相談

女子力の低さ

夏休みが明けて久しぶりに桃華や他のクラスメイトとも会って部活で休みの感じがしなかった、私のように好きな人とどこか出かけた等の話で盛り上がっていた。

桃華は夏休み前に部員に裁縫で手作りの御守りを作ったり休みの日にはお菓子作りをしていたと私の女子力のなさに驚かされた。

私は桃華ちゃんって裁縫も出来るしお菓子作りも出来るし女子力高いよね。桃華はそんなことないよ。手先が不器用だから裁縫では指に針を刺したりお菓子作りといっても簡単なものでこの前クッキー焼いたら焦がしたりしてるからね。

桃華は恵凛那ちゃんっていつも思うけど謙虚だよね。女子力低いって思ったことないよ。もっと自信持った方がいいとか言われない?

私はこの前元信とプールに行った時同じようなことを言われたよ。自信持つってむずかしいね。

桃華は元信って……。野球部だった佐藤先輩?

私はそうだよ、夏の花火大会で告白されてさ。

桃華はそっか……。私も佐藤先輩好きだったけど恵凛那ちゃんが彼女なら仕方ないね。それで2人でどこに行ったの?

私はプール、花火大会、熱中症で倒れて元信の家に行ったりしたよ。桃華はそれでどうしたのとニヤけた。私は想像するようなことはしてないよ。お姉さんと3人でそうめんを食べておやつにプリンを食べてその日は帰った感じかな。

桃華は恵凛那ちゃんが幸せそうな顔を見ると私もステキな恋がしたいな。何か進捗(しんちょく)があればその都度教えてね。

始業式を終えて部活に行こうとすると望海さんと多英さんを見つけて声をかけた。お2人ともお久しぶりです。元陸上部の舞依さんから2人に会ったらよろしく伝えるように言われました。

多英は恵凛那ちゃん、舞依さんに会ったんだ。実は私たちが陸上を始めたのは舞依さんがきっかけだったんだよ。

望海は図々しいお願いかも知れないけど私たちもみんなと一緒に練習してもいいかな?私たち系列の北本学園大学に内部進学が決まったからさ。

私は是非ともお願いします。他のメンバーも望海さん、多英さんと練習出来ると知ったら嬉しいと思いますよ。

個人練習を終えた後にリレーの練習を始めると望海と多英は驚きを隠せなかった。望海は恵凛那ちゃんテイクオーバーゾーンを上手く使えてるし、バトンパスも問題なく出来てるし苦手克服したね。

多英はそういえば聞いてなかったけどキャプテンって誰になったの?遥華は恵凛那がキャプテンで副キャプテンは私がやってます。恵凛那の提案でそれぞれ練習時間やメニューを決めて最終的に皆で話し合いをしました。

望海は恵凛那ちゃんはキャプテンに適任だと思うよ。恵凛那ちゃんはいつも謙虚だからもっと自信を持ってね。

私は望海さんに頭を下げて久しぶりに再開したから7人でカフェに行こうと提案をした。カフェに行くと話は私と元信の話で馴れ初めから最近出かけた場所まで尋問のように聞かれ、咲歩は恵凛那ってしっかりしてるのに彼氏といる時や話をする時は女の子の顔をして同性なのに可愛いんですよ。

多英はそうだよね、そこも魅力の1つなのかもねと話を3時間以上していた。


悩み

私は優しくていつも傍にいてくれる元信が好きでずっと傍にいたいと思った。だけど1つ気になることがある。それは体調不良で家に行ったりはするがそれ以外でのデート、いやお泊まりデートに誘われることがなくて少し寂しさがある。

そこで自主練をする望海に練習帰りに話があるとカフェに行こうと誘った。望海さんは私でいいの?ここでは話しにくいこともあるだろうから一緒にカフェに行こうかと優しく受け入れてくれた。

部活帰りにカフェに行くと望海さんに私って女としてそんなに魅力ないですかね……?そんなことないよ、何かあった?

私は元信とデートしてて楽しいし困った時には助けてくれるのでホント心強いんですが体調不良以外に家に呼んでもらったことがなくてお泊まりデートがないんですよ。

望海はそういうことね。舞依さんに……なんて聞けないよね。でもさ、それって元信が恵凛那ちゃんのことを大事にしてるってことだと私は思うよ。

私も望海さんみたいに美人でスタイルがよければもう少し色気があれば呼ぼうって思うのかなって。

すると望海は色気があるのはいいことばかりじゃないよ。女の子は羨ましいなって思われるけど男の子には違う目線で見てくることもあるからさ。恵凛那ちゃんよくポニーテールにしてることが多いけど理由あるの?

私は美容院の人に男の人は揺れるものが好きだからって聞いたのでポニーテールをしてることが多いです。望海はそれも一理ありだけどたまには違った感じにするのもいいかも。

私は望海さんにお礼を伝えるとあまりオススメはしないけど肩出しの服を着てミニスカートを穿いて色気を出すって方法もあるよ。そうすると痴漢に会う可能性もあるし、なによりも今の恵凛那ちゃんにそこまでする必要があるのかなって思うよ。

私は望海さんの言葉を聞きそこまで考えていただきありがとうございます。色々と試してみます。

別の日、いつものように私は元信と時間を見つけてデートをしていた。

デートの時に私は肩出しの服を着てミニスカートを穿いてポニーテールにして元信の前に立つとオシャレで色気があるけど1人で歩いてたら危ないと注意をされた。

元信に私だって恥ずかしいけど色気を出したらお泊まりデートに誘ってもらえるかなって思って。女の子にそんなこと言わせないでよね。

元信は私を抱きしめて軽い男だと思われたくないしそれだけの関係ってお互いにイヤでしょ。私は確かにそうだね、それだけの関係ってなって捨てられるぐらいなら今のままでもいいなって改めて思う。いつも私のことを第一に考えてくれてありがとう。

そして私は露出が多い服はいざと言う時に取っておいて可愛いミニスカートやワンピースを見つけてはデートの時に行く日々が続いた。


女子力アップに向けて

私は女子力を上げるためにまずは何をしようかと考えていた。女子力の塊でもある望海さんや多英さんに女子力アップの秘訣を聞いた。2人の返事は同じでファッション雑誌を読むのもそうだけど最近はよくメイク動画で色々な動画を見ているよ。

私はファッション雑誌を買って流行に乗るのもいいがその一方でメイクは皆無に等しい。まずは今後のためにもメイクの勉強をしようと考えた。

メイク動画をいくつか見て使っているコスメをピックアップをしてショッピングモールに買いに出かけた。家に帰り実際にしてみると普段の自分とは違い少しかわいくなったのかなと自負していた。

客観的な評価を知りたく私は片っ端から電話をかけた。陸上部員は全滅、桃華ちゃんは部活でダメ、望海さんた多英さんに連絡するも繋がらない。最近会った身近な人を探すためにスマホをスクロールしていると元信の姉、舞依の名前を見つけた。ダメ元で私は舞依さんに電話をかけた。

舞依は電話を取り恵凛那ちゃんどうしたの?

私は舞依さん突然すみません、ちょっとメイクしてみて客観的に評価をしてもらいたくて電話をしました。舞依はなるほどね、じゃあ家に来て。私は分かりましたと元信の家に向かった。

15分後、私は元信の家に着きインターホンを鳴すと舞依さんは私を家に上げて自分の部屋に案内した。

舞依は恵凛那ちゃんメイクすると大人っぽくなるね、錦上添花(きんじょうてんか)って言葉が似合うような感じだね。

私はすみません、錦上添花ってどういう意味ですか?

舞依は美しいものが更に美しくなることの例えだよ、今の恵凛那ちゃんかなって思って。

私は失礼を承知の上であのことを聞いた。舞依さん私って女としての魅力ないんですかね?

舞依は元信に何か言われたの?こんな可愛い彼女になんてこと言うのかね。私が説教しておくからね。

私はいや、そうじゃないんです。元信君とお付き合いさせてもらってから数ヶ月経つのにお泊まりデートのお誘いとかないので寂しいなって思いまして。

舞依は望海と付き合ってた話って聞いた?

私はそうなんですか?何となく聞きました。

元信の初めての彼女が望海だったんだけど野球の自主練ばかりして望海の話をあまり聞かなかったんだよ。そのことを望海から聞いて元信を呼び出して説教をして私からも望海に謝ったらこれからは1人の友達として仲良くしてるみたいだよ。

私はなるほど、恋愛って難しいですね。舞依さん、元信君にもっと好かれるようになるにはどうしたらいいと思いますか?

舞依は本題から逸れちゃったね。恵凛那ちゃんはスッピンの時、メイクしても可愛いし男の子受けするような服装してるからな。私も考えるね。

舞依はしばらく考えて1度メイク落として私のやってるメイクしてみてもいいかな?

私は是非お願いしますとメイク落としで1度スッピンになり目を閉じて舞依さんに委ねた。

1時間後、舞依さんは恵凛那ちゃん目を開けてと言われてゆっくりと目を開けて鏡を見た。いつもの私と違いすぎて思わず別人みたいです。

舞依は喜んでもらえてよかった。同じのもう1本ずつあるから恵凛那ちゃん持って行っていいよ。私はありがとうございます。舞依さんって美人でスタイルいいしオシャレで凄いですよね。

舞依はそんな褒められるなんて恥ずかしいね。箪笥(たんす)を開けて気に入ったのあれば着てみてもいいよ。

私はオシャレで可愛いものばかりで目移りしていてワンピースを見つけて舞依さん、着てみてもよろしいですか?

私は着替えて舞依さん似合ってますかね……。すると恵凛那ちゃん可愛い、このまま着て帰りなよ。

何かいつももらってばかりですみません。舞依は気にしないでいいよ、そろそろ元信自主練を終えて帰ってくると思うよ。

私はスマホを見ると午後7時で家を出ようとすると元信が帰ってきて姉ちゃんただいま。舞依はお帰りと言うと元信は姉ちゃんが2人?どういうこと?

舞依はそんな訳ないでしょ。恵凛那ちゃんが私と同じようなメイクをしておさがりを着てるってこと。

元信は背格好がほぼ同じで服とメイクまで同じってなったら分からなくなるよ。


残暑が過ぎて

暑さがおさまり季節は秋になり涼しくなってきた。私は秋からは汗をかいてメイクが落ちる心配も少なくなる。暑い時期はナチュラルメイクにして暑い夏を除いた時期は舞依さん風のメイクをしようと決めた。

私は時間を見つけてはメイクの勉強をして色々試したがやはり舞依さん風メイクが1番しっくり来て周りの評判も高い。周りに女子力の高い人たちに囲まれていたおかげで微力だが女子力が少し上がったかなと思っていた。

他に何か出来ることを考えた時に料理やお菓子作りを極めてみようと考えた。部活帰りにスーパーでクッキーの具材を購入してネットで調べて作った。

私は大量に焼いて次の日、教室で桃華ちゃんにクッキーを渡した。桃華はクッキーを食べて恵凛那ちゃんこのクッキー美味しいよ。その言葉に胸を撫で下ろした。

他の人の意見も聞きたいと授業後に部室に行き遥華、友美、咲歩、美穂にそれぞれクッキー焼いたから食べて欲しいと渡した。4人は揃って美味しいよと話していると遅れて望海さんと多英さんがやって来た。多英はみんな盛り上がってどうしたの?

美穂は2人もクッキー食べてみてください。こちらの女子力のレベルの上げた恵凛那がクッキーを焼いたので。

望海と多英はクッキーを食べてうん、美味しいね。多英は機会があればまた何か作って食べさせて欲しいな。また何か作ってきますねと話していた。

私は100mの記録を計ると平均タイムが上がっており望海は思わず恋の力はすごいな。咲歩はホント見てて人生を謳歌してるなって思います。

私は部活を終えて家に帰りクッキー以外にもドーナツやケーキ、プリンを作ろうと試みたがこの辺りは中々うまくいかずとてもじゃないが他人に持って行けるものではなかった。


大寒波

木枯らし1号が吹きこの年の東京は晴れる日があっても気温が上がらず平均気温を上回る日が月に何日しかない日々が続いた。

こんな寒い中練習したらケガをするリスクもあるしかといって全く練習をしない訳にもいかない。

私は外での練習の他に室内で行う体幹トレーニングを取り入れようと考えていた。やってみてダメなら次の年はやらなければいいし結果が出るようなら続けていこうと考えた。

望海や多英も室内練習を行い、外での練習の時には積極的にタイムを計るように私に頭を下げた。

私は2人の100mの自己記録を聞きストップウォッチを押した。すると2人は自己記録を超えた。その後、1年生の私たちも2人に続くようにそれぞれの種目を走ると5人は自己タイ記録や自己記録を超える記録を参考でも出たことに嬉しかった。

私は自分の記録を超えるのは嬉しいがそれよりも他のメンバーの記録が超えたことが何よりも嬉しかった。

私は部活が終わり制服に着替えると寒い、今からファミレスに行ってスープでも飲んで温まろうと4人と望海さん、多英さんを誘った。

ファミレスに入り暖房の効いた店内にスープを注文して待っている間に私、冷え症ですがどうしたらいいと思いますか?

多英と咲歩は制服の中にセーターを着てるよ。望海と遥華は手袋をして腹巻をしてるかな。友美と美穂はマフラーをしているとそれぞれ対策法を聞いた。

その話を聞いて次の日、お腹を冷やさないように腹巻をして学校に向かった。寒すぎて手先がかじかんで手指が動かずにいた。

私は席に座り桃華ちゃんと雪酷いね。これ以上酷なったら電車やバスにも影響が出そうだねと話していた。

お昼に私は桃華ちゃんとお弁当を食べながら外を見るとグラウンド一面は白銀の世界になっており今日は雪が酷いから練習はなしと一斉送信した。

野球部の練習も中止となり、私は授業が終わりに私は久しぶりに桃華ちゃんと帰ることにした。

桃華は久しぶりに恵凛那ちゃんと一緒だから北本駅近くのショッピングモールでプリクラ撮ろうよ。

私はいいね、後からセーター見たいから洋服屋に寄ってもいい?

桃華は私もみたいから一緒に行こう。プリクラを撮りお店に向かうとセーターのみならず手袋、マフラー等色々売られておりセーターを見に来たはずなのに手袋やマフラーにも目移りしていた。

私はセーターもいいなと思ったがそれ以上にキツネをあしらったマフラーを見つけて購入し、桃華は手袋を購入して駅に戻った。

私は駅で流れるアナウンスに驚いた。只今雪の影響で全線不通になっておりますと電光掲示板に表示されて私は桃華に付き合わせたせいで帰れなくなってゴメンね。

桃華は恵凛那ちゃん、自分を責めないで。この状況で行くって私の悪いんだからさ。どうしようかと2人で話していると桃華は駅にずっといてもいつ再開するか分からないから雪が収まるまで私の家でゆっくりしていって。収まらなかった時はその時にまた考えようと声をかけてくれた。

私と桃華は雪でいつもよりゆっくりと歩いて桃華の家に向かった。北本駅から普段なら歩いて20分程だが、この日は1時間かけて歩いた。

午後6時、私たちは家に着いて桃華の部屋に向かった。桃華は恵凛那ちゃんちょっとこの部屋にいて。

私は桃華ちゃんの机の上にあった野球のスコアブックや野球に関する本が何冊かありマネージャーとして頑張っているんだなと思っていた。

桃華は恵凛那ちゃんお待たせ。温かい紅茶とお菓子を差し出し、電車は動いてる?私はまだ動いてない、終電までに再開しなかったら歩いて家に帰るだけだよ。

普段怒らない桃華は私に怒った。

「恵凛那ちゃん何言ってるの?こんな大雪で華奢で可愛い女の子が歩いたら危ないでしょ。今日は恵凛那ちゃんを帰さない、今日は泊まっていくように」

桃華ちゃん私のことを考えてくれてありがとう。スマホで天気予報を見て酷くなるみたいだから泊めてもらってもいいかな?

桃華はもちろんだよ。私にとって恵凛那ちゃんはかけがえのない友人であって恩人なんだから。困った時はお互い様だよ。私はひとまず家族に事情を説明して桃華ちゃんの家に泊まることを伝えた。

桃華もまた母親に事情を説明して私が泊まることを伝えていた。

桃華は今日泊まると決まれば私に部屋着を渡して制服乾かしておくからね。私はありがとう、この部屋着可愛いねと話していた。

1時間後、午後7時半に私は桃華ちゃんと共にリビングに向かい晩御飯をいただくことにした。

桃華の母親は冷えるといけないと思って今日はクリームシチューを作ったよ。沢山作ったから恵凛那ちゃんもおかわりしてね。私はありがとうございます、お言葉に甘えて沢山いただきます。

桃華は家族の前で恵凛那ちゃんって野球部だった佐藤先輩と付き合っているんだよ。父親は佐藤先輩ってキャプテンやってた佐藤君?

私は実はそうなんです。優しくていつも私の事を考えてくれてまるでお姫様のように扱ってくれて。

桃華は恵凛那ちゃんって佐藤先輩の話をする時に女の子の顔になるしこの間なんて手作りのクッキーを焼いてくれて女子力高いなって感心したよ。

晩御飯を食べ終わり、私は洗い物をしようとするとママはゆっくりしてていいよ。すみません、じゃあせめてクッキーを焼くので後で台所と材料お借りしてもよろしいですか?

ママはいいよ、終わったらまた呼ぶね。私と桃華ちゃんはテレビを見て時間を潰していた。しばらくしてママは恵凛那ちゃんお待たせ、台所どうぞ。

台所に行きクッキーを焼こうとすると桃華は私も手伝うよと声をかけてくれた。ありがとう、じゃあ材料取って欲しいと桃華ちゃんに伝えた。

私は桃華ちゃんと一緒にクッキーの下地を作り電子レンジで焼き上がるのを待った。クッキーが焼き上がって皿にクッキーを乗せてリビングに並べた。

桃華の父と母はクッキー美味しいね。2人は一緒にお風呂に入りツインベットで一緒に寝た。

次の日、私は桃華ちゃんと共に学校に向かった。


誘い

授業が終わり連日の雪予報でこの日も部活は休みにして帰ろうとすると元信と校門で会い、一緒に帰ることにした。私は手袋をしてないことを口実にして元信の手を繋ぎ雪だけどどこか行こうと誘った。

元信はショッピングモールに行こうと提案し2人で向かった。私たちは昨日とは別の洋服屋に入った。

元信はマフラー温かそう、でも男がマフラー買うのって変だよね?私はそんなことないよ、このマフラー可愛い色合いだし元信に似合うと思うよ。元信はしばらく考えて指先がかじかむのイヤだから手袋買うことにするよ。恵凛那も同じの買わない?

私はお揃いのやつ買おうかな。あとね、付き合ったらお揃いコーデしてみたかったんだよね。元信はとはいっても俺が似合うやつそんなにあるのかな?

私は店内を歩くと何色もあるパーカーを見つけ、元信にこの黒のパーカー着てみてと頼んだ。元信は試着室で着替えると似合うけど何か違う。他の色も着てみてと私は次に水色を持ってきた。元信は水色は絶対にないと思うと私の前に立つと思わず可愛い似合ってるよ。俺は黒のパーカーにするよ。

じゃあ私は水色にしようかな?サイズ違いのパーカーを持ってきて私も試着してみた。ねぇ、似合ってるかな?

元信は俺よりも断然恵凛那の方が似合ってるよ。ありがとう、もう1つ気になってるのあるから持ってきてもいい?早くしないと電車動かなくなるぞ。

私は同じパーカーのピンクを持ってきて試着した。鏡を見るとこの色めっちゃ可愛いとカーテンを開けた。私はどうしても欲しくなり、元信にピンクのパーカーも買ってもいいと上目遣いでお願いした。元信は手袋、そして黒とピンクのパーカーを購入した。


お揃いコーデ

ある日の金曜日、毎週土日を練習で私はたまには日曜日を休みにして皆に休養に充てたり羽を伸ばして欲しいと思いメールを一斉送信した。

1年生は恵凛那が土日に休みにするなんて珍しいね。望海と多英からはデート楽しむようにと揶揄するようなメールが送られてきた、

私は元信に日曜日どこもか出かけようと誘い、この前買ったお揃いコーデしようよ。元信はじゃあ午前9時に北本駅に集合しよう。

土曜日、朝は個人練習でお昼を挟み午後からリレーの練習をし、部活を終えて私は帰ろうとすると望海さんは明日休みだけどどうするつもり?

私は決めてないですと一言残して副キャプテンの遥華に最後鍵閉めて帰るように伝えて部室を出た。

部室を出た私は明日のデートで手作り弁当を作ろうとスーパーで買い物に行くことにした。少ない予算でいかにクオリティを上げるか考えて品物は必要最低限に抑えた。

私は家に帰り食材を冷蔵後にしまい明日に備えてこの日は早めに寝た。翌日、私は朝5時に起きてお弁当作りに励み簡単な物を作って詰めるだけのつもりが悪戦苦闘すること2時間、お弁当をスカーフに巻いてお弁当箱に入れた。

さて次は舞依さん風メイクに少しアレンジを加えてズボンを穿いてシャツにパーカーを着た。たまには髪を結ばないでみよう、時刻は午前8時半で丁度いい時間となり家を出た、

私は予定の午前9時よりも早く着き、元信が来るのを待っていた。5分後、元信がやって来て私は初めてのお揃いコーデだね。近くにあるアミューズメント施設に行き、ボーリングにカラオケを楽しんでいると私のお腹が鳴った。

すると私は公園に行こうと誘って移動した。元信はお腹空いたね、何か食べようと言うと私はお弁当作ってきたよ、量少ないかもしれないけど食べて。

元信はおにぎりを頬張って美味しいと喜んでいた。

私は嬉しく箸で玉子焼きを元信に食べさせると恵凛那、ありがとう。大好きだよ。

私は元信の顔を見て私もだよと笑顔で答えた。

元信はクリスマスイブだけどデートしよう、行きたいところがあるから午前9時に駅に来て欲しい。

私は分かった、今日は寄りたい所があるねと元信と別れた。

私は隣街に電車で行き、洋裁屋で元信にマフラーを縫うために毛玉等を買おうとお店に入った。赤色の毛玉を見つけて会計をしようとすると犬の可愛いワッペンを見つけ、一緒に買った。

クリスマスイブまで残り2週間と短い時間で仕上げようと思っていた。

私は家に帰り早速手縫いでマフラーを縫ったが針を指に刺し、時間がかかるので私はママを呼んだ。

ねぇママ、ミシンってある?母親はミシンを私の部屋に持ってきて使い終わったらリビングに置いておいて。

私はミシンでマフラーを縫うと思ってた以上に早くて手軽に出来ることに驚いた。そして犬のワッペンを1番目立つ場所に縫って1度自分でマフラーをしてみた。このまま自分で使いたいと思う程可愛くマフラーは当日まで袋にしまった。

一方その頃、元信は姉の舞依と話をしていた。

姉ちゃん、クリスマスイブ の日なんだけど恵凛那を連れて来ようと思っているんだよね……。舞依は遂にお泊まりデートするのかな?いいね、青春だねと揶揄(からか)うと元信はちょっとやめてよ。

舞依は私に任せておいて、ママとパパと3人で温泉旅行に行くからチケット用意しておくね。舞依はママとパパに事情を説明してチケットを渡した。


作戦

私はある悩みを抱えていた。イブの日何を来ていくのかを。制服で行くのか、私服で行くのか。スッピンなのか、メイクしていくのか。練習帰りにデートするなら制服でそのまま行った方がいいしなと色々なパターンを考えていた。

しかし私はキャプテンで私の都合で決める訳にはいかず、終業式を終えて部活前に皆に尋ねた。

私はまだ冬休みの予定を組んでないけどこの日はどうしても休みがいい日とかある?遥華は基本的にはイブかクリスマス、年末年始は休み欲しいけど他の日程は恵凛那に任せるよ。

咲歩は恵凛那が私たちに予定を聞くなんて珍しいね。イブにデートしたいけど自分の一存で決めるのは悪いからひとまず聞いて決めようってところでしょ?

私は咲歩が言った通りなんだよね。彼にデート誘われたけど部活帰りなら制服でスッピンで行くし、休みならどうしようかなってかんじかな。

美穂はなんか恵凛那のそういう話聞いてるとほのぼのするね、私は5日間練習してイブとクリスマス休みでもいいと思うよ。友美はどう思う?

友美はいいと思うよ、そのかわり恵凛那はデートのことを話してくれるならね。

私は皆の話を聞いてわがまま言ってゴメンね。望海と多英はホント恵凛那ちゃんって可愛いよねと話していた。

練習を終えて皆でコンビニに行き、私は仮の練習日程を人数分をコピーして渡した。変更があればその都度連絡すると伝えて自宅に帰った。

皆の計らいでイブとクリスマスは練習を休みになった。制服で行こうか、どうしようか……。

2日間休みでもしかしたらお泊まりデートになるかもと考えた。だとしたら制服は「伝家の宝刀」で取っておきたいな。

ならば私服としても何を着よう。悩むな……。

イブまで残り1週間、私は休みの日や練習帰りに北本駅の近くのショッピングモールだけでなく自転車だけでなく電車やバスを使って洋服屋を梯子した。

私はある店で肩を出すようなセクシーや服を見つけ、試着した。自分で鏡を見てこれ似合うのかな?

今まで着たことないし1回だけ着てみよう。評判が良くなかったらその時考えればいいやと購入を決めた。イブまで残り3日と迫っていた。

練習を終えて家でこの前買った服に似合うズボンやスカートを鏡に当てて悩んでいた。箪笥(たんす)から取り出して1つ1つ選定しているがしっくりくるものが全然ない。

中にはこんなズボンやスカートを持ってたんだと気づくものもありその中で水色のミニスカートとレモン色のミニスカートを当ててみた。

両方色合い可愛いしどうしよう……。悩んでいるとあくびが出て時刻は午後11時、明日も早いしこの日はスカートを2択まで絞り寝床についた。

イブの前日に天気予報では晴れのち曇で午前中は晴天だったがお昼を挟み午後から雲行き怪しくなったため、私たちは室内に入り雨を止むのを待った。

遥華は恵凛那どうする?スマホの天気予報では日没後もずっと雨みたいだよ。

私はじゃあダウンして今日は上がろうか。家に帰り1度肩出しの服を着てスカートを穿き比べてレモン色に決めた。スッピンで行くかメイクして行くか悩んでいた。私はたまに寝不足でクマが出来て目が小さい時があるから明日決めよう。


デート当日

イブ当日、私は午前6時に起きて鏡を見ると目が小さくメイクすることを決めた。朝ごはんを食べてメイクをいつもよりも入念に時間をかけた。目をいつもよりも大きくパッチリさせて髪をポニーテールにして準備をした。

リュックにマフラーと制服を入れて一通り準備したことを確認し午前8時に私は家を出た。

北本駅には午前8時半に着き、早く来すぎたな。いつも遅くなることが多いからたまにはいいのかな。私は元信に改札のところで待ってるよとメールを送った。元信はすぐさまに向かって改札に走った。

恵凛那おはよう、今日のミニスカートかわいいね、それに肩を出してすごいセクシーだね。私はこの日のために洋服屋を周って箪笥(たんす)を漁(あさ)ったよ。そっか、恵凛那ありがとう。

2人は電車に乗りテーマパークに向かい、私は手を繋ぎドキドキしていた。電車で1時間、元信はカバンから一緒に食べようとお菓子を差し出した。テーマパークに着くと何に乗るか話していた。

私はジェットコースターに乗りたいと誘うと元信は渋い顔をしてうん、分かったと覇気のない声で答えた。徐々に近づくと元信の足元は震えていたので私は大丈夫?今なら抜けれるよと声をかけた。

すると元信は恵凛那が乗りたいんでしょ?もう後には引けないよ。そして2人でジェットコースターに乗って1周した。

私は元信を見ると涙目になっていた。ベンチに座りもうそんな涙目になるんだったら乗らなかったのに。元信は恵凛那の喜ぶ顔を見たかったからさ。

私は嬉しさと申し訳なさを感じていた。次はパレード見ようと声をかけた。

時間になるまでポップコーンを食べたりスマホで2ショットを撮ったりしているとパレードが始まった。

私はキャラクターが普段とは違う衣装を着ていてかわいいとスマホで写真を沢山撮った。

お昼を食べて観覧車に乗り、テーマパークを歩いていた。私はキャラクターに会うとかわいいと抱きつき写真を撮って等を繰り返していた。

そしてショップに行き、私はあれも可愛い、これも可愛いと気持ちが昂っていた。私はカチューシャを取り、元信に付けて可愛い。一緒に付けようと提案すると元信は俺はいいから恵凛那はしなよ。

気がついたらショップに2時間いて外に出ると陽が傾いていた。

元信は私に次に何に乗りたい?私はメリーゴーランドとコーヒーカップとか乗りたいかな。

私たちはメリーゴーランドとコーヒーカップに乗りベンチに座って休んでいた。次第に日没を迎え、イルミネーションがキレイで私は感動してスマホで写真を撮った。

元信は行きたいところがあるとテーマパークを出て駅に向かい私は行先を告げられず電車に乗った。

電車に揺られること30分、元信は次の駅で降りるよと私は知らない駅で降りて不安な気持ちで元信についていくことにした。駅から15分、オシャレなお店に着いて元信はこのお店はトマトソースとカルボナーラが有名だよと言うと2つ注文した。

私は元信にマフラーを手渡すとありがとう、俺も恵凛那に渡すものがあるとカバンから水色のニット帽を出した。私は水色って可愛い、元信ありがとう。

元信はショッピングモールで恵凛那に似合うと思って買ったよ。元信は私の頬に軽くキスをすると今日さ、誰も家にいないからお泊まりに来ない?

私は初めてお泊まりデートに誘われてうん、分かったと返事をした。

私は何度か元信の家に行っているはずなのになぜか今日は緊張して胸がドキドキしている。元信は部屋に案内をして汗かいてると思うからシャワー浴びてきていいよ。

私は先にシャワーを浴びて入れ替わる形で元信がシャワーをするために浴室に入り俺の部屋で待ってて。私はよし、いまだと伝家の宝刀で用意した制服をカバンから取り出して着替えた。

元信はシャワーを出てきて部屋に戻ると電気を消し、私は元信に身を委ねた。こうしてイブの夜は私にとって「トクベツな夜」となった。

2人で手を繋ぎそのまま寝て朝を迎え、私は昨日はありがとう、楽しかったよと微笑むと元信はそれは俺もだよと私をギュッと抱きしめた。

クリスマスも元信と一緒に過ごし、夕方には自宅に帰った。私は明日色々と聞かれんだなと疲れを残さないために早めに寝た。

次の日、部活に行くと部活後に望海さんを初め6人に質問ではなく尋問というぐらい根掘り葉掘り聞かれて私は言葉を濁しつつ答えた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る