第10話 家族

久々に家族に会いにいく。

母には花束とこないだ海外でお土産に買ったチーフ。ダリアが大好き。赤、オレンジ。

かすみ草を入れてもらい、持ちやすくコンパクトにしてもらう。

父には同じくお土産で買ったブランディ。


実家の車庫に車を停めていると、玄関に両親が立っていた。

いつもの光景だ。

「おかえり」

「父さん、母さん。これ。」

玄関に入ってお土産と花束をわたすと、2人とも満面の笑みで喜ぶ。

「ありがとう。

でも、帰ってくるたびに何か持ってくることはないのよ。あなたの顔がみれれば。」

と母さんが言う。

食卓にすわると美味しそうなおかず、好物なおかずがずらっと並んでいる。

いつも、母さんは腕によりをかけて用意してくれ、余るとタッパーに入れてもらせてくれる。


久々だったし、3人で話しながら食べた。父さんはお酒を大分飲んだのか酔っ払ってしまい、先に寝てしまった。

母さんが先に父さんを寝室に寝かせにいっている間、コーヒーを飲んでいた。

母さんが居間にもどり、

「ごめんね。父さん楽しみにしていたの。楽しすぎて飲み過ぎたみたいね。忙しいとは思うけどまた顔だして。」

「わかったよ。あ、母さんに聞いてほしいんだ。

僕が作った曲どう?」

「聞かせてくれるの?」

母さんに自分のイヤホンを渡して聞かせた。

母さんは途中から真剣な顔になったので心配した。

全部聴き終えて、母さんは言った。

「この曲絶対売れるよ。

久々にユウの歌声とピアノ聴いて、母さん本当に嬉しい。」

「ありがとう。この曲ね、実は母さんに聞かせる為だよ。」

「本当に!そうだったらいいな?って思って。

でも、違うなら彼女かな?って思って少しショック受けてた。勝手に。」

やっぱり母さんにはばれてしまうみたいだ。


母さんにこれからの仕事のこと説明した。

母さんは

「あなたがら思うように進みなさい。

私達はあなたの1番の味方であり、ファンよ。何も異論はないわ。

たまにはこっちにもきてね。まってるわ。」

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