ボトルレターの君へ

ボトルレター、拾う

大学在学中、何の因果か調査のために毎日海岸を歩いていました。

暑く、つらく、止めたいと思うことも多くありましたが途中で止めるのも指導教官に負けるようで意地になって雨の日も風の日も真夏日も調査に行っていました。

長袖、長ズボン、さらにリュックを背負って海岸で歩く姿は異様なものでしたでしょう。


毎日、毎日、海岸を歩いていると多くの発見があります。

特に風が強く海が荒れた日の翌日。

そんな日は多くの漂流物が浜辺に揚げられています。


大半は木の枝、漁の網、日本語・外国語様々な言語で書かれた食品容器やビン。

変わり種では、ヤシの実といったものもありました。

そのように、海岸で何かが落ちているのを見るのはなんら珍しいことではないものです。


その日もいつも通り海岸をてくてくと歩いてたところ、揚げられた木の枝の近くにガラス瓶があるのを見つけました。


持ち上げたガラス瓶は予想外に重く、かと言って液体が入っているような流動の印象は受けない重さを感じます。

不思議に思い中身をよく見たところ、紙と砂が入っているのに気がつきました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る