第9話 事務所にて②

ユウは

「曲作ったら疲れた。母さんに会いに行こうと思うし先にかえるわ。」

と荷物を持って帰っていった。

リョウが

「車なら、途中まで乗せて!」

とついていく。

「お疲れ様」

「お疲れ」


事務所には、リュウとルイと3人になった。

「久々に聞いたな。ユウのマジなピアノと歌声。

俺は、鳥肌でた。」

とルイが言った。

リュウと自分も同じだった。

リュウが

「売れるな。この曲。

俺的にはユウのソロ増やしたいけど、どう思う。ソウ。」

「ユウ次第かな?

そういえば、ルイ、公式サポーターの件、さっきマネージャーから聞いてびっくりしたんだ。5人でって。ユウがオッケーだした?」

「メジャーじゃないだろう。女子サッカー。

観客を増やしたいってこともあってサポーターは外せないらしい。

リュウにも相談して、4人はテレビにガッツリ映るけど、ユウに関しては事務所チェックがはいる。」


ユウは母親が元歌手だし、家族を大事にしているからメディアにあまり露出したがらない。

それが5人で活動する条件であり、事務所とユウの家族とはさらに弁護士が契約に入っている。


「あのユウがでるってだけで、話題になる。

しかも、今回生歌だし。ある程度番宣もする。」

「ちょっとまって!リュウ、ルイ。

ユウ本当にオッケーって。嘘だろう。」

「だから、ユウが今から実家いって話するんだろう。」

ユウの両親は一人息子のユウの1番のファンであり、1番応援している。

弁護士だって、ユウがあまりにも心配して気乗りしないものだから、ユウが安心してできるならってユウの父親が提案しただけだ。


リュウが

「先に決まっているこの件に関してのスケジュールだけでも3人で打ち合わせしたくて残ってもらった。

今から配る資料はなくすなよ。

まず、 S国の初戦の朝は番宣にでる。朝からずっとでっぱなしになる。 

朝の有名な情報番組で生歌披露予定。

夕方6時の試合の前にも競技場のフィールドで生歌予定だ。

後は、予選の結果次第になる。

2枚目には全試合の組み合わせが書かれている。」

「了解。」

と2人同時に返事する。そういえば。

「女子サッカーといえば、ルイ?

何日か前にユウとリョウが騒いでいた子ってでる?」

「でるにはでるけど、予選グループもちがうし競技場も一緒にはならないな。決勝トーナメントにいけば別だけど。」

とルイが。続けて、リュウが言う。

「今回は母国の応援だから、別の試合には俺達参加しない。決勝戦は参加する予定だけど、強国揃いだときいている。その選手には会えないかもな。」


何日かして、公式発表でビックリした。

今回、自分達の歌を聞いた世界女子サッカー協会のお偉いさんの目にとまり、公式ソングにそして僕らは公式サポーターに就任することなった。

世界デビューのチャンスを掴んだ。






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