第3話 帰国の途

飛行機に乗って通されたのは、ビジネスクラス。

一体いくらなんだろう。T国は裕福な国だけど、若い女の子が払えるだろうか?

びっくりしてリョウと顔を見合わせた。ますます、申し訳ない思いがする。

飛行機から降りる時、彼女が本当に帰国できたのか心配になった。客室乗務員に彼女にお礼と席代を返したいからと話ししたが、彼女は大丈夫なことしか教えてくれなかった。

チケットにはMiss.KUROK I って書いてあった。


「へぇー、でもよかったね。帰国できて。

その、お嬢さんのおかげで。」

と仲間の1人、ルイは自分と同じ歳だ。

「結局、席代も彼女に返したいってリョウに言ってもらったんだけど、航空会社はお客様間のことには干渉しないとかで。

しまいに、お客様の個人情報のことは教えれない!の一点張り。

なんか、後味がよくないなぁ。」


「今回は間一髪で結果オーライだったけど、ニュースみて巻き込まれてないか心配してたんだぞ。本当によかった。

空港内にS国の有名人ボーイズグループ、「不可侵」のユウとリョウがいるなんで報道やS N Sで騒ぎでもなったら、今頃事務所から大目玉どこらではすまないからな。

しばらくは、お忍びでお出かけ禁止!」

とソウが怒っている。

その後、リーダーのリュウからも更に2人並んで説教をうける羽目になった。


みんなには言ってないことが1つある。

帰国の後日、T国の航空会社のカウンターに席代を返却したいから、自分の名刺を渡してくれるように持っていった。

しかし、係員は自分をみてびっくりしたが、

「これをお預かりすることはできません。

しかし、あなたであればいつが彼女と会うことができるかもしれないのでご自身でこの名刺をお渡し下さい。」

と言われたことである。

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