筆頭候補

スポーツ雑誌を見て

私はすごく困惑していた。練習帰りに駅の本屋に立ち寄りスポーツ雑誌に書かれているある記事に気になっていた。

「北本学園高校中田恵凛那は女子陸上の世代を席巻し、いずれは世界も狙える」

複雑な気持ちで素直に喜べずにいた。私は雑誌を買って次の日に友人の桃華ちゃんにその記事を見せた。

1試合活躍しただけでこの言われようってどうなのかな。素直に喜べないんだよね。

桃華は恵凛那ちゃんはこの記事見て嬉しくないの? 桃華は友達がそういう風に言われてたら誇りに思うし私も頑張らなきゃって思うよ。

私は桃華ちゃんの話を聞いて俄然やる気が出た。1試合だけの偶然なんて思わせない、全ての大会で優勝するぐらいの意気込みを語った。

私は自分のレベルアップ、そしてチームのレベルアップとして大なり小なり関係なく大会にエントリーをして大会に向けて練習する日々が続いた。結果が出る大会、出ない大会と様々だった。ある大会が終わった後、遥華は私を呼び出した。

恵凛那はキャプテンだからチームの為、自分の為を思って大会にエントリーしてると思うけど正直毎週のように大会に出てたら潰れちゃう選手も出てくるよ。私はなんと返すのが正解か悩み、今の気持ちを遥華に伝えた。皆の意見も聞くべきだったよね。

私何か間違えていたのかな?不安に思った私は元信に電話をかけた。

もしもし元信?ちょっと相談したいことがあって電話したんだけどさ。相談したいこと?何かあった?

私は世界大会から帰国して自分のレベルアップの為、チームのレベルアップの為に色んな大会に出て経験を積んだ方がいいんじゃないかと思ったんだけど副キャプテンの子にそんな何でもかんでも大会に出たら選手が潰れちゃうって言われちゃってさ。それて私の判断は間違ってたのかなって思ってさ。

そんな事ないよ。もし俺が恵凛那の立場でも経験を積む為に大会にエントリーしてたと思うよ。姉ちゃんが恵凛那は力もあるし世界大会でも対等に戦ってたし日本を嘱望する選手になるって。私は思わず舞依がそんなこと言ってくれてたんだ、嬉しい。

元信は野球でも陸上でもそうだけどプロを目指して練習や試合に出てる選手はいるけど必ずしも全員がそうではないよ。仲間作りの為、高校で区切りを付けて新たな道に進もうと考えてる人がいることも忘れたらいけないよ。

私はそうだよね、1度自分を見つめ直してみるねと電話を切った。元信に話して少し頭を整理出来た気がした。

電話を切って寝ようとしていたら元信から今度の日曜日に北本球場で試合があるから時間があれば見に来て欲しいとメールがあり了解と返信した。

日曜日、私は北本陸上競技場で100mに出場して14秒01で決して自分では悪くないと思っていたが予選通過することが出来ずスタンドに上がり他のメンバーの試合を観ていた。遥華の言う通り1度考えた方がいいのかもと思っていた。

全試合が終わり、更衣室に行くと咲歩はこの後どこか出かけない?私はゴメン、この後北本球場で北本学園大学の試合観に行くから今回は辞めておく。咲歩はそっか、じゃあまた今度出かけようね。

午後1時、私は制服を着て同じ公園の中にある球場に向かって小走りで向かった。試合はまだ始まっておらず日陰に座りその時を待っていた。

しばらくするとスタメンが発表されて元信は1年生だが3番投手として名を連ねた。試合が始まり私は元信の試合観るのは去年の夏以来で凄い久しぶりだなと思っていた。

試合は3対0で北本学園大学が勝ち、打者として4打数3安打、投手として9回被安打3本、12奪三振と投打にわたり活躍をした。

私は元信が出てくるのを待った。元信が出てくると私はおめでとうと抱きついた。元信は人前で恥ずかしいと顔を赤くしていた。私は元信可愛いね、一緒に帰ろうと言うと元信はマネージャーを見つめた。

マネージャーはせっかく彼女が迎えに来てくれたんだから一緒に帰りな。オーバーワークだけはしないように。私は元信の手を握り駅に向かった。

私は今日の試合、元信1人でチームを勝たせたような感じだったね。元信は俺1人だけじゃないよ、打球が飛んだ時に捕球した他の野手がいてくれたからだよ。1人で出来ることなんて微々たるものだよ。 私はそうだよね、もっと仲間のことも考えないとね。

元信はお互い疲れたし甘い物を食べに行こうとショッピングモールにあるプリンの専門店に行った。私はキャラメルプリン、元信は抹茶プリンを注文してお互いにスプーンで食べあいっこをしていた。

私はお互いに忙しく中々デートは出来ないからこそ2人で会って手を繋ぎ一緒に出かける。やっぱり好きな人とデートをするって嬉しいなことだなと私も1人の女の子なんだなという気持ちになった。


自問自答

私はあらゆる大会に出て経験値を積む為にと考えていたが自分自身、そしてチームとして中々結果を出ずにいて頭を抱えていた。

1人で悩んでいてもダメだ。私は多英に電話をかけた。たが講義での中間試験が近いからと断られた。次に私は望海に電話をかけた。望海は電話に出た。

私は望海に今って時間ある?望海はうん、いいよ。どうしたの?私はちょっと話があって……。

望海はじゃあ午後6時に駅前のカフェに来て。私は部活の休みで少し学校で練習してカフェに向かった。

私は約束より少し早い午後5時半にカフェで待っていた。約束の時間となり望海は舞依を連れてやってきた。私はあれ、舞依どうしたの?

望海はなんか深刻そうだったから舞依にも声かけたよ。多英にも声かけたけど講義の中間試験近いから恵凛那に謝っておいてって。私は2人とも忙しいのにゴメンね。望海はところで話って何?私は部活のことで……。残り1年となって少しでも経験値を積む為に試合に出てるんだけど中々結果出ないし、試合後に遥華から出過ぎて潰れたり怪我するかもしれないって。

望海はなるほどね。恵凛那がキャプテンとして経験値を積む為に試合に出ようと考える気持ちは分かるけどもうちょっと絞った方がいいかもね。舞依はどう思う?

舞依は何が正しいかって正直私も望海も分からないよ。でもこの前の大会を通じて恵凛那は常に周りのことを考えてると思うよ。ひとりよがりで言うことはないよ。今回色々試合に出て遥華ちゃんからそういう意見が出たならそれを踏まえてどうするのかはキャプテンの恵凛那の役目だよ。

望海はまだ時間があるんだから焦らずゆっくりでいいと思うよ。1度出る試合絞ってみてそこでまた考えてみな。

私は舞依と望海に相談出来てよかった。心が晴れた私は舞依と望海にドーナツ食べてもいい?いいよ、じゃあ私たちも何か注文しようかと2人はベーグルを注文した。私は常に持ち歩いている自撮り棒でドーナツ、ベーグルとともに写真を撮った。


クリスマスの予定

舞依と望海の話を聞いた私は年内は出る試合を絞り1つ1つの試合に向けて練習をするようになった。遥華は私たちの気持ちを汲んでくれてありがとう。ひとりよがりじゃなくて周りのことを考えてくれるからキャプテンが恵凛那でホントによかった。

季節は秋から冬に移っていった。11月のある日、咲歩は恵凛那に相談があるから一緒にプリン専門店に一緒に行かない?

私はいいけど教室や電話じゃあダメなの?咲歩はうん、プリン代払うからお願いしますと懇願した。私は分かった、次の練習が休みの木曜日一緒に行こうね。咲歩は恵凛那ありがとうと抱きついた。

次の木曜日、私と咲歩は授業後にショッピングモールに向かった。プリン専門店に行き、私はイチゴプリン、咲歩はチョコプリンとそれぞれ注文して咲歩は会計を済ませた。

2人でプリンを食べている時私は咲歩に話しかけた。私は大好きなプリンを奢ってくれるってことは咲歩何かで悩んでるよね?

咲歩は実はクリスマスのことで色々と恵凛那に相談しようかなって思って。

私はその言葉に驚き、もうクリスマスのこと考えてるの?早くない?

咲歩は1ヶ月なんてあっという間だよ。プリン食べ終わったら色々周るから宜しくね。プリンを食べ終わり私たちはまず2階にある洋服屋に向かった。

恵凛那は去年のクリスマスどんな服装着た?

私は肩出しの服にレモン色のスカートを穿いたコーディネートしたよ。咲歩は恵凛那が肩出しの服って意外だね。

私はクリスマスだからオシャレした感じかな。

咲歩は店内で可愛いけど何を着ようと悩んでいた。その姿を見かねた私は咲歩に似合いそうな服装をいくつかピックアップして咲歩に試着室に行くように伝えた。咲歩はフリルのワンピースなんて私に似合うのかな?私は文句言うなら帰るよ、早く着て。

咲歩は着替えてカーテンを開けるといつもと雰囲気違って可愛い。私は写真を撮り、次は肩出しの服とミニスカートね。

咲歩は再びカーテンを閉じて着替えてカーテンを開けると私はこれも可愛いと写真を撮った。思わず咲歩は何でも似合うね。

咲歩は私に自分が男の子だと思って選んでくれないと困るよ。私はそうだね、全部着終わってからこれがいいって選ぶね。

それから数回、咲歩は着ては私が写真を撮りと繰り返した。咲歩は1度制服を着てスマホの写真を見せて私はフリルのワンピースがいいかな。咲歩はどう思う?咲歩は着るの恥ずかしいけど恵凛那の言ったやつかな。

私はあくまでも私が咲歩に似合うかなって選んだだけだから咲歩がこれを着たいっていうのがあれば全然そっちを選んでくれていいよ。咲歩はそれが出来るならわざわざ恵凛那に来てもらわず自分で選んでるよ。クリスマスの日に着るか分からないけど候補の1つにするね。

私は咲歩の姿を見てせっかく来たし新しい服買おうかなと考え、咲歩に私も少し見てもいい?咲歩は笑顔でもちろんだよ。

可愛い服が多いが全部試着してたらキリがないのでいくつかピックアップして咲歩に似合っているか見て欲しいから試着室に来て。

青色のワンピース、黒の花柄のワンピース、ピンクのミニスカートに白のシャツと着て咲歩に見せた。

私は咲歩にどれがいいとかある?パッと選んだだけだから全部似合わないならそれでもいいよ。

咲歩はピンクのミニスカートに白のシャツなんていいと思うよ。私はじゃあ買ってくるねと会計を済ませ、咲歩にあまり遅くなったらいけないからと午後7時に私たちは北本駅でまた明日ねと分かれた。

私は去年の今頃なんてイブやクリスマス何着るか考えてなかったな。咲歩に聞かれたこともあり私も今年は早めにどうするか考えないとな。

今年はイブやクリスマスの日に何を渡そうかな。後1ヶ月短い間猶予あると色々練っていた。

学校が終わり練習は2日の休養日といつもとなんら変わらない生活を送っていた。

12月に入りイブまで残り2週間、私と咲歩はともにどんな服装を着るかと話し合いをしていた。私は咲歩に手作りの物をあげたら喜んでくれると思うよ、例えばお菓子や寒いから防寒具でもさ。

咲歩は恵凛那、悪いけど休みの日私の家に来て欲しい。私にもクッキーの焼き方を教えて欲しいと頭を下げた。私でお役に立てるのならばと了承した。

火曜日の授業後、私は咲歩とともに家に向かった。

咲歩は恵凛那どうやって作ってるの?私はよくネットで書いてある通りだよ。

咲歩はクッキーを作ってみて咲歩は焼き上がりのクッキーを食べてパサパサで美味しくない。恵凛那の食べたクッキーはこんな感じじゃなかった。お菓子作りの才能ないのかな……?

私は咲歩にまだ材料ってある?咲歩は少ないけどあるよと材料を取り出した。なるべく分かりやすい方がいいと考え同じ工程で行った。

私は途中で1度クッキーを冷蔵庫で1時間冷やした。スマホでタイマーを計り、待ち時間に切り抜きかあれば貸して欲しいと咲歩にお願いをした。スマホのアラームが鳴りクッキーの状態を見てよさそうだなと取り出した。クッキーを星やハート等の可愛い形に抜いて焼き上げた。

咲歩は恵凛那女子力高すぎるね。私も最初から出来たわけではないからそんなに落ち込まないで。

クッキーが焼き上がり私は1枚食べた。うん、悪くないけど何か物足りないな。ねぇ咲歩、バターってあるかな?咲歩はバターを取り出して私はクッキーにバターを塗ってもう1枚食べると美味しいけど焼きあがった後に塗るんじゃなくて焼く前の方がよかったなと笑った。

私はレシピを書いて咲歩に渡しじゃあこの辺で帰るね、残りのクッキーはお父さんやお母さんに食べさせてあげて。私は咲歩の家を出た。

私は少し早いけどイブかクリスマスにデートしよう。今年も楽しみにしてるよと元信にメールを送った。元信からも俺も楽しみと返信がきた。

去年と同じくクリスマスまで学校にいる間は授業や部活、そして家に帰ればデートで着る服どうしよう、去年はマフラーを渡したし今年はどうしよう等色々と考えることが楽しかった。

元信は去年同様、舞依に今年も家に恵凛那を連れてくるから今年も宜しくとお願いをして舞依はあまり羽目を外しすぎないようにと伝えていた。

クリスマス前日、咲歩は俊輔と電話をして明日9時に北本駅集合と決めていた。私は朝から元信に電話をかけているが中々繋がらない。心配で姉の舞依に電話をかけようと思ったが去年元信からこの時期家族で出かけてると聞いていたことを思い出し、電話をすることを躊躇(ためら)った。

私は元信のことが心配で仕方なくクッキーを焼いて明日に備えた。去年のようにどこか出かけて家でお泊まりデートといった淡い期待はしないようにしよう。クリスマスデート用に買った服をすぐに着れるように服をハンガーにかけてすぐに出られるようにした。私は調子が悪くて寝込んでて欲しい、浮気だったらどうしようと考えると全然眠れなかった。


元信体調不良、浮気疑惑

クリスマス当日、私は午前6時に起きて3時間で寝不足でとてもじゃないがスッピンでは行ける状況ではなくナチュラルメイクをしてクッキーを持ち家を出た。予想以上に寒くワンピース1枚では到底歩ける感じではなく家に戻りダッフルコートを着て元信の家に向かった。

私は元信の家に着き呼び鈴を鳴らした。良くないと分かっていたがドアを開けて玄関に入ると見知らぬ女性用の靴がありもしかして舞依のかな?疑心暗鬼で元信の部屋に向かった。部屋に近づくと聞いた事のない女性の声で佐藤大丈夫?熱さまシートを張り替えるね調子悪いならメールでもそう言ってくれればいいのにどうして?まずあの人は誰?

色々考えると私は涙が出てきた。泣いている姿は元信の部屋まで聞こえ、ドアを開けた女性は私に中田恵凛那さんですかと聞いてきた。

はい、中田恵凛那は私です。用事が出来たので帰りますと家を出ようとした。恵凛那ちゃんちょっと待って、佐藤が呟いてたの。恵凛那、早く来て、きっとここに来るってずっと言ってたから来てくれてよかった。自己紹介遅くなったね、北本学園大学野球部マネージャー2年生の岩本那美(いわもとなみ)です、恵凛那ちゃん宜しくね。

那美は私に一通りの流れを説明した。昨日の練習で雪降ってるのに外で自主練してる佐藤に練習止めるように言ったんだけど明日は彼女とデートだからって話を聞いてもらえなくてさ。

私はそうだったんですね、部屋に知らない女の人がいたので浮気なのかなって勘違いしました。

那美は彼氏の家に知らない女の人がいたらそう思ってもおかしくないよね、私の出る幕でもないし帰るね。私は那美さんよかったらクッキー食べませんか?

那美はこんな勘違させるような女にもくれるの?私はいいですよ、またクッキー焼いて元信に届けるので。

那美は佐藤から聞いてた通りだね。私は思わずと言いますと?俺の彼女はオシャレで可愛くてそれで自分のことよりも人のことを優先するいい子だよって部員同士で話していてさ。この前の試合後に球場にいて可愛い女の子だなって思ったよ。

私はありがとうございます。元信がそんな風に言ってもらえて嬉しいです。私は那美さんと元信の看病をしつつ元信の話で盛り上がった。

私は出会いの経緯や恋人らしいデートをしたりと2人で話していた。元信は目を覚まして恵凛那、岩本先輩すみません……。那美は佐藤がこんな弱ってるところ初めて見た。可愛いとウットリしていた。

那美はしばらくして佐藤には恵凛那ちゃんっていう可愛い彼女がいるのにゴメンね。私は大丈夫ですよ、もうすぐお昼ですが那美さん何か食べませんか? 那美はそうだね、何か買ってこようか?

ちょっと待ってください、電話してきますねと舞依に電話をかけた。

もしもし舞依?今家に上がらせてもらってるんだけど元信が体調悪くて何か作ろうと思うんだけど冷蔵庫の中の物や食器とか借りても大丈夫かな?

舞依はいいよ、元信のこと宜しくね。私は電話を切って台所に向かった。私は那美に台所使っていいと元信の姉から許可が出たのでと冷蔵庫を確認した。お昼はシチューでもよろしいですか?那美はシチュー作れるの?凄いね。じゃあお願いします。

私はシチューを作り3人分用意してお皿に盛り付けてテーブルに並べた。

元信は今お腹空いてないからまた食べると私と那美の2人でシチューを食べて那美はたいぶ体調良くなったし後は恵凛那ちゃんに任せるね。何かあった時の為に連絡先交換しよう。那美はクッキーだけじゃなくてシチューまでありがとうと家を出た。

元信は恵凛那クリスマスなのに看病してもらってゴメンね。こんな大事な日に寝込んでしまって……。

私はそんなこと気にしないよ、体調悪いんだから寝てなきゃダメだと横になるように伝えて元信の頭を撫でた。少しまだ熱があるのか照れているのか分からないが顔が赤く可愛いなと思っていた。

夕方頃に私は元信の家を出て北本駅に行くと咲歩と福本君がデートをしている姿を見て2人とも初めてのクリスマスデートでよそよそしい感じが凄く愛おしかった。そんな姿を見ながら私は来年こそはクリスマスデートをしよう。その為に私も気をつけないといけないし元信にも体調には気をつけるように再度伝えようと思った。


今年も宜しくお願いします

年が明けて私は去年同様家族と共に北本神社にやって来た。お参りを終えて帰り際に佐藤家が入れ違う形で神社に入って来た。舞依は恵凛那あけましておめでとう、今年も宜しくね。元信は恵凛那あけましておめでとう、クリスマスの時は看病してくれてありがとう、今年も迷惑かけるけど宜しくねとそれぞれ挨拶をした。

ご両親は去年は舞依と元信が恵凛那さんに沢山ご迷惑かけてしまったみたいですみませんでした。私のパパとママはいつも恵凛那を可愛がってくださりありがとうございます。もし宜しければこの後に我が家で食事会致しませんか?狭い家ですが。

ご両親は舞依と元信を見つめて舞依はせっかくのご好意だから甘えさせてもらおうか。では私たちはお参りだけしてくるので少しお待ちいただけますか?

パパとママで私たちはここで待っているのでどうぞゆっくりしてきてください。

佐藤家はお参りを終えて舞依と元信は御籤(おみくじ)とお守りを買い私たち中田家のもとにやって来てでは大人数ですが宜しくお願いしますと頭を下げて佐藤家は私の家に向かった。

舞依は恵凛那の家に初めて来た。元信も久しぶりに来た感じがするな。私は2人とも正座じゃなくていいよ。舞依と元信は足を崩した。

パパはスマホで電話してお寿司とオードブルを注文してクレジットカードで支払いをした。注文して1時間、お寿司とオードブルが届きお父さんはお金を支払おうとするとパパは大丈夫ですよ。その代わりに舞依さん、元信君から見た恵凛那のお話を聞けたらなと思います。

そうおっしゃるのならばとじゃあまず舞依の方から。

舞依は恵凛那さんはオシャレで可愛く常に自分のことよりも他人を優先する優しい子でもっと自己主張した方がいいのにって思う感じです。そうかと思えば飛行機が怖いって隣にいた望海と多英の手をずっと離さずにいてその姿に大学生の私たちは可愛いって思ってました。私はこんな感じです。

お父さんは続いて元信。

元信は先程もクリスマスの時に本来ならばデートの予定でしたが体調不良で恵凛那さんには申し訳ない気持ちでしたが部屋で不満を言わずに看病してくれてわざわざシチューまで作っていただきました。姉と重複しますが恵凛那さんはいつも自分を犠牲にして他人に尽す優しい子でもっと不満や愚痴等言ってもいいのになって感じです。恵凛那さんが彼女でホントによかったと思いますしもっと助けてあげたいなと思います。

私は舞依と元信の話を聞き涙が溢れた。すると舞依と元信は私を抱きしめて優しく頭を撫でてくれた。

ご両親は恵凛那ちゃん可愛い子ですね。私は沢山あるお寿司やオードブルを食べるが少し食べるだけでほとんど手に取らなかった。

改めて私はパパ、ママは舞依と元信に愛されているんだなと知ることが出来た。

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