第5章 修行

その日の夜更けにエクステラは有間の元を訪れていた。

「ねぇ?お兄ちゃんは私の新しい体のことは知っているよね。」

「ああ、もう既にな。お前の言いたいことは分かる。俺の力と似たようなことが出来るようになりたいから修行させて欲しい、だろ。」

「あはは、やっぱりお見通しなんだね。」


「なぁ、俺が普段何をしているか分かるか?」

思い返すとお兄ちゃんはいつも部屋で本を読んでいる。あれは何のためにしているかは分からなかった。

「本を読んでいたと思うけど…」

「ああ、あれは俺が知識を得るためだ。創造の力は便利に見えて繊細なんだ。力加減一つで大きく変わる。だから、知識が必要なんだ。何かを創るには識ることが大事なんだ。どうしてこうなるのかその仕組みが分かれば簡単に再現出来る。」

「要するにどーゆーこと?」

「大事なのは知識と想像力ってところだ。まずは分身でもしてみたらどうだ、自分の体のことなら分かるだろ?それが自分からもう1つできるのを想像してみろ。」

「うーん、こうかな…」

その瞬間、私の一部が溶けだしてそれが徐々に大きくなっていった。

「うわ、すごい…」

「応用を利かせればだいたいどんなことでもできるようになるだろうな。」

「ほんと?」

「ああ、出来ることはお前が一番知っている。お前ができるならきっとできるさ。」

「ありがとう!」

エクステラはこれからを思い、想像を膨らませた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る