第2話

近づいてくる足音。今日も来てくれたんだ。


「蒼。」

「あ、新。今日も来てくれたの?」

言わなきゃ。

「ああ。最近調子どう?」

「んー、まぁまぁかな。」

言わないと。

「ならよかった。」

ああ。今日も言えないのか?何度目だよ。

「あ、あのさ、新。ちょっと話があるんだけど。わりとおっきな話。」

「ん、どした?」

「あ、のさ、おれさ、」

言わなきゃダメだろ。新には。

「えっ。」

「大丈夫。お前からの話だったらいつまででも待っててやるから。蒼、落ち着け。顔、真っ青だぞ。」

新はおれの腕を掴んで言った。

「うん。うん、そっか、ありがと。俺ね、」

新が真っ直ぐこっちをみている。前々から思っていたけど、整った顔立ちしてるよな。

そう思いながら唾を飲んで言った。

「死んじゃうんだって。」

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