第十六夜「桜花爛漫」
第207話
「――たっぷりとお仕置きしてあげます!」
急上昇していく妖力を感じながら、目の前の桜鬼を見据える杏嘉。周囲の空気が圧されているのか、桜鬼を中心にして小さな竜巻が発生している。
砂埃から手で守りながら、杏嘉は拳を強く握り締めて地面を蹴ろうとした。だがその瞬間、杏嘉の足元に無数の方陣が出現したのである。
「っ!?(いつの間に!)」
「誰が動いて良いと言った?お前が動きの早い狐なのは理解してるが、その程度で私に勝とうなんて百年早い!!」
無数の方陣から逃れようとする事は、本気を出した杏嘉であれば回避は可能だろう。だがしかし、避けようと神経を集中させれば……回避出来たとしても、その後の攻撃に対応する事は難しい。
それを理解している杏嘉だったが、ニヤリと笑みを浮かべて桜鬼を見て告げた。
「百年って言ったか?生憎だが、アタイにとっちゃ少な過ぎるんだよっ!!」
そう告げた瞬間、杏嘉は九本の尾を揺らし始める。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます