第7話 事務所にて ソウ視点

S N Sで連絡があり、曲ができたから事務所であうことになった。約束の時間に、事務所に行った。

珍しい、今日はユウ遅いな。と思った。約束の時間を少し遅れている。

「これにしょうと思うんだけど。」

と作曲にいつも持ち歩いている、ボイスレコーダーではなく、携帯電話の動画を再生した。


流れてきたのはピアノとユウの歌声。

いつもはユウはこんな感じって鼻歌で作曲してあとから、自分が歌詞をつける。編曲にいたってはみんなで考えるスタイルだ。

だから、驚いた。ユウのピアノは久々だった。相変わらず、ソリスト並みに洗練されている。

今聴いているのはほとんど完成されている。

ユウの歌声は、母親譲りのハイトーンボイス。本人には言ったことがないけど。沢山のひとが魅了されている。その1人が自分だ。


新しい曲は一言で言えば疾走感。でも。

仲間を見渡した。

聴き終えて、リョウが真っ先に

「いいね!ボクはこの曲すごく好きだ。

ダンスの振りすぐ考えるよ。」

リュウは僕をみて、そしてルイをみた。

先に僕が答える。

「歌詞もいいし、このままでよいと思う。」

ルイは

「今回はユウにまかせるよ。」

リュウは

「俺もこれでいいと思う。ソロとかは?」

ユウが動画を再生しながら説明した。

「よく考えられている。俺はこれでいいよ。」

とリュウが言うと、ユウは安心した顔をした。

珍しい。久々にユウが感情をだしている。同じことをルイも感じたのがこちらをみている。

何よりも歌詞がいい。

そして、ユウの表情がいい。でも、この時感じた違和感についてもっと考えるべきであったことを後日後悔することになるとは、自分もルイもそして、リュウも思ってはいなかった。







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