第15話 寄り道
家にかえって1人になるのがイヤだった。
それだけ彼女との時間は満たされていた。
その時間が失われたことに、後になればなるほどより喪失感が大きくなっていた。
コインパーキングに車を停めてソウの家にピンポンした。
「お父さんよくなったの?
どうしたんだ。ユウ?」
と言いながら家に入れてくれた。
ソウの愛犬ココ(ラブラ)がクンクンしながらまとわりつき、しまいにソファーに座った、僕の膝のうえに座った。いつもの事だが。
「ソウ、お願いがあるんだ。
あの曲にT国語で歌詞つけて。ソウもT国語
堪能だから。」
「なんで急に?
社長からI国語バージョンだけって聞いたけど。」
「う〜んと」
しかし、彼女と会っていたことは誰にも言いたくない。
僕にとって大事なものだからまだ誰にも話ししたくない。
「インターネットみてたらT国の人って僕らの曲聴いてくれてるみたいだ。って知ってなんとなく‥」
「わかったよ。リョウと考えてみる。」
「ありがとう。」
ソウと珍しく一緒にテレビみたりしても、遅い夕飯をたべてる時も何かしら会話していた。
いつもはただ一緒にいるだけでなんでも分かり合えるのに。
でも、心地いい。そのままソファーで寝てしまった。
ソファーはベッドにもなるタイプだからユウを寝かせて毛布をかけた。
「なんか今日のユウ、おかしいよ。
どうしたんだよ。なんてきけなかった。」
とソウの1人ごとが響いた。
次の日の朝は一緒に仕事だったから、一度ユウの家によって荷物取って仕事先にむかった。
後日ソウとリョウがつけてくれた歌詞をみた。
もどかしいな?自分もT国語喋ったりできたらいいのに。
次は彼女とT国語で話してみたいな。とか思ったら、もう止まらなくった。
少しずつT国語を覚えいくことにした。発音が難しいからリョウやソウに少しづつおしえてもらった。
それから、今まで作った曲にT国語の歌詞をつけてみた。
いつものように、歌番組の控え室で毎日恒例のネット検索していた。
I国のスポーツ雑紙でS国で行われる女子サッカー大会が特集されていて、彼女の写真とインタビュー記事がでていた。
すかさず、購入。タブレットにダウンロードした。
夜、家に帰ってタブレットをみた。
インタビューではこの大会で優勝すると最優秀選手として大分近づくことが書かれていた。
S国に行くことを楽しむにしてること。
S国語を勉強していること。なかなか上手くならないのが悩みの種だと書いてあった。
知らなかったんだけど、彼女は大分前から不可侵のファンだと公言していること。
今回の公式ソングも気に入ってくれてることが書いてあった。
『最後にファンの皆さんへ何かありますか?』
『いつも応援ありがとうごさいます。
次の大会でも全力を尽くして、みている人達に元気と希望を感じていただけるように、がんばります。』
早く大会が始まればいいのに。と思った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます