第333話
「脆い刀だな……刀の強さは貴様の心の強さだ。砕けたのは、貴様の弱さの象徴だ」
覇鬼の手刀によって砕かれた茜の刀。自分の手元で砕けた刀に目を見開いた茜は、繰り出された手刀を掴み取って覇鬼の肩も強く掴んだ。動きを拘束しようと試みるが、かなりのリスクが生じるのは明白。
しかし、恐れるどころか、茜はニヤリと笑みを浮かべて告げた。
「私が弱いって?その言葉、今すぐに撤回してもらおうか」
「これで世の動きを封じたつもりか?だとすれば、浅はかだな」
「うぐっ……っ!」
腹部に手刀を繰り出された茜は、血反吐を吐きながらも拘束を解く様子は無い。それどころか、掴み取った時よりも更に強い力で拘束し始める。口元から血が滴る中、茜は妖術を繰り出した。
「――
「紅の鎖か。ただの鎖よりも硬度は上で、頑丈さも増している拘束術か。しかし、これでは足りぬぞ?」
「はぁ、忘れたのか?私は……囮だぜ」
その言葉に視線を動かし、覇鬼は茜よりも後ろで準備が整った桜鬼の姿を捉えた。
「今だっ、サクラちゃん!!」
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