第265話

 ――二年前。


 新しく結成された黒騎士同士が集まった会合。その会合の際、集まったのは桜鬼、龍鬼、刹鬼、魔鬼が集まっていた。当時の戯鬼は焔鬼と対面中により欠席し、集まったのは見習い上がりの面々となった。

 

 「今日は顔合わせでしたが、来られない者が居るとは……まぁ仕方ないですね。このまま始めてしまいましょう」

 「おい、何でテメェが仕切ってんだ?三下の癖によ」

 「刹鬼さん、でしたか。私の事は桜鬼とお呼び下さい」

 「呼ばねぇよ。オレ様はオレ様より弱い奴に従う気はねぇよ」


 刹鬼は立ち上がって椅子に座る桜鬼を睨み、そんな刹鬼に対して桜鬼は溜息混じりに口を開いた。


 「そうですか。弱い奴……と言いましたが、私は貴方よりも劣っていないと見せるにはどうすれば良いでしょうか?」


 飲み物を飲み干した桜鬼は、目を細めて刹鬼にそう問い掛けた。その言葉にピクリと眉を動かした面々と違い、刹鬼はニヤリと笑みを浮かべて告げる。


 「――んなもん、殺し合いしかねぇだろ」

 「良いんですか?命乞いする事になりますよ」

 「あ?」


 その短い会話の末、桜鬼と刹鬼の間に火花が散ったのである。

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