第251話
「はぁ、はぁ……ぐっ」
「っ……っ、射殺せ……
「っ!」
桜鬼が展開している五つの球体の内、緑色の球体から術が放たれた。集束した風圧が、鋭さを持って勢い良く茜に迫る。刀で受け流そうとしようとするが、衝撃が重く火花を散らして重心が揺らされる。
「――雷鳴よ……天雷っ!」
それが大きな隙と見做した桜鬼は、空かさずに次の術を放った。次は黄色の球体から、素早い
「っ!?」
「お前は……あんたはこれで終わりよ。――
「しまっ――」
回避行動で移動した先には、既に青色の方陣が展開されていた。着地と同時に発動したそれは、茜を覆い尽くす水の渦を作り出した。閉じ込められた事により、茜は呼吸が出来なくなった。
「――がはっ」
「そのまま死んで。……これ以上、私の邪魔をしないで」
止めていた息が限界に達し、徐々に意識が遠退いていく。茜は桜鬼へ手を伸ばすが、その時……茜は薄れる意識の中で見たのである。
「っ……もう、眠りなさいよ」
後悔するような、悲しげな表情を浮かべる桜鬼の姿を……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます