便利 チーズフォンデュ バカバカしい
※作者注
今回は某You Tubeチャンネル風味です。二次創作と言えば二次創作なのですが、エピソード個別での二次創作設定ができないため、全体ではオリジナルになっております。不都合があれば対応いたしますので、ご連絡ください。
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「何にでもチーズをつけちゃお~~う!! ……ということでね、チーズフォンデュ、します。もう既にチーズ、流れております」
「そもそもさぁ、フォンデュって何?」
「えーっとねぇ……スイス料理の一つ? フランスの一部、イタリア北部のピエモンテとヴァッレ・ダオスタなど」
「ヴァッレ・ダオスタ。ヴァッレ……」
「ここはいいか。あー、串に刺した薄切りの肉や魚介類などの食材を、煮立たせたコンソメやブイヨンのスープで加熱調理するスイス料理の一つ。フォンデュ・ブルギニョンと同様」
「フォンデュ・ブルギニョン!? ブルギニョンって何!? それと同様って言われましてもぉ」
「はいはいもういいから! 何にでもチーズをつけちゃお~~う! ということでね。あります、ここに。あの……フォンデュの、機械が」
「フォンデュも分かんないけど、この機械も何? これってフォンデュのための機械なの? そのためだけに存在してるの、この、食物を滝のように流す機械って」
「そう言うとちいかわみたいですね」
「チーズじゃなくて、チョコレートのパターンもあるよね~」
「洗うのめちゃくちゃ大変そう。と言うか、大変そう、でした。さっきね、一応使う前に洗ったんですけど、ちょっと僕ら誤って、大きいのを買っちゃいまして。そもそもシンクに収まんない。蛇口がさ、ちょうど引っかかる。この噴出孔? に」
「ご自宅用じゃないですよねぇ。ホテルとかで買う奴なんじゃないですか、これ」
「でも! 一応これで、チーズが固まらずに、ずっと楽しめる、と」
「いいねぇ」
「チーズをつける食材も、ここにずらっと。ソーセージ、パン、ベーコンとかね」
「あ、いいですねぇ。蒸し野菜、とかね!」
「野菜かぁ……」
「……え、何。何か文句あんの」
「いえいえいえ。私はね、ちょっと野菜苦手なんで、お肉いただこうかな。ベーコンもらえます?」
「ガキがよぉ……」
「ほらほらもう、お二人さん。チーズ、流れてますよ!」
「ふふふ」
「んふふ、はは」
「何かあれだね、この機械あると、緊張感がなくなるね。フォンデュのこのさ、バカバカしいって言うか。便利の対極……いやチーズフォンデュをしょっちゅう食べる人にとっては便利なのかも知んないけど! そのためだけにっ!? っていう。ただチーズを滝のように流したいがために!? これを!? 作って!? キッチンのスペースに、このスペース、限られたスペースに、置いて!? っていう」
「買わないですよね、これ。レストランで見るとちょっとテンション上がるけど、自分では買わん」
「何かさぁ、人間の豊かさを感じるよねぇ。我々はここまで来たんですよ。牛から乳を絞って固めるところから、温めて溶かして、流すところまで」
「ん、んまいこれ!」
「どれどれどれ」
「うずらの卵の串刺し」
「何か……すごい残虐な気がする。うずらの卵の、串刺し」
「いたいけな卵が、串刺しに」
「にチーズ絡めてぇ、胡椒ふった」
「いいですねぇ~。私もやろ」
「うずらっていいよね、何か。皮のプチッとした感じが」
「皮? 皮って言わなくない、これ」
「言わねーな。白身?」
「これはもうそのまんま茹でた奴だけど、漬けも美味しそうだよねぇ~。つまみにいい」
「あ、いいですね。こう流れてるの見ながらさ、ワインをグラスの中でくるくるっと」
「貴族だ」
「酒池肉林?」
「酒池肉林チーズ滝」
「はいはいはい……」
「どっか行ったぞ」
「すぐ戻ってきた」
「ワイーン!」
「アイーン?」
「アイーンじゃなくて。ワイン、持ってきました。これがないと正当な審査、できないですから。飲みましょう!」
「はい、という訳で。チーズフォンデュ、良かったね」
「チーズが美味しいのもありますけど、この流れるのが、視覚的に面白いですよねぇ。エンタメ性が高い」
「食物が目の前を滝のように流れていくことってないからね、普通に生活してて」
「結局この機械って何て名前なの? チーズ流し器?」
「いやチョコレートもあるから……」
「フォンデュ器?」
「フォンデュはあれでしょ、チーズとかを溶かして食べるってだけだから、流すところまでは含まないんじゃないの」
「こんだけ食べてからその疑問? ちょっと待って、調べよう」
「ファウンテン」
「あーそっか、確かに言うわチョコレートファウンテン」
「でもファウンテンって調べると、チョコレートの画像ばっか出て来るよ?」
「……よく考えて見たら、チーズが流れてるレストランってレアじゃないですか? チョコレートなら見かけるけど……」
「チーズファウンテンって調べたら出てくるけど……検索候補見てこれ」
「チーズファウンテン失敗、チーズファウンテンに失敗した韓国人、YouTuberがチーズファウンテンに挑戦して失敗……」
「あ、その動画見たことあります。三年前くらい? にバズってた奴です」
「え、この機械、失敗したらこんなことになんの……」
「急に怖くなっちゃった」
「は、早く終われぇ! チーズに反逆される前にぃぃ」
「牛の怨念が……」
「あえてファウンテンにする必要はないんで、鍋とかで! 皆さんも、やってみてください」
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