる用意していた曲はソウに歌詞をつけてもらった。
他は今まで出した曲を言語をかえて出す案と他に新曲をだす案がある。
社長は
「せっかく掴んだチャンスだ。何かいい案ないか?」
みんなは考えこんだ。
「ユウは?」
って言われて、一瞬どうしょうか迷ったけど、彼女と過ごした時に作った曲を思い出していた。
「バラードなんてどうかな?いままで挑戦してないし。」
「案としては悪くないけど今から作るとなると時間かかるんじゃない?
「いくつか作ったのはあるけど。」
ユウがレコーダーを取り出した。
1つ目がピアノの弾き語り。歌詞がついている。ユウが歌ってるもの。
2つ目はユウの鼻歌で歌詞がまだ未完成だった。
「2つとも悪くない。」
というのがみんなの認識だった。
リョウが
「歌詞がいい。
1つ目の歌詞の
『運命なんて信じてない。自分には関係ないと思っていた。』
『その時モノクロだった僕の世界がカラーにかわった。』
とか
『I love って言葉が自然にでてくる自分にびっくりしている。』
そして
『君の瞳にうつる僕をみている。』
とかはそのまま使って、ソウや僕が少しなおしていい。」
「うん。いい。なおしてくれたほうが助かる。もう1曲はリョウやソウが歌詞つけてほしい。」
リョウが珍しく安堵した顔になる。
リュウが
「じゃこれでいいんじゃないか。」
皆が納得した。
〜〜〜……〜〜〜
ソウはユウと連絡がとれないことを社長に相談した。社長はあっけらかんと
「ほっておきなさい。下手に反対するほうが油に火を注ぐもんだ。
ユウの母親の時に経験ずみだしな。
もしかしたら、すごいヒット作ができるかな。
ユウの母親の時もそうだった。
旦那さんに出会ってから作った曲が代表作なんだ。
しかし、スキャンダルにならないようにこちらも注意していく。」
社長はユウの母親のマネージャーをしていた人でその後独立して今の会社を立ち上げた。
ユウの才能に心底ほれこんでいる人である。
それから、社長は空港に手配してラウンジを用意してた。
彼女か空港に現れた時、1人だったから安心した。
でも、ラウンジを使ってもらおうと声かけた時、ユウが彼女との間に分け入った。
珍しくユウが怒っていた。理由はわかっている。
帰りの車の中で、ユウが言った。
「彼女は何もソウのことは言わなかったよ。最後まで。でも僕はたまたま知ってしまった。
お願いだ。2度と彼女を悲しませないでくれ。」
それからほどなく、世界デビューのCDが発売された。
CDは沢山の人が聞いてくれた。
社長が言ったとおり、ユウが作ったバラードが僕達をトップアイドルに押し上げていった。
その後だすミリオンはユウが作詞作曲したものがほとんどだった。
あっという間に、スターになった。
S国でのライブはすべておわり、飛行機でI国へそのあとT国へライブにいく。
あれからユウとは彼女の話はしていない。
彼女に出会う前には戻れないのか。
あれから必要事項以外はお互いしゃべらなくなってしまった。ユウは他のメンバーとは普通にしている。しかし、みんなそれぞれ何を感じているみたいだ。
ある日ユウが服の下に隠れるようにプラチナのチョウカーをしていた。
後でネットみたら恋人同士がお揃いでするのがT国で流行りならしい。
道理でいつもしていてはずさない訳だと思った。
『きみが幸せになることを願っている。』
とはユウには直接言えないから、歌詞にこめてみる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます