第289話
「この気配……村正っスよね?姐さん」
「……そのようですね」
ハヤテの言葉に同意して目を細めた刹那だったが、動揺を浮かべる様子は無かった。ハヤテも動揺はしていても冷静に、他の妖怪達を含めた気配を探っている。
それに対して刹那は探っているものの、細めた目を村正の気配がある方へと向けていた。
「(確かに村正さんの気配が消えました。ですが……この気配は一体?)」
「姐さん?どうかしたんスか?」
「いえ、なんでもありません。(気になりますが、敵意はありませんし……放置しても問題は無いでしょう)」
「??」
「それよりもハヤテさん、貴方の怪我の具合はどうですか?もうそろそろ動けるようになっているでしょう?」
「そうっスね……そろそろ動けるっスよー」
そう言いながら伸びをしながら立ち上がったハヤテ。そんなハヤテに対して、溜息混じりに肩を竦める。いつも通りの振る舞いだという事で、刹那は呆れと諦めが混ざった表情が浮かんでいた。
そんな言葉を交わしながら、ハヤテと刹那は肩を並べて地面を駆け出した。消えた村正の気配が残っている内に、仲間を殺した人物の顔を拝む為に……――。
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