第1話
気が遠くなるぐらい暑くて、汗が滝みたいに流れてくる。
いつも同じ時間に同じ部屋に行き、同じ人と同じことをして同じような時間に家に帰る。
パターン化した日々の中で唯一他の人と違うのはあいつのいる部屋にいくことだけだ。
今頃あいつ何してるかな。ちゃんと飯、食ってるといいけど。
なんて考えていた。
「新、何してんの。早くしねーと部活、始まるぞ。」
「あ、ああ、ごめん。ちょっと考え事しててさ。先行ってていいよ。」
「お前が来ねーとマネの先輩やる気出してくんないの。だから早くしろよ?」
「わかったよ。すぐ追いかけるからゆっくり行ってて。」
そう言って机の上にあった教科書やら筆記用具やらをリュックに入れて、声のした方に走っていったり
「なぁ、今何時?早く帰りたいんだけど。」水を飲みながらさっきの声が言ってきた。
「うーん、あと三十分ぐらいじゃない?今日なんか用事あんの?」
「いや特に用事があるわけじゃないんだけどさ。今日暑いし疲れるし、ただ、早くおわんないかなーって。」
「ははっ。そっか。」
ああ。早く終われ。終わってあいつのところに行かせてくれよ。
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