第275話
「お前、何でボクを助けた?」
抱えられたまま、魅夜は抱える酔鬼を睨んでそう問い掛ける。その問い掛けに溜息を吐きつつ、面倒そうに酔鬼は魅夜を見ずに言葉を返した。
「頼まれたんだ。そうでなきゃ、お前みてぇな雑魚なんか助けねぇよぉ」
「っ……な、何だと?」
「雑魚に雑魚って言って何が悪いんだぁ?寧ろ感謝して欲しいものだねぇ。俺があの人の言う事に従わなかったらよぉ、お前はあそこで死んでるぜ?」
「……」
纏いは妖術よりも消耗が激しく、凄まじい戦闘能力を手に入れる代償に反動がかなり大きくなってしまう。纏いの最中は疲労を感じる事はないが、状態が切れた瞬間に襲う全身の重さは倍に感じるだろう。
その反動によって今の魅夜は、もう満足に戦う事は出来ない状態となっている。それが隠し通せない事を理解した魅夜は、不満気な表情を浮かべて酔鬼に問う。
「あの人って誰だ?」
「お前も良く知ってる人だぁ。誰かは自分で考えるんだなぁ、クソ猫」
「動けるようになったら噛み殺す」
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