第8話
まだおれが入院していなかった時みたいにゲーセン行って、ご飯食べて、世間話しながら公園歩いたり、適当な店に寄ったりして特にこれといった変わりはなく、その日は終わった。
「また行こうな。」
なんて、新らしくない言葉で終わったけど。
「また行こう...か。」
そこから2ヶ月間、今まで通り新は週3、4回程俺の病室に来てくれた。
あと、何回。
自分でもはっきりとわかる。自分の体がもう長くなくて、日に日に弱っていっていることが。
以前まではなんとなく、だったが、今ははっきりとしている。
それに新も気づいていた。
「今週どっかいかね?」
新がこっちを見つめながら言う。
「んー、どうだろう、一回主治医の人に聞いてみないとわかんないけど。」
新がおれの腕をぐっと掴んで見つめてくる。ちょっと痛い。
「わかった、行こう?」
新の顔はちょっとほっとしたような顔に変わった。
「どこ行くか決めてあるの?」
「んー、ちょっと遠く行きたいなって、まぁでも電車で一時間かからないと思うけど。」
「そっか、楽しみにしてる。」
「ん。」
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