第6話

 ラボスと魔導騎士団とは何か因縁があるのだろうか?…出会ったばかりで立ち入った話を聞くわけにも行かないな。


 巨大な門をくぐった入口の辺りから大広場のその先まで、ずらーっと露店から独立した店舗まで色々な物品を売る店が軒を連ねている。


 「…ちょっとここで待ってて貰えるかい?手配するマジックアイテムがあってね。その手続きをしなきゃ。」

 そう言ってラボスが傍らの二階建ての石造りの建物に入って行く。


 俺はその場で手持ち無沙汰に立ち尽くしていた。するとラボスが入った建物からラボスと誰かが言い合うような声が聞こえる。


 「……だから、違うって………それは……お前はまだそんな………………」


 「だから貴様は甘い……そんな体たらくで……我ら魔導騎士団の面汚しが……」


 木製のドアに阻まれ声が不明瞭で良く聞こえない。


 ……しばらくしてラボスが不機嫌な様子で、バタンっと乱暴にドアを閉めて出てきた。


 「……何かあったんですか?誰かとやりあっていたみたいだけど。」俺が尋ねると、


 「…あぁいやいや、ちょっと昔の知り合いに出くわしちゃってね。大丈夫、別にいつもの事っていうか。」歯切れ悪く苦笑いを浮かべるラボス。


 そのすぐ後から白いローブ姿にキラキラと光る宝石作りのネックレスをはめ、金の癖っけのある髪に鋭角的なちょび髭を蓄えた、ラボスと同年代位の男が周囲を威圧するようにギョロリとした目で左右を伺いながら出てきた。


 「…まだいたのか。この人殺しが!!」

束の間、ラボスと白ローブの男が鋭く睨み合う。…しかし、すぐにラボスは視線を逸らせ

俺に、「…行こうか。」と言ってさっさと歩き去ってゆく。慌てて俺はその後を追った。

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