消えた後に知った僕の恋は。

まめだいふく

プロローグ

3日前、医者からもう長くないと言われた。

薄々感づいていたから別に驚きはしなかったが、いざ死が近づいてくると思うと悲しいことに気づいた。

この病院に入院してもう一年と半年経つが、時間の流れというのは残酷で、どんどん僕を取り残して進んでしまう。

「もう8月か。」

蝉の声が頭痛がするほど頭の中に響いてきて、耳を塞ぎたくなってしまう。

今は午後4時。

もうそろそろ来る時間だと思うが。

いつもこの部屋に来てくれる彼のことを考えながらただ、外で揺れている木をみていた。

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