最終章 偽りの幸せ
「勇者よ、もう一度願いを叶えてあげましょう。」
「それは…」
その願いを聞いた妖精は驚きを隠せなかった。
「本当にそれで…後悔しないのですか?」
エクステラは頷いた。
「では…」
「ごめん!イル君、心配させちゃった?」
エクステラはイルマの元へ走ってきた。
「テラさんが無事なら僕も心配したかいがありました。」
そこに有間と未離、エクスバースがやってきた。
「エクステラ、その選択でよかったんだな。」
エクステラは微笑み頷いた。
「じゃあ、帰るぞ。」
3人はエクステラを置いて帰っていった。
「なぁ、有間。本当に置いていって良かったのか?私は断じて寂しい訳では無いが…。」
「そういうことじゃない。」
「創造神様、お待ちしていました。」
そこには妖精とエクステラがいた。
「な、エクステラ!ここに残るんじゃ…」
「あれはあっちの私。私にはどっちかの幸せなんて選べない。だから、願いを叶えてもらったの。どっちの幸せも考えて。別に私が2人に増えた訳じゃなくて、こっちの世界には理想の私がいるだけ。何も偽らなくてもいい自分。」
「気づいたのか。真実に…。」
「うん、ごめんね。でも、本当にありがとう。少なくとも私は幸せになれたよ。」
「なら、あいつの理想も無駄にはならないって訳か。」
「あのな、有間とエクステラが何を話しているのか、さっぱり分からないのだが。」
「エクスバースはこの世界に何かを感じなかったのか?例えば、依存すべき何かを模したものとか…な。」
「…!お、おい、まさか…。」
「ああ、そのまさかだ。」
「お兄ちゃん!そろそろ帰ろ。私、もう振り返りたくないから。」
「そうだな。」
そして、この世界の異変は去った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます