中学校
中学校入学
香菜子、広翔、陽菜美は北岡中学校の入学式を終えて3人とも同じクラスで教室に向かった。
クラスメイトが出身小学校と趣味を述べて挨拶をした。チャイムが鳴り、3人がいつものように話していたら男の子が駆け寄ってきて、もしかして3人って北岡リトルにいたよね……。
私、陽菜美ちゃん、広翔は北岡リトルだよ。
俺は北羽リトルにいたよと言うと広翔は練習試合や公式戦で対戦したね。香菜子はあ〜、思い出した3番の
伊東は覚えていてくれたとは。てっきり眼中にないのかと思われてたから嬉しいわ。3人はどこのシニアに入っているの?
香菜子は私たちはシニアに入らず野球部に入ろうと思っているよ。
伊東はマジか、野球部に入るとしても私立の強豪行くのかと思ってから同じ中学でビックリした。
伊東は3人に仲良くしてくれたら嬉しいと話していて笑顔でこちらこそよろしくと握手をした。
野球部入部
香菜子、広翔、陽菜美そして伊東は野球部に入部した。新入部員を見渡すと半分以上が初心者、小学校の時に町内会でソフトボールをやっていたという人が多かった。
入部してすぐボールを使った練習が出来る訳ではなく筋トレやランニングをして1日が終わった。
伊東は今から公園行って4人でキャッチボールしようぜ。
香菜子はいいけど私と陽菜美ちゃんスカート穿いてやるのはね……。
伊東はハーフパンツを陽菜美に渡し、滝沢はハーフパンツ持ってるか?
広翔は持ってるよと言って香菜子に渡した。伊東は広翔に2人が着替えてる間、リトル時代の話しながらキャッチボールをしていた。程なくして香菜子と陽菜美は2人のもとにやって来た。
ボール回しをしていると伊東は桃井と長谷川はピッチャーやっていたよね?
俺リトルの時にキャッチャーやってたから受けさせてくれないか?
香菜子と陽菜美はいいよ、じゃあ肩作るから数球投げさせて欲しいと頼んだ。
2人は肩を作り終わり投げようとすると広翔は伊東を呼び出し"あるサイン"を出すように言った。香菜子は頷き魔球を伊東に投げた。伊東は思わず広翔に何今のボールすごいフシギな変化したんだけど……なんてボール?
広翔はそれは投げた本人に聞きなと爆笑していた。
桃井、今のボール何?
香菜子は「かなちゃんボールニコニコ」っていうボールだよ。
広翔は伊東に面白いボールだろ、聞いた時マジで笑ったよ。
伊東はそんなに言うと桃井が可哀想だからやめてやれよ。
次、長谷川のボール受けるけど大丈夫?
陽菜美は茶番してないで早くしてよと拗ねていた。
陽菜美は伊東に投げるとコントロールいいな、北岡リトルが春秋連覇出来た意味が分かった気がする。
広翔は右腕の陽菜美、左腕の香菜子で「ひなかな」コンビって呼ばれてて何かテニスのペアかって思うよなと笑っていた。伊東は3人が仲がいいのは分かるけど女の子をいじめたり泣かせたらダメだよ。香菜子は伊東にこうやっていつも私をいじめるんだよ、酷いよねと話していた。
紅白戦
監督は1年生を含めて適性を図るために紅白戦を行うと言った。紅組に香菜子、伊東そして白組に陽菜美と広翔はそれぞれ分かれた。
4人は1年生でベンチスタートだった。4人の中で最初に出場したのは広翔でフォアボールを選んだ。広翔はそのままキャッチャーに付き、陽菜美はレフトに付いた。初球に早速陽菜美に打球が飛んで危なげなく捕球した。
代打で伊東が出場し、ファールで粘るものの空振り三振でそのままブルペンに行った。
そして3アウトとなりブルペンからあるピッチャーがマウンドに向かった。マウンドに上がったのは香菜子で広翔と初対決となった。
香菜子は広翔に対して魔球を3球連続で投げて広翔を三振に取った。広翔はマウンドの香菜子が満面の笑みで心の中でやりやがったな〜と思っていた。
紅白戦は紅組、白組共に点が入らず試合が終わり、4人は紅白戦楽しかったねと話していた。広翔は香菜子によくもやってくれたなと笑いながら言うと香菜子はえっ、だって伊東君のサイン通り投げただけだよ。
その話を傍らで聞いていた陽菜美はホント香菜子ちゃんと広翔君仲がいいね。何か変化球覚えたら私も絶対いじられそう。
伊東は2人が仲良しだから俺でよければいつでもピッチング練習付き合うよ。陽菜美は伊東に伝えるとありがとうと伝えた。
伊東はでもホント桃井と滝沢は友達を超えて兄妹みたいだよな。陽菜美はだってあの2人従姉妹だからね、それより早速ピッチング練習に付き合ってよと伊東に言った。
練習が休みの日、4人はいつもの公園でボール回しをやって香菜子は広翔、陽菜美は伊東に投げあっていた。
陽菜美は何か変化球を覚えたいなと思い、香菜子に変化球特集を見せて欲しいと頼んだ。陽菜美は本を見ながら色々試していた。変化球の中でも1番、2番に遅いと言われるパームボールの握りでスライダーみたいな軌道を描いた。伊東は陽菜美にもう1球投げるように言われもう1球投げた。
伊東は陽菜美に駆け寄り新しい変化球取得したね、何か名前を付ける?
隣で投げ込みをしていた広翔と香菜子も駆け寄りその話を聞き、広翔はいい名前があるよ。
「ひなちゃんボールニコニコ2号」って言うのはどう?
その話を聞いた香菜子は広翔アホなの?そんな名前だったら陽菜美ちゃんが可哀想でしょ。ちょっとは考えなよ。
陽菜美はじゃあ「変化球ひなみ」にすることを決めた。そして、陽菜美と伊東はホント2人仲良いね、相思相愛だなカップルの邪魔したらいけないから俺らはバッティングセンターに行くか。そして伊東と陽菜美はバッティングセンターに向かった。
夏休み
4人は練習に集中するため香菜子の家に集合しようとなった。香菜子はその旨を結菜伝えると毎日はダメだけど1日ならいいよ。
香菜子は携帯で3人に1日ならいいって、だから今から私の家に来てと一斉送信した。
程なくして広翔、陽菜美、伊東は香菜子の家を訪れて結菜に洋菓子屋でケーキを買ってきたと渡した。
結菜はわざわざ買ってきてくれてありがとう。お茶と一緒に持っていくね。
4人はせっせと課題をやって1日でテキストを終えた。
広翔は何か甘いものでも食べたいねと話していると結菜がトビラをノックした。香菜子、ケーキ持ってきたからドアを開けてケーキを受け取った。
4人は紅茶を飲みながらケーキを食べていて陽菜美は香菜子ちゃんのお母さんって美人だよね、香菜子ちゃんとそっくりだね。
伊東はもうちょっと進めて明日以降楽にしようと言って4人は再び宿題に取りかかり時間を忘れて時計を見ると午後7時を過ぎていた。
そして広翔、陽菜美、伊東は帰ろうとすると結菜はよかったらみんなご飯食べていかない?
広翔は早めに帰ってくるように言われているのでと言ったがお腹が鳴った。
結菜は丁度ご飯を作ろうと思っていたところだから是非食べて行って、家族の人が心配すると思うから友達の家で食べて行くって伝えておいて。3人は電話を1本入れた。
結菜は3人に今日はすき焼きだけどいい?
陽菜美は私、すき焼き大好物なので嬉しいですと言って4人は終始野球の話をしていた。
そして結菜はテーブルにすき焼きを皿に乗せて並べた。
陽菜美は香菜子ちゃんの部屋でお母さんの写真見たんですが美人で中学生の時なんてホントそっくりだなと思いました。
陽菜美ちゃんありがとう、そんなこと言われると恥ずかしいね。そして父が帰ってきた。
父は今日は賑やかだねと言うとさんにんはお邪魔してます、食事までご馳走になってすみません。
父はいっぱい食べてみんな大きくなるんだぞ、時間遅いけどみんな泊まって行くの?
結菜は迷惑じゃなかったら泊まっていっていいよ、また家族の人に連絡するの面倒かも知れないけど。そして3人は連絡をしてこの日は香菜子の家に泊まることになった。
お風呂沸かしたから先に女の子たちから入ってきて、広翔君と伊東君はそれでもいい?
広翔は大丈夫です、母から香菜子さんやご家族に迷惑ばかりかけるなってよく言われてるんです。結菜は気にしなくていいよ、お母さんとは昔からの付き合いでよくお母さんにも助けられてたから家に帰ったら持ちつ持たれつだよって伝えておいて。
結菜は香菜子から聞いてるよ、意地悪なこと言われたりするけど広翔君には感謝してるよって。伊東くんも香菜子と仲良くしてあげてね。伊東はこちらこそよろしくお願いしますと挨拶を済ませた。
香菜子と陽菜美はお風呂から上がり、広翔と伊東はお風呂に入った。伊東は広翔に桃井はどういう存在? 香菜子は従姉妹で小さい時から一緒で血は繋がってないけど妹のような感じな存在かなと広翔は語った。その話を聞き、伊東はそっか何かあれば
その頃、リビングでは陽菜美と香菜子が話していた。香菜子ちゃんにとって広翔君はどんな存在?広翔は従姉妹で小さい時から一緒で意地悪してきてまたかって思うこともあるけど悔しくて泣いた時にいつも傍にいたのは広翔だったからホントありがたいなと香菜子は語った。
その話を聞いて感動し、泣いていた。香菜子は思わずママどうしたの? 結菜はホントの理由は告げず目にゴミが入っただけだから心配しなくても大丈夫だよ。
そして陽菜美は香菜子の部屋で寝て、広翔と伊東は空き部屋で布団を敷いて寝た。次の日、3人は結菜に挨拶をすると結菜はいつでも遊びに来てねと伝えた。
4人は夏休みの宿題を7月中に済ませ、8月は部活の練習に自主練に割こうとしていた。
1年生大会
夏休みの終わりに監督は1年生大会に向けて1年生だけで練習していた。
監督は香菜子は投手兼外野手、陽菜美は内野手兼投手としてキャッチャーは広翔で伊東は打撃を活かすためにファーストを守ることになった。
監督は改めて香菜子、陽菜美のピッチングを見て2人とも後はフィールディングとスタミナがもっとあればいいなとキャッチャーの広翔に呟いた。
2学期になり、1年生大会が開幕した。リトル出身カルテットの活躍もあり北岡中学が決勝に進出した。決勝のマウンドには香菜子が上がり、相手南岡中学に6回まで1人のランナーを許さない圧巻のピッチングを見せる。北岡中学校は6回裏に広翔のホームランで先制する。
7回表に香菜子はフォアボールで初めてランナーを許す。その後2アウトでこの試合60球目相手バッターに投げてキャッチャーフライで北岡中学校は見事優勝を飾った。
しかしマウンドの香菜子は左腕を押さえて立てずに泣いていた。試合後監督は球場近くの病院に向かい、広翔もついて行った。広翔はひとまず泣いてる香菜子の傍にいた。監督は広翔に桃井の家の電話番号分かるか?
広翔は桃井のお母さんにメールで事情を説明して球場近くの病院ですと伝えたら今から向かうって返信が来ました。さすが滝沢することが早いな。そして病院に着き、監督は香菜子と診断結果を待っていた。
医者は疲労骨折だからしばらく安静にしてください。投げられなくなるとかではないので香菜子ちゃん安心してね。香菜子は涙を拭きそれならよかったですと診察室を出た。
外に出ると監督は結菜に頭を下げて娘さんにケガをさせてしまいホントに申し訳ございませんでした。私は今日限りで野球部の監督を退きます。
それを聞いた結菜は私の母の恵の話なんですが、強豪の水泳部に入部して自分を追い込んでケガしたことがあったんです。香菜子は監督さんが退くことを望んでいるでしょうか? まずは香菜子の意見を聞いた上で決めてもいいと思います。
香菜子は監督は悪くないです。前兆があれば監督なり広翔に伝えて陽菜美ちゃんに代わってもらうことが出来ましたが、私自身最後のボール投げた時に電気が走ったような痛みだったので。監督辞めないでくださいと香菜子は言った。
結菜は香菜子もこう言ってるのでそのまま続くてください。何か言われたら保護者と話し合いで和解したってことでお願いします。
香菜子はしばらく野球が出来ずどうしたらいいか分からずにいた。
広翔は学校に行く時も元気のない香菜子を見て心配で今度練習が休みの時2人でどこか出かけようぜ。香菜子は思わず広翔に抱きつき広翔は恥ずかしいからやめろと言いながら香菜子はいつもありがとう、気持ちが浮き沈み激しくてゴメンね。
広翔は香菜子にいつも人に弱音を見せないから困った時はもっと人に甘えてもいいんだから、あと外で泣くのはやめてくれよ。
泣きそうになる香菜子に広翔はティッシュを渡すと私が泣くってよく分かったね、何年一緒にいると思ってるんだよと言って学校に着いた。
授業後に香菜子は部活の練習をパイプ椅子に座り見ていた。香菜子は思わず私も練習したいなと言うと監督がケガしてるんだから練習参加していいよなんて言えるわけないだろう。香菜子は完治するまでは自主練もしないで練習を見ています。
香菜子は帰りに広翔と今度の休みどこに行こうかと話していた、広翔は香菜子はどこに行きたいとかあるの?
香菜子はしばらく考えて映画でしょ、カラオケでしょ、ショッピングでしょカフェでしょ色々行きたいところあるよと言った。広翔は1日で全部回るのは難しいから1つずつ回ろうと提案した。香菜子は楽しみにしてるね。
月曜日、部活が休みでオシャレをして家を出た。
広翔は香菜子の姿を見てめっちゃオシャレだね、いつもと雰囲気が違うから別の人かと思った。ちょっとなにその言い方、まるでいつもはオシャレじゃないみたいな感じに聞こえるんですが。広翔はそんなことは言ってないけど……、まぁともかく行くよ。
香菜子はそれで今日はどこ行くの? 広翔はカラオケとカフェに行こうかなと思ってるよ。
カラオケで2時間歌い、その後カフェに行こうと商業施設に向かった。香菜子はカフェでキャラメルラテにペンギンの3Dアートを注文し、広翔はアイスコーヒーを注文した。案内された席で2人で話していると頼んだキャラメルラテとアイスコーヒーが届いた。香菜子は描かれていたペンギンを見てかわいい〜と言って写真を撮りまくった。
カフェ代は香菜子が払い、その後2人で歩いているとアパレルショップを見つけ香菜子はちょっと見て行ってもいいか聞いた。
広翔は時間も時間だからちょっとだけだよと渋々お店の中に入った。
香菜子はワンピースを見つけ水色と赤色を見てどっちが似合うと思うと聞いた。広翔は香菜子に当ててみるように言うと俺は水色かなぁ〜、とりあえず試着してみなよと言って両方試着した。
広翔は値札を見て香菜子に悪いけど少し出して欲しいと頼んだ。香菜子はいいよ、分かったと言ってワンピースをレジに持っていった。そしてたまたま広告で安くなっていて定価の3割引で買うことが出来て広翔は香菜子に渡した。
香菜子は今日はありがとう、楽しかったよ。また一緒にどこか行こうねと言って別れた。
新フォーム
香菜子はリハビリを経てランニング、キャッチボールをして徐々に練習を再開した。監督からはムリしすぎるなよ、遠投も徐々に距離を伸ばしていけばいいもんでさ。
とはいえしばらくピッチングをしていなかった香菜子は広翔を相手に投げた。
広翔は香菜子のピッチングを見て驚いた。リトル時代や1年生大会の投球とは程遠く香菜子も自分の思ったボールが投げられずにいて涙を流した。
広翔はあることに気づく。香菜子、手投げになってるからそのまま投げたらまた肩や肘を痛めるぞ。香菜子は思わず私にピッチャーを辞めろって言ってるのと広翔に当たった。
広翔はいや違う、投げ方を変えるんだよ。上から投げてダメならナナメから、ナナメがダメなら横からといったように香菜子が投げやすい新たなフォームにするんだよ。はっきり言う、今のままだったらピッチャーとして投げられなくなるか可能性がある限り模索して見つけるかの2つに1つだよ。
香菜子は腹を
まず1週間ナナメから投げるスリークォーターに挑戦した。香菜子、広翔共にあまりしっくり来なかったので来週はサイドスローに挑戦しようと話していた。
次の週サイドスローで投げて上から投げていた時よりもストレートのノビ、変化球のキレがあり広翔はサイドスローでいってもいいと思っていた。
香菜子はせっかくならアンダスローでもやってみてダメならサイドスローでいこうと思うんだけど広翔はどう思う?
投げるのは俺じゃなくて香菜子だから納得するまでやりな、俺はそれに付き合うだけだからさ。
そして次の週、香菜子はアンダースローで投げると広翔はいいボールきてると言うと香菜子にサイドスローとアンダースローだったらどっちの方が多い? 広翔はどっちって聞かれたらサイドスローかな?
香菜子はじゃあアンダースローでいくことにする。今日はダウンして帰ろう、また明日以降もよろしくと広翔に言った。
シーズンオフ
11月に入り練習試合が出来なくなり、練習はバッティング練習やノック等をするものの体力トレーニングを重きを置いてやっていた。体力が落ちていた香菜子はまた1から体力をつける意味では貴重な時間だった。
長距離走では陽菜美、伊東、広翔を抑えて香菜子が1番でホントにケガして走ってなかったのか?俺らが知らんだけでしてたのかと話していた。
練習が終わり広翔は明日休みだし今日どこか行くかと誘った。香菜子はじゃあ着替えて公園で待っているねと1度家に帰った。
広翔は恵美に香菜子と出かけてくるもんで帰りに香菜子を泊めてもいいか聞くといつもお世話になってるんだからもちろんだよ。そして広翔は公園に向かった。
香菜子は先に公園に着き、5分遅れて広翔がやって来た。広翔は香菜子の姿を見てあれ、そのワンピースって……。香菜子はこの前広翔に買ってもらったやつだよ。可愛くてどこに行くにもこの服着てんだよね。
時期的に秋と冬の狭間で紅葉狩りとイルミネーションが見られる数少ない期間だった。広翔は北岡駅から電車で小高い山に向かいライトアップされた紅葉を2人で見て、写真を撮影をした。
その後、北岡駅に戻りイルミネーションに香菜子は見とれていた。広翔はご飯食べに行こうと言ってイタリアンのお店に向かい、2人でピザやパスタを食べていた。
香菜子は広翔にいつも尽くしてもらってばかりだから広翔もここに行きたいとかあれば一緒に行こうね。香菜子はヤバい、もうこんな時間家に帰らないと……。
広翔は大丈夫、家を出てく時に香菜子を家に泊めることを伝えてあるからさ。でも私ママにまだ言ってないから連絡しないといけないよ。その心配もしなくていいよ。
お母さんにそのこと伝えたら香菜子のお母さんに連絡しておくから任せておいてって、それよりあなたたちはデートを楽しんで来るようにって言われてきたからさ。
香菜子はそっか〜……。じゃあお言葉に甘えてお邪魔しようかな。そして広翔は香菜子を家に上げた。
恵美は香菜子にしばらく見ない間にかわいくなったね。香菜子はありがとうございます、このワンピース広翔君に買ってもらって気に入って最近よく着てます。
恵美はそれなら広翔も嬉しいと思うよ。お風呂沸かしてあるから入ってゆっくり寝てね。
香菜子は広翔に一緒にお風呂入ろう。広翔は小学校の時にも同じようなことあったな。俺らもう中学生だからさすがに一緒にって言うのはな……、だからパッと風呂入ってくるから香菜子は後でゆっくりお風呂入りなよと言って広翔は先に入った。
恵美は香菜子に最近広翔はどう?
香菜子はいつも広翔君にいつも傍にいて優しくしてもらって助かっています。私、広翔君のことを好きになんです。従姉妹って交際しても大丈夫ですか?
恵美は問題ないよ、なんなら結婚しても大丈夫だよ。香菜子ちゃん今から一緒にお風呂入ってきなよ、温め直すのも面倒だからさ。
でもさっき広翔君にダメだって断られてしまったんですよ。
恵美はそれはただ恥ずかしがってるだけだよ。この前、広翔の部屋を掃除してたらエッチなDVDがあってね広翔も男の子なんだなって思ったよ。
香菜子は恵美になんだかんだ言って広翔君も男の子ですね。そして恵美にお風呂入ってきますねと伝えて浴室に向かった。
香菜子はお風呂に入ると広翔はなんで入ってくるんだよ、待っていてって言ったでしょ。
だってお母さんが温め直すと面倒だから香菜子ちゃんも入ってきなって言われたからさ。広翔は中学生の男女が一緒にお風呂ってヤバいでしょ。なんで許可出すんだよ全く。
広翔はあんまり長湯してのぼせたらいかんから気をつけろよ。先に出て布団敷いて来るからゆっくり浸かってて。
香菜子はさっきお母さんがやっておくから2人でゆっくりしててって言ってたよ。
そっか、じゃあ俺も湯船入るから香菜子ちょっとつめて。香菜子は分かったと言って2人で少しの間一緒にお風呂に入った。
2人はお風呂から上がりコーヒーを飲んで広翔の部屋で香菜子と共に一緒に寝た。2人が部屋に行って1時間後、広翔はリビングにやって来た。恵美は広翔にどうしたの?
広翔はちょっと喉が乾いてさ、広翔は恵美に和室で寝てもいい?
いいけどどうして?
なんか香菜子の寝てる姿を見たら欲情しそうだから別の部屋に寝ようかなって思って。
恵美は香菜子ちゃんのことをちゃんと1人の女の子として見てるんだね。
広翔が言ってくれてよかった。さっき香菜子ちゃんが広翔のことが好きって言っていたよ。広翔は香菜子ちゃんのこと好きなの?
香菜子のことね……。なんて言うか
2年生
香菜子、広翔、陽菜美、伊東の4人は2年生になって誰もが2年生だが主力として活躍すると思われていたが春の大会、夏の大会で4人とも背番号はもらったものの出場機会がなく北岡中学校は初戦敗退で終わり、香菜子を含めた4人の代へと移っていく。
監督はまず会議室に部員を集めた。チームの柱としてキャプテンを投票で選ぶことになり広翔が選ばれて副キャプテンを香菜子に決まり、新チームが始動した。
ランニング、準備体操を済ませキャッチボール、ノック、バッティング練習の時、4人は先にバッティング練習をしてブルペンに行き、投げ込みをしていた。その後実戦形式の練習でマウンドに行ってボールを投げる。
監督や他の部員は香菜子がアンダースローに転向したことをこの時知り、打者は全然タイミングが合わず練習にならなかった。
香菜子はサイドスローでも投げれますと言うとなんとかバットに当たるものの外野に打球が飛ばず監督は桃井と滝沢はブルペンに行って投げ込みして来て。代わりに陽菜美をマウンドに行くように言った。実戦形式の練習が終わると監督は伊東を呼んだ。
桃井は疲労骨折から治ってフォームまで変えたが、もう1人ピッチャーが欲しい。そこで肩の強い伊東にピッチャーを任せたいと考えているけれど1回マウンドで投げてみてくれないか?
伊東は広翔を座らせ思いっきり投げた。それをみた監督はコントロールはよくないがボールは速いな。
広翔は監督に伊東はリトル時代キャッチャーやってたので俺がピッチャーやりましょうか?
監督はいや、滝沢は扇の要としてキャッチャーで使いたい。広翔は3人をリード出来るように僕も頑張ります。伊東にも投げ込みをするように伝えておきます。
自主練で広翔は香菜子の専属キャッチャー、陽菜美と伊東はピッチャーとキャッチャーを交互にすると言った。広翔は俺が3人のボールを受けるからいいよと言うと陽菜美はそれだと広翔君よ負担が大きくなるよ。それに恋のバッテリーの邪魔したら悪いからね〜。
陽菜美は広翔にとにかく私と伊東君でやるから広翔君は香菜子ちゃんのボールを受けて。
そして秋の大会を迎え、先発を陽菜美と伊東が務め、香菜子はリリーフエースとして活躍して秋の大会を制し、都大会でも優勝した。
秋が過ぎ、広翔は夏の大会に照準を合わせるために今から体力トレーニングをするとこの冬は徹底的に走り込んで1試合投げきれるだけのスタミナをつけよう。
4人は練習が終わってから走り込み、投げ込みを行い、投手の3人は野球部の練習でバッティング練習に時間を割けていない分をバッティングセンターで補おうとしていた。
広翔は3人に俺らが野球部のはしらとなって春の大会、夏の大会を制して3大会連続優勝をしようぜと言うと香菜子は最後に有終の美を飾るのは私たちしかいないよね。
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