添削
星海空太
これは自分の詩じゃない
思い出した。
小学生の頃の記憶。
あまり鮮明ではなく、でも心の中では納得できないもやもやとした出来事だ。
あれは私が小学校6年生の頃の出来事だ。
小学生の詩の賞の応募か何かで全員が強制的に詩を書くという授業があった。
私はもともと文章を書くことが好きで、そんなに苦ではなかったが、
やはり先生に提出する必要があったので、そのことが何だか嫌で
何となくありきたりな詩を書いたと思う。
確か運動会の詩を書いた。
その詩を先生に提出すると先生が次々と文章を付け足した。
私は、クラスメイトとあまり仲が良くなかったのに
具体的にクラスメイトの名前を書いて、こういう風な詩にしなさいと訂正された。
私は先生に逆らうこともできず仕方なく先生が付け足した詩を書き提出した。
すると後日、自分の詩が受賞したと知らされた。
クラスメイトは私を褒めたが私は心の底から嬉しくはなかった。
あの詩は私が書いたものとはいえない。
授賞式の時も何となく後ろめたい、暗い面持ちで参加した。
もしかしたら先生はクラスで友達のいなかった私を
クラスメイトから一目置かれる存在にしようとしてくれたのかもしれない。
だけど、そういった優しさは私には嬉しいと思えなかった。
そんな気持ちが今も残っている。
添削 星海空太 @lucky-miyazawa
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