第154話
蒼白のオーラが空を貫き、稲妻が木々の間を駆け巡る。その様子を見つけた左近は、足を止めて回避する為に飛び跳ねた。木の枝に着地した左近は、訝しげな視線をそのオーラの主を見据える。
そこには、それに包まれた魅夜の姿があった。蒼白のオーラに覆われ、今までよりも遥かに高い妖力が周囲に影響を及ぼしている事を理解した。
「これは……?」
「何処を見てるの?」
「っ!?」
その様子を観察していた左近だったが、突如として目の前に出現した魅夜に対応出来なかった。今までよりも高い妖力に覆われながら、今までよりも数段速い動きで接近してきた事に目を疑った。
防御する事も出来なかった左近は、木々を薙ぎ倒して背中を強打した。血反吐が喉奥から出てきた左近は、背中を痛みに耐えながらも背後にある木を蹴って前に出る。
「そう簡単に、殺られるものか!」
「……すぅ」
前進する左近の姿が見えた魅夜は、目を細めて深く呼吸をし始める。やがて目を閉じた魅夜は、至近距離まで左近の接近を許した。それを隙を思った左近は、ニヤリと笑みを浮かべながら手刀を薙ぎ払った。
「これで、終わりだ!――死ね、猫っ!」
だがしかし、閉じていた目を開けた魅夜は呟いた。
「――纏い、
「っ!?」
その瞬間、左近の視界は蒼い稲妻に覆われたのである。
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