第2話 ナショナルブルー2F コスメ&ビューティー「dolce」 井上さんと菅野さん
「ねえねえ聞いた?後藤さん退職するんだって?」
「ねぇ〜、結婚するみたい」
「後藤さん30歳超えて焦ってたけど、見事に捕まえたみたいね、商社マンみたいよ」
「羨ましい〜、後藤さんエステとかジムとか通いまくってたもんね。見習おう」
「菅ちゃんだって可愛いんだし、男の1人や2人いるでしよ?」
「うちは駄目、仕事好きで仕事ばかりで4年は彼氏なし」
「えぇ〜意外!常に財布持たずご飯食べに行くイメージだった」
「最低過ぎないですかそのイメージ。ははっ」
カチッ
スッ
「あれ?井上さんiQOSにしたんですか?」
「そうなのよ、本当は辞めようと思ったんだけど無理ゲーでした。それでiQOSならいっかなって」
「紙タバコ吸ってる人減りましたもんね〜」
「本当ね〜、今付き合っている人がタバコ吸わない人で、もう大変よ」
「大変じゃないですか?結構そこ合わないとどうにもならないんじゃ」
「吸ってない事になってるから」
「…え?紙タバコの時井上さん二箱位吸ってたじゃないですか?隠せるんですか?」
「会うときは吸わない。匂いには人一倍ケアしてなんとかしてる」
「どこで会ったんですか?」
「マッチングアプリ。お医者さん!有望株!!」
「……それは、凄いですね!でも長くは隠せないんじゃ?」
「次第に辞めるから大丈夫よ。菅ちゃんってどんな人タイプなの?」
「うちですか?うちは水谷豊さんみたいな人が好きです」
「…菅ちゃん何歳だっけ?」
「26歳です」
「結構年上好きなのね」
「渋みと人柄が全てです!」
「お金は?」
「そりゃああるに越した事はありません!」
「ははっ、そうね。じゃああの端っこで1人でスマホ見ながらにやけてるおじさんとかどう?」
「なんか…横浜家系って感じの方ですね。年上ならなんでも言い訳じゃないです」
「そりゃあそうか……あれ?」
「どうしました?」
「今外の自販機で飲み物買ってる人、彼に似てる」
「え?お医者さんの?」
「そう。まさかね〜。ここ職員専用通路だしいるわけないか」
「LINEでもしてみたらいいんじゃないですか?ちょうど自販機前のベンチで休んでますし」
「…そうね、ちょっと電話かけてみる」
「……もしもし、今何してるの?病院で休憩中?へ〜…」
「井上さん、あの方もちょうど電話してるみたいですよ…」
「…そのまま電話切らずに、横の喫煙室の方見てくれるかな〜?」
「井上さん、あの方めちゃくちゃこっち見てます…あ!逃げた!!」
「……仕事戻りましょうか」
「大丈夫ですか?」
「1万人の男よりも1枚の1万円札よ!クズは放っておいて次の休みには温泉!ビール!」
「そ、そうですよね!男なんかいなくてもうちらには仕事があります!!」
「じゃあ行きましょう……はぁ」
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