第18話 会いに行く

彼女と会った後、リュウがしつこく何を話したのか聞いてくる。2人で話すときはI国語だったからわからなかった!って怒っていた。

珍しく、ソウまで。

その晩、ソウから自宅にご飯を誘われた。

一緒に作って、普段飲まないソウが酒を呑む。しばらくは何気ない話をしていたが、

「ユウ、昨日チケット譲ってもらった後、初めて彼女に会ったわけじゃないよね。」

きた!。誘われた時から覚悟はしてた。

もう、親友には隠すことはできないと思っていたし。

「うん、そう、偶然。」

「やっぱり。」

「ソウには隠し事できないし、するつもりもない。

みんなに迷惑かけない。だからこの事は誰にも言わないで。」

「皆気がついているよ。多分。

だっていつもと違う。ユウが彼女といるとこみたらすぐわかるよ。好きなんだろ。」

「どうして。」

「まず、今回特別にうけた仕事。公式サポータなんて受けたことなかったのに。

表彰式のユウのアカペラ。彼女をかばったんだ。

最後に彼女と話しはじめた時、さっとI国語で話はじめた。彼女も当たり前みたいだったし。彼女がI国語が堪能なことを前もって知っていた。そして彼女もユウがI国語堪能なことも。

ユウが堪能なことは公表してていないのに。

彼女はリョウとは、辿々しいけどS国語で喋っていたからおかしい。」

「大事な人なんだ。

ソウは、反対してるってこと。

ソウがそんなこと言うとは思わなかった。」

「彼女はT国の有名選手だよ! S国とはほとんど同じ国力で昔から比べられることが多いせいか、敵対心が強い。2人ともどちらからも非難されるよ。」

「わかっている!そんなこと。でも、もうすきなんだ。」

言葉に紡いでしまったら、どんどん気持ちがあふれてくる。

「これからは不可侵の皆がもとめる仕事は必ずするし、世界デビューの為の曲づくりや動画にもでる。

だから、彼女との時間を奪わないでくれ。」

ソウは黙り込んでしまった。



それから気まずくなった。

長年親友と毎日一緒にいて喧嘩をしたのははじめてだった。話をかえた。

「新しい曲はできているんだ。もし、チャンスがきたらと思って以前から用意してあった曲なんだ。

今回は歌詞はソウがつけて。編曲は皆にまかせる。」

「わかったよ。」

しばらくしたら、ソウが飲み過ぎたみたい。ねてしまった。

ベランダにでて夜景をみた。

明日からオフを1週間もらった。

やっと会いにいける。会いにいく。

明日は何を話そうか実は頭の中はそれでいっぱいだなんてソウには言えないな。




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