小学校入学

子供会

香菜子と広翔は卒園し、小学校に入学した。2人が住んでいるところは都会でもなければ山間部でもないその狭間のところに住んでいた。少子化で子供の人数は減ってきているが2人の地域では1学年5人前後いた。

小学校で地域の子供会対抗の運動会の他に男の子はソフトボール、女の子はフットベースをトーナメントで市で1番を決める大会等も行われていた。

他の子供会は男の子、女の子の数が半々ぐらいでソフトボールとフットベースと試合をすることが出来るが2人の地域では少し違った。男の子が30人ぐらいいるのに対し、女の子は全学年で香菜子を含めて5人と極端に少なかった。

そのため2人の地域では特例で女の子はフットベースではなくソフトボールでの出場を許可されている。

香菜子と広翔は土日はソフトボールの練習をして平日はスイミングスクールに通っていた。子供会の試合とスイミングスクールの試合が重なった場合は子供会に連絡してスイミングスクールの試合に出場していた。

香菜子と広翔は小学1年生だが25m泳ぐだけでなく、小学校低学年の部で出場していた。

周りは3年生が多い中広翔は男子の部、香菜子は女子の部で優勝した。

結菜と恵美はその姿を見て、このまま水泳の道に進むのかな?

結菜ちゃん、それはあの子たちが決めることだよ。私たちに出来るのは見守るだけだよ。


練習試合

次の土曜日子供会同士で練習試合が行われ、監督は今日の試合は1年生も含めてみんな試合に出場させると言った。

左投げの香菜子と右投げの広翔はキャッチボールをしていて先に広翔が呼ばれた。次の回レフトで守るようにと告げられた。

広翔が守備に付いた初球、平凡なフライをしっかりキャッチした。広翔は戻り香菜子とハイタッチをしていると今度は香菜子が監督に呼ばれた。

2アウトになったら代打でいくから素振りをして欲しいと素振りをしていた。

2アウトになり、香菜子は左バッターボックスに立つとピッチャーは女子だからと舐めて山なりのボールを投げた。

香菜子はその姿に腹が立ちフルスイングをするとピッチャー強襲の打球で香菜子の初打席はピッチャーライナーだった。香菜子はベンチに戻ると広翔は惜しかったねと言った。

香菜子は広翔になにあのピッチャー、私が女だからってあんな球投げてきてと愚痴をこぼした。広翔はその話を頷きながら聞いていた。

その後も2人はスイミングスクールに通う傍ら子供会のソフトボールに行っていた。


部活

香菜子と広翔は小学4年生になり、2人は部活何部に入るかと話していた。香菜子は私、ソフトボール部に入ろうと思うけれど、広翔はどうする?

広翔はソフトボール部は男子しか入れないから香菜子が入りたいって言っても難しいんじゃないかな?

じゃあ職員室行って顧問の先生にお願いしてくるから広翔も付いてきて。香菜子の気迫にイヤとは言えず一緒に職員室に行った。

「香菜子は女子もソフトボール部に入れるようにして欲しいとお願いすると顧問の先生は今の状況だと女子は大会に出られないよ。それでも入るなら歓迎するよ」

香菜子は職員室を出て走って校舎の裏に行った。広翔は香菜子を追いかけ、広翔が見つけると香菜子は泣いていた。

広翔は香菜子が泣き止むまでずっといて広翔は香菜子を背中に背負い家まで送った。

結菜は香菜子を送り届けてくれてありがとう、これからも香菜子をよろしくね。

香菜子は顧問の先生が言ってたことが悔しく虚無感から何もする気がなかった。

5月のある日、広翔は香菜子に気晴らしに出かけようと自転車である所に連れ出した。香菜子は広翔にどこに行くのかと聞くとまぁとりあえずと言うばかりだった。

そして球場に着き、高校野球の春季大会が行われていた。広翔は香菜子に何か言いたいことがあればこの試合を見終わってから言ってほしい。

試合が終わり香菜子は広翔に私、野球やりたい、広翔と一緒に野球がしたい。

広翔はその言葉を聞いてそうか、試合を観て香菜子がもう野球いいやっていうなら水泳で頑張れって言おうと思ってたよ。

香菜子は脳裏に顧問の先生に言われたことを思い出した。広翔に女子でも野球出来るよね……?

広翔は高校によっては女子野球部あるところもあるし、数は少ないけどリトルリーグの中には女の子が試合に出てるところもあるよ。

香菜子はその言葉を聞いて安堵(あんど)の思いだった。

家に帰り、香菜子は晩御飯の時にリトルリーグに入りたいとお願いをした。テレビではプロ野球中継が入っていてバッターがデッドボールを受けていた。

父は香菜子に今の見た?リトルリーグは9歳から入れるけど当たったらアザだらけになるしケガをすることも多いよ。野球でもするなら軟式野球でもいいんじゃない?

香菜子はパパはじゃあその軟式野球のチームなら女の子試合に出れるの?練習だけの野球なら野球をやらない。野球をやるからには試合に出たいと自分の熱意を伝えた。

結菜は香菜子に今度の土曜日にリトルリーグ見に行こうと言った。香菜子は広翔もリトルリーグ入りたいって言ってたと伝えると恵美に電話をかけた。

結菜はいきなり行ったら失礼だと思いネットで近くにあるリトルリーグを調べて北岡リトルに電話をかけた。次の土曜日に邪魔にならないところでいいので練習を見せて欲しいとお願いすると午前9時から河川敷のグラウンドでやるので是非見に来てくださいとウェルカムだった。

その後、結菜は恵美に電話をかけて香菜子から広翔君もリトルリーグ興味あるって言ってたから土曜日に私車出すから4人行こうよ。恵美はそうだね、じゃあ土曜日待ってるねと電話を切った。

土曜日、結菜は香菜子と共に広翔の家に向かい恵美と広翔を乗せて北岡リトルのグラウンドに向かった。

練習を終えて帰ろうとすると監督からせっかくだからテスト受けてみてはと言われ、広翔と香菜子は少し前に入団した4年生投手と実戦形式での対戦した。

広翔はボールを確実にミートして3打数2安打

香菜子は2打数1安打1四死球

香菜子はベンチに戻って帰ろうとしていたら監督に呼ばれ、監督はバントをして香菜子にやってみるように言った。

香菜子は監督が言われるがままバントをするとキレイなバントをして現役メンバーからもお〜と歓声が起きた。

監督は2人ともどこかで野球をしていたかと聞くと子供会のソフトボールやってたぐらいでと答えた。

人数が少ないから2人とも今すぐにでも入団して欲しいと監督は頭を下げた。1度考えますとグラウンドを後にした。

12時で終わって帰る予定だったがひょんなことから入団テスト、香菜子は監督からのバント練習等で時間は午後1時半になっていた。

香菜子と広翔はお腹が空いていたので結菜はじゃあ回転寿司に行こうと向かった。

寿司を食べて結菜は香菜子と広翔に行ってみてどうだった?

香菜子、広翔共により北岡リトルに入りたい思いが強くなったよ。監督からは是非入団して欲しいって言われたよ。

恵美は車乗せてくれたから支払いは私がするねと言って4人分7000円を支払った。その帰り道、恵美は香菜子と広翔に北岡リトル入るならスイミングスクールどうする?

香菜子は私は両立するよ、広翔はどうする?

俺も香菜子と同じで両立しようと思う。

恵美は両立するの大変だと思うけど私は応援するよ、結菜ちゃんは2人の話聞いてどう?

私たちが言っても最後決めるのは2人だからね。中学生や高校生になった時、どっちを選んでも私たちは見守るだけだよ。

結菜は恵美と広翔を家に下ろして自宅に帰った。その日の夜、晩御飯の時にパパ話があると切り出して私、北岡リトルとスイミングスクール両立すると言うとケガには気をつけるように言った。

結菜は監督に電話をして入団する旨を伝え、時間があるなら河川敷の近くのスポーツショップに来て欲しい。その後恵美と監督に電話すると同じくスポーツショップに来るように伝えられた。

結菜、香菜子、恵美、広翔の4人はスポーツショップに行くと北岡リトルのユニフォームの試着と香菜子と広翔はグローブを買おうと悩んでいると伝えると監督はこのスポーツショップで働きながらやってるからと言って、格安でグローブを購入した。練習日程を香菜子と広翔に渡し、明日の午前9時にグラウンドで会おうね。


リトルリーグ入団

香菜子と広翔は午前8時半にグラウンドに行くと先に着いていたメンバーに挨拶をして回っていた。香菜子と広翔は途中入団で受け入れてもらえるか心配だったがみんな優しく接してくれた。

9時になり監督から改めて挨拶をし、よろしくお願いしますと頭を下げた。ランニングとストレッチを入念にしてキャッチボールに入る時、香菜子と広翔でしようとするとキャプテンの谷川からキャッチボールは野球の基本だからしばらくは桃井は俺と滝沢は副キャプテン斎藤とキャッチボールをすると言った。

谷川と斎藤は新入団だから基礎を大事だと思っていた。

その後ノックで香菜子と広翔以外はそれぞれのポジションに付いた。

監督は香菜子と広翔に外野に行くように伝えノックを打った。

香菜子は打球に向かって走り捕球出来なかったが監督はノックを打って香菜子の足の速さに驚いた。

広翔は全力で走ってやっと落下点に入って捕球出来る感じで見ていてすごい危なっかしい感じだった。

次にバッティング練習で香菜子はバットを長く持ってスイングをしていた。前に打球が飛ばない。

谷川は香菜子を呼んでバットを短くもって打席に立つように言った。

そして香菜子は打席に立って短くバットを持ち打つと鋭い打球が飛んだ。その後広翔が右打席に立ちフルスイングするとフェンス手前まで打球を飛ばしていた。

谷川は香菜子と広翔に伸びしろを感じていた。

谷川は2人のレベルアップのために香菜子はバッティング練習の他にバント練習をするように伝え、香菜子にボールを投げるのは広翔がするように。

香菜子と広翔はキャプテンの谷川から具体的に何をしたらいいのか尋ねた。


ダブルブッキング

香菜子と広翔は午前中にリトルリーグの練習をやって、その後にスイミングスクールでの試合をすることも多かった。

リトルリーグの練習だけの時は2人で自転車に乗って行っていくが、午後から試合がある時は車で送迎してもらうことが多かった。

リトルリーグと水泳の両立をしている香菜子と広翔は両方やってるからと言われるのが嫌で大会では誰よりも負けない闘志を燃やしていた。

香菜子と広翔は1位になっても記録がどうだったのかというところまで気にしていた。


練習試合

香菜子と広翔が北岡リトルに入団した1ヶ月後南江戸川リトルとの練習試合が組まれた。

監督から練習試合だが、もうすぐ大会が近づいてるから4年生も6年生も関係ない。全員チャンスがあると思って試合に臨むようにと告げられた。

1対0と1点リードされた5回裏1アウトランナー2塁で監督は香菜子を呼んだ。3番谷川代わって代打に送られた。谷川から三振でもしたら俺の荷物持ちだからと冗談を言って香菜子を送り出した。

監督からサインが出て香菜子は頷いた初球、3塁線にセーフティーバントをすると香菜子は1塁を駆け抜けた。

そして4番の斎藤のところに代打に広翔が送られた。その初球、香菜子は盗塁を決めて1アウトランナー2、3塁で広翔は甘く入ったストレートを振り抜くとセンター前に落ちて3塁ランナー、そして2塁ランナーの香菜子はスライディングをすると間一髪セーフとなった。

6回表5年生の右腕上田が3人で締め、香菜子と広翔にとっての初陣は勝利で飾った。


地区大会

9月下旬、にリトルリーグ東京都23区予選まで1週間前になり監督は練習後に全員を集めて今から背番号を発表すると言った。

監督は選手に背番号を渡して1番佐藤、2番斎藤と呼びあげていき、8番桃井、10番谷川、11番上田、15番滝沢と名前が挙げられた。

香菜子は家に帰り背番号を見せた。

香菜子は見せると結菜はおめでとうと言い、父から背番号8ってことはセンターなのか、足が速いからってことなのかな。

香菜子は監督から足が早くてバントが上手いからって言われたよ。パパも試合見に行くね、楽しみにしてる。

その頃、広翔は家で背番号を見せると恵美は背番号貰えるってスゴいねと言った。広翔はでも香菜子は背番号8もらったのに……。

恵美は広翔にその言い方は失礼だよ。背番号貰えなかった選手もいる中で広翔は背番号をもらったんだよ。そのことを忘れたらダメだよ。父は背番号貰った以上試合に出るチャンスがあるんだからいつでもいけるようにしないと。

桃井家、滝沢家で背番号について話し合っていた。

1回戦北羽リトル戦で香菜子は切り込み隊長として1番センター出場する。

相手チームには香菜子が足が速いことが知れ渡っていてセーフティーバントの他に内野ゴロすら恐れられていた。そして他のチームからは香菜子を塁に出したら2塁打、3塁打と同じだからフライで打ち取ろうと対策を練られていた。

1回表、香菜子も打席では高めのボール、際どいボールは甘いコースを狙って打っていた。塁に出ると挨拶代わりに盗塁をする。2塁の香菜子が3盗で0アウトランナー3塁で内野ゴロで先制点を挙げた。

6回表、この日ヒットなしの3番谷川に代打で広翔が打席に立ちフォアボールを選び、3対0で北岡リトルで勝利した。

2回戦南江戸川リトル1番センター香菜子、6番レフト広翔で出場し5対0と香菜子と広翔の活躍で決勝に駒を進めた。

決勝は伊川リトルに10対0で大勝し香菜子と広翔は試合に出場しなかった。

北岡リトルは東京都23区を勝ち抜き、都大会に出場を決めた。その帰り香菜子と広翔は互いを称えあって都大会も勝ち抜いて全国大会に出ようと話をしていた。

ところがエースの佐藤が肘が痛く都大会では投げれないことになった。監督はリトルリーグでは連投が出来ないから急遽ピッチャーを作らなきゃいけなくなった。

上田は右投げだから左腕が不足していたこともあり香菜子に白羽の矢がたった。とはいえ香菜子はピッチャー素人で佐藤は自分のせいで桃井にピッチャーやってもらうことになったと責任を感じてマンツーマンで教えていた。変化球をいくつか覚えて打ち取ってとかんがえていたが時間がなくストレートのノビと変化球としてカーブを練習して投げれるようにした。

都大会1回戦八王子西リトル戦で香菜子は1番ピッチャー、6番レフト広翔で出場した。

1回表まっさらなマウンドに香菜子に立った。緊張のあまりストライクが入らずストライクが入っても甘く打たれ、香菜子はいきなり2失点した。1回裏香菜子は打席に立ち低めのボールをたたき内野安打をもぎ取った。

香菜子は自分のせいで2点取られたから自分が点に絡めるようにと思っていた。

香菜子は塁に出ると2盗、3盗を決めて0アウトランナー3塁で2番打者に打ちやすいようにした。2番打者は内野ゴロを打ち、サードが送球エラーで2塁に進む。そして3番谷川がホームランを打った。

香菜子は6回投げきり1点で抑え、3対1で北岡リトルは勝利した。

この時香菜子は佐藤が早く戻ってきてピッチャーやるのはちょっと……と思っていた。

2回戦西多摩川リトル戦前の試合登板した香菜子は1番センター、広翔は7番レフトで出場する。香菜子はこの試合投げなくていいと思ったら少し楽な気持ちでいた。

肩の荷が下りた香菜子は調子がよく際どいボールをカットし、2四死球を選んだ。打順をさげた広翔は3安打猛打賞の活躍を見せ4対0で都大会決勝進出を決めた。

決勝戦東東京リトル香菜子は1番ピッチャーでこの試合で勝てば全国大会進出が決まる。

香菜子はヒットやフォアボールを出しながらもピンチを抑えた。バッターとして東東京リトルのピッチャーの球威に振りまけてフライアウトが多かった。

5回裏香菜子はこの試合ノーヒットで出塁出来ておらず先制点を取りたいと思い打席に立った。その初球、香菜子はセーフティーバントで1塁を駆け抜けてセーフになった。

香菜子は2盗、3盗を決めて2番打者がセカンドゴロよ間に香菜子はホームを踏んで先制点を取った。3番谷川、4番斎藤はヒットを打てず1点差で最終回6回表に入る。

香菜子は後3人抑えたら全国大会に行けると魂を込めて投げてついに2アウトで後1人のところまできていた。香菜子が投げたボールはサードにいきゲームセットだと思っていたがサードの送球エラーで2アウトランナー2塁となった。

気持ちが切れてしまった香菜子は次のバッターにフォアボールを与えてしまう。キャッチャーの斎藤はタイムをかけてマウンドに行って香菜子に声をかける。

斎藤は香菜子に「肩の力を抜いて後アウト1つだから三振取りにいこう。真ん中に思いっきり投げてこい」その言葉を聞いた香菜子は1度深呼吸をして気持ちを乗せてストレートを投げ込んだ。

カーン、打球は外野の頭を超えて同点に追いつかれ、バッターは3塁までいった。

香菜子は落ち着こうと再び深呼吸をして斎藤に投げ込む。3ボール2ストライクで追い込み香菜子が投げた6球目、ボールはハーフバウンドしてキャッチャー斎藤の後ろに転がって、2対1で北岡リトルは全国大会出場とはならなかった。

香菜子は一瞬何が起きたか分からず東東京リトルのメンバーが喜んでいた。負けんだ、私のせいでこの試合負けたんだ……。香菜子はその思いが溢れ人目をはばからず泣いていた。

キャプテンの谷川は桃井は最後まで投げてくれた。責める人はいないよ。悔しいと思うなら来年俺らの分まで全国大会に行ってくれ。

そしてキャッチャーとして出ていた斎藤はランナーを出しながらも点を与えないところは凄かったと香菜子を称えた。

都大会での記録として香菜子は2刀流として活躍し盗塁王、広翔は首位打者に選ばれて香菜子と広翔は外野手としてベストナインに選出された。


ケガ

ある日、香菜子は朝起きて自分の部屋にある2階からリビングに行こうと階段を降りていた。寝ぼけていたのか足を滑らした。

結菜はちょっと香菜子大丈夫?香菜子は大丈夫だよと言って立とうとすると激痛が走り立てなかった。

香菜子はママゴメン、足が痛くて立てないやと笑いながら言っていた。

結菜は香菜子に病院が開いたら一緒に病院行くよ。とりあえず朝ごはん食べな。

いつもなら行儀が悪いから注意するが今日は椅子を片足乗せて足に負担をかけないようにしていた。

この日はリトルリーグの練習があるがとてもじゃないが練習に参加出来る状況ではない。結菜は監督に電話して事情を説明して今から病院に行くと説明すると監督は診断結果を再度連絡して欲しい。結菜は分かりましたと電話を切った。

結菜と香菜子は接骨院に行くと診断結果が出て疲労骨折だね、先生は何かスポーツしているのか聞くと香菜子はリトルと水泳の両立してますと言うと階段から落ちたって言うのもあるけど頑張りすぎだよ、1ヶ月入院して安静するようにと言った。

結菜は監督に病院に行ってきてお医者さんから疲労骨折で安静のために入院することになりました。また戻れる時に連絡します。監督はまた何かありましたら連絡をくださいと伝えた。

香菜子は入院することになり急に時間を持て余すことになり何をしたらいいのか分からず、結菜に私入院してる間は何したらいいのと結菜に尋ねた。

結菜は香菜子に本を読んだらいいんじゃない?香菜子は教科書読むの?それなら違う本を読みたい。結菜は本屋に行ってくるから待っててね、何冊か本を買ってきてあげると言って病室を出た。2時間後、結菜は病室に戻って香菜子に5冊の本を渡した。

香菜子の部屋に様子を見に来た研修医の大学を出たての女性が入ってきた。香菜子ちゃん足の状態はどう?

香菜子は早く退院してリトルや水泳したいですと言うと研修医はムリは禁物だよ。研修医は香菜子ちゃん何の本を読んでるの?

香菜子はママに本を買ってきて読んでるんですが主人公の男の子が女の子に恋をするって話で面白いんですよ。研修医はこの小説今流行ってるやつで私も読んだことあるよ。私は他の病室行くから安静にねと言って研修医は出て行った。

しばらくして病室に誰かが入ってきた。香菜子は結菜が何か持ってきたかと思っていたが入ってきたのは結菜ではなく広翔だった。

監督から話聞いたけど香菜子大丈夫か?香菜子は広翔に心配してきてくれてありがとう。広翔はお花と果物を香菜子に渡して長居しても悪いから帰るわと言って病室を出た。

1ヶ月が経ち、香菜子は退院することが出来たがリハビリ期間に入った。リハビリをしていると桃井さんと声をかけられ、それは香菜子と同い年ぐらいの女の子だった。

私は小学4年生の長谷川陽菜美はせがわひなだけど桃井香菜子ちゃんだよね?私のこと分かる?

香菜子は少し考えて水泳の大会で戦ってる陽菜美ちゃんだよね?陽菜美はそうだよ、私なんて眼中にないから覚えられてないと思った。

香菜子はそんなことないよ。いつも陽菜美ちゃんに負けるかと思ってヒヤヒヤして泳いでるからさ。

香菜子ちゃんもしよかったら私と仲良くしてもらえないかな?香菜子は同い年だし私でよければと握手を交わした。

医者から野球は負担かかるからリトルはまだいいとは言えないけどリハビリの一環として水泳はやっていいよ。決してムリをしない程度にねと念押しされた。

結菜は監督に退院したんですがお医者さんから負担かかるから野球はまだダメと言われました。リハビリの一環で水泳は再開してもいいと言われたのでしばらく水泳の方に専念しますと言った。監督は試合だけでも観に来るようにお伝えください、香菜子さんがいるだけでチームの雰囲気がよくなるので。


対決

香菜子は3ヶ月ぶりにプールに戻ってきた。試合前に香菜子は陽菜美にお互いにしばらく実戦から離れてるけど頑張ろうねと話していた。

この日香菜子はクロールと平泳ぎの2種目にエントリーして陽菜美もまたこの2種目にエントリーしていた。

まずクロールが行われ、結果は1位香菜子、2位陽菜美で陽菜美はまた香菜子ちゃんに負けちゃった。香菜子ちゃん強いねと言うと陽菜美ちゃん速かったよ、勝ったと言っても指1本分だよ。その後行われた平泳ぎでも香菜子は陽菜美に僅差で勝利した。

陽菜美は香菜子に明日試合ないしどこか行こうと誘った。香菜子はいいよと言って連絡先を渡した。


紅白戦

広翔から電話かかってきて明日午後から紅白戦やるから香菜子にも来て欲しいって監督が言ってたよ、よかったら観に来てなと伝えた。香菜子は考えておくね。

次の日、香菜子は陽菜美と駅で待ち合わせをしてカフェで色々と話していた。

陽菜美は香菜子に水泳以外に何かやってるの? 香菜子はリトルリーグに入ってるよ。午後から紅白戦やるみたいだよ。陽菜美は香菜子にグラウンドってここから近い? 近いなら行ってもいいかな? 香菜子は全然いいよ、それなら一緒にグラウンド行こうか。

グラウンドに行くと試合が始まっていて2人で観ていた。そして試合が終わりメンバーが香菜子を見つけ、久しぶり〜滝沢から聞いたけど階段で転ぶっておっちょこちょいだなと笑っていた。香菜子と陽菜美は一緒に帰った。

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