第12話 再会
夜、 I国語の歌詞を考えていた。
集中していたから、めずらしくなった携帯に気がつかなかった。
朝、母からのS N Sみて、びっくりした。
焦って家をでたせいか、携帯と免許書と鍵だけ持って車に飛び乗った。
心臓がバクバクしている。母さんからの S N Sには父さんが仕事終わりに倒れて救急車で病院に運ばれたこと。精密検査を受けていることが書かれていた。運ばれた大学病院名も書かれていた。
病院の駐車場にきて、母に連絡したけどつながらない。受付で部屋番号を聞いて、さっと父が入院している個室へ入った。
「母さん。」
母さんが1人ぽっんと付き添い用のソファーで寝ていた。
疲れているのだろう。いつもより小さくみえる。
父さんは?と、部屋の中を見渡したけどいない。
ガラッと戸が開く。看護師と車椅子にすわった父が入ってきた。
「父さん大丈夫?」
「ゆうや、きてくれたのか?迷惑かけてすまんな。」
「迷惑だなんて思ったことない!
そんなこと言わないで。心配で心配で。」
看護師さんにお礼を言った。家族だけになり、車椅子を押してベッドに寝かせた。
「母さんおこすなよ。寝てないから。後、起きたらミネラルウォーター必ず飲むから、売店に買いに行ってくれないか?お金はベッドサイドのテレビ台の下にはいってる。」
と小さな声で言う。
「わかったよ。お金は‥忘れたから借りてく。
他に欲しいものない?」
「そうだな?テレビカードとお茶くらいかな?」
「じゃいってくるわ。」
1階にある売店に行き言われたものを買う。
ぐうっとお腹がなる。おにぎり何買おうと考えて明太子を取ろうかとしたら、横でおなじく悩んでいた女の子と手がぶつかる。
「あ、どうぞ。」
とお互い顔をみおわせたら、僕はビックリした。
辿々しいS国語でしゃべているのは間違いない彼女だった。立ち去ろうとする彼女に話かけた。
「クロキさん?」
彼女は振り返って、こっちをみた。
「はい?そうですが?」
「覚えていないよな。少し話したいです。時間ありませんか?あやしくはないです。空港で会ったものです。」
「あっ!出国制限の時の!私も聞きたいことがあります。でも今から学会だし。」
「僕の携帯電話教えます。書くものありますか?」
「はい!」
彼女の手帳を取り上げてさっと書いた。
「じゃあとで。」
と手帳を返した。
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